2025年上半期カケレコ・ベストセラーTOP20！
2025-06-20
カケハシ・レコードです。
本当に早いもので、2025年も折り返し地点に差し掛かっています。
そんなわけで、25年上半期のカケレコ・ベストセラーTOP20をご紹介したいと思います！
日々ニッチ＆ディープに探求しているカケレコ・ユーザー達が、今年はどんな作品に注目しているのか試聴しながらチェックしてみてください☆
なお売り切れのタイトルは、入荷まで今しばらくお待ちいただければ幸いです<(_ _)>
1位：BAXTER / BAXTER
2025年に最も注目されたのが、超絶マニアックなプログレ・リイシューで評価の高いPAISLEY PRESSからリリースされたこの初CD化タイトルでした！
オルガンとギターを主軸に突き進むエネルギッシュで豪快なアンサンブルとキャッチーなヴォーカル・メロディが印象的な、非常に米国産らしいプログレ/プログレ・ハードを鳴らす73年唯一作。
目まぐるしく展開するハイテンションなサウンドが痛快無比の一枚！
2位：CELESTE / ANIMA ANIMUS
2位に入ったのが、先日の入荷直後瞬く間に売り切れとなったこのアルバム！
ご存じ76年に名盤を残したイタリアン・プログレ・グループの25年作。
冒頭から2分近くにわたって幽玄に鳴り響くメロトロンに早速やられます。
ジャジーなテイストを強めつつ、気品高くファンタジックなシンフォニック・ロックを終始堪能させてくれる感動作！
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3位：BUTTS BAND / BUTTS BAND
3位は、毎月マニアを唸らせるナイスなリイシューを届けてくれるBIG PINKからの一枚。
元ドアーズのロビー・クリーガーとジョン・デンスモア、そして英国からジェス・ローデンやフィル・チェンらが参加した英米混成バンドの1st。
哀愁たっぷりのブルース・ロックですが、演奏にルーズさはなく骨太ながら引き締まったアンサンブルが見事なんです。
そして何と言ってもジェスのソウルフルでコクのある存在感抜群の歌唱！
4位：MOMENTUM / SCINTILLATION
こちらも1位のBAXTERと同じくPAISLEY PRESSから初CD化された米ジャズ・ロックの逸品。
軽やかで流麗な洗練のフュージョン・スタイルとラテン風味も香る怒涛のテクニカル・ジャズ・ロックを曲ごとに行き来するような、テンションの振れ幅が大きいジャズ・ロック/フュージョンはなかなか個性的。
BRAND Xへの意識が感じられるナンバーがカッコいい〜！
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5位：MASTER CYLINDER / ELSEWHERE
PAISLEY PRESSからの初CD化が続けてランクイン！
スピーディーかつ緻密に畳みかけるジャズ・ロック/フュージョンが持ち味のテキサス出身バンド、81年作。
しなやかで気品ある芳醇なプレイでカンタベリー・ロックに通じる魅力をプラスする管楽器隊の仕事も特筆！
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6位：SUBMARINE SILENCE / ATONEMENT OF A FORMER SAILOR TURNED PAINTER
シンフォ・ファンの方には、この傑作は是非聴いてほしい。
ポール・ホワイトヘッドがジャケを手掛けた1stで知られるイタリアン・シンフォ・バンド、5年ぶりの25年作5th！
ロイネ・ストルトが参加した1曲目から壮大な物語の幕開けを告げるようなサウンドが繰り広げられてワクワク感半端なし！
初期GENESISにプログレ・ハード・テイストを加えたようなスタイルを軸に展開する組曲も圧倒的な完成度！
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7位：KATHI MCDONALD / INSANE ASYLUM
こちらもBIG PINKからの嬉しい再発でしたね！
ジャニス・ジョプリン亡き後のBIG BROTHER & THE HOLDING COMPANYでヴォーカルを務めた女性ブルース・ロック・シンガーと言えば？
彼女の74年1stソロ、なんかタイトルやジャケは不穏なんだけど、パワフルさと女性的なしなやかさとが絶妙な歌声が素晴らしい〜。
8位：WENCHE(WENCHE MYHRE) / SOM... EN LEKENDE VIND
ノルウェー産ロック/プログレをガンガン再発してくれている注目レーベルNORSKE ALBUMKLASSIKEREからの一押しがコレ！
60年代前半より活動したノルウェーの女性シンガーによる、フレンチ・ポップ好きの方にもオススメの70年作。
柔らかな管弦やアコギやマリンバが彩る木漏れ日ソフト・ロック調の演奏に、ノルウェー語のヴォーカルを乗せる彼女の可憐な歌いっぷりが何とも素敵です〜。
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9位：GUILDMASTER / GATHERING OF SOULS
数あるSAMURAI OF PROGの派生ユニットの中でも、特に完成度と独自性の高いサウンドを披露するのがこのグループ！
SOP譲りのファンタスティックなサウンド、哀愁零れ落ちる中世トラッド要素を融合させたスタイルは本作でも健在です。
クルムホルン/ブズーキ/サズ/チター/バウロンなど古楽器による典雅な調べと、メロトロンも鳴り響くダイナミックなシンフォとが見事に調和した25年作！
10位：LOST WORLD BAND(LOST WORLD) / REMISSION
21世紀屈指のテクニカル・プログレ・バンド、25年作！
クリムゾン影響下のヘヴィでスリリングなプログレに、ヴァイオリンやフルートがもたらすクラシックの気品をたっぷりと纏わせた完成度高いナンバーが並ぶさすがの一品です！
11位：KJERRINGROKK / KJERRINGROKK OM KVINNER
ノルウェーのトラッド・フォークと言えばFOLQUEが有名ですが、この読み方不明のグループが残した唯一作も名作ですよ。
純朴な牧歌性に溢れた素晴らしい演奏とアニー・ハズラムばりのソプラノ・ヴォーカル＆コーラスに心洗われます。
プロデュースはテリエ・リピダル！
12位：LOONYPARK / SAD SONGS FOR THE UPCOMING DAYS
リズム隊の交代、オリジナル・ギタリストの復帰と、大きくメンバーが変動して製作された25年作。
しかしスタイリッシュさと仄暗い叙情性をハイセンスに調和させたLOONYPARKらしいサウンドに一切の影響はありません。
本作も文句なしのカケレコメンド！
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13位：MOM'S APPLE PIE / MOM'S APPLE PIE
GFRを解雇されたプロデューサー＆マネージャー、テリー・ナイトが設立したレーベルの第一弾。
発禁ジャケで相変わらずお騒がせですが、まだ10代のメンバーばかりとは思えぬ堂に入った演奏がお見事な痺れるブラス・ロック！
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14位：COVEN / COVEN
オカルティックなサウンドだったデビュー作に対して、この2ndはまるで憑き物が落ちたかのようにJEFFERSON AIRPLAIN彷彿の抜けの良いアメリカン・ロックを披露します。
圧倒的な存在感で耳に飛び込んでくる女性ヴォーカルがなんたって凄い！
15位：ELOITERON / LOST PARADISE
1曲目のシンセ/オルガン/メロトロン/ピアノの劇的な畳みかけに、クラシカル・シンフォ好きなら興奮必至ですね。
哀愁みなぎるトランペットも良いし、ハケット・リスペクトのギターソロも絶品。
80年代のスイスが生んだ隠れシンフォ名盤！
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16位：FLOR DE LOTO / COSMOS
ケーナをメインに奏でられるアンデスの民族音楽要素とアグレッシヴなヘヴィ・シンフォ/プログレ・メタルが融合した独自のスタイルが本作でも決まってます！
ヘヴィなギターと渡り合って堂々たるソロを聴かせるケーナの響きには感動しちゃいますね。
17位：ORCHESTRA SMS / MUSICA SPARPAGLIATA
総勢15名の新鋭イタリアン・チェンバー・グループによる25年デビュー作。
ヴォーカル入り室内楽カバー・アルバムとなっていて、ロバート・ワイアットやヴェルヴェッツ、バッティスティやイル・ヴォーロまでを秀逸なチェンバー・アレンジでカバー！
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18位：THEE IMAGE / THEE IMAGE
ズシリとタイトに刻むリズムに乗って繰り出すソリッドなリフワークからファンキーなカッティングまで雄弁なギター、そして絞りだすようなシャウトからシルキーでソウルフルな歌唱まで自在なヴォーカル。
とにかくマイク・ピネラの才気がみなぎる75年作1st！
19位：KATHY SMITH / 2
幻想性や神秘性をまとった歌声とメロディ。
そこに、トニー・レヴィンやヤン・ハマーが緊張感あるジャジーなアンサンブルをぶつけちゃう、という孤高の一枚。
マイナーながら、ジョニ・ミッチェルにも負けてませんね。
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20位：NOIBLA / UNDER NO ILLUSIONS
元ALBIONのkey奏者や女性voによって結成されたポーランド産シンフォ・グループ、25年作。
新女性ヴォーカルによるコケティッシュな美声も魅力的な、無駄なくスタイリッシュにまとまったハイセンスなシンフォを楽しませてくれる秀作！
いかがだったでしょうか。
気になる作品を見つけていただけましたら幸いです！
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米オハイオ出身のブラス・ロック・バンド、元GFRのプロデューサーのテリー・ナイトのレーベルの第一弾としてリリースされた72年作
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LOST WORLD BAND(LOST WORLD) / REMISSION
21世紀屈指のテクニカル・プログレ・バンド、90年代中期作曲の未レコーディング楽曲を30年越しにプレイした25年作！
ロシア出身のヴァイオリニスト/ギタリスト/マルチ奏者Andy Didorenkoを中心に90年代初頭に結成、2017年以降はアメリカを拠点に活動するテクニカル・シンフォ・バンド、2025年作！前24年作『DAWN (1996-2024)』と同様に、90年代中期に作曲されながら未レコーディングだった楽曲群を30年越しにプレイした作品で、フルート奏者/キーボーディストとのトリオを基本に、男女のヴォーカリストやドラマーやサックス奏者をゲストに迎えて製作。キング・クリムゾン影響下のテクニカル＆ヘヴィなプログレに、ヴァイオリンやフルートがもたらすクラシックの格式高さをたっぷりと纏わせたスタイルは、これぞLOST WORLD BANDと言えるもの。スリリングな変拍子リズムとフリップ彷彿の緊張感みなぎるギターのコンビでヘヴィに突き進むナンバーは問答無用のカッコ良さ！一転して静謐なタッチのピアノやオルガンをバックに美声女性ヴォーカルと圧倒的気品を湛えたヴァイオリンがエレガントに響くクラシカル・シンフォも息をのむほど素晴らしい。美しさの中でも緊張感を持続させる不穏なサックスの隠し味もナイスです。ギターが主役を担うヘヴィなパートとフルートが縦横無尽に躍動するクラシカルなパートで構成されたナンバーもLWBらしさ満点で堪りません。今回も30年前の楽曲という事を感じさせない一級品のナンバー揃いの好アルバムです！
試聴はこちら
https://lostworldband.bandcamp.com/album/remission -
CELESTE / ANIMA ANIMUS
イタリアが誇るメロトロン・プログレ名グループ、終始幻想的かつ躍動感あふれるサウンドに感動必至の2025年作！
メロトロン溢れる76年の名作で知られ、2019年の2ndアルバム発表以降、精力的に活動を続けるイタリアン・ロックの人気グループ、25年作！冒頭から2分近くにわたって鳴り続ける幽玄のメロトロンにさっそくやられます。これぞCELESTEと思っていると、一転リズムが鋭く刻まれて、枯れた音色のアコギやサックス/フルートを主体とする奥ゆかしいファンタジーとジャジーな味わいが調和したアンサンブルが躍動。気品高く叙情的なピアノも演奏を彩ります。もちろん再始動以降のCELESTEの延長線上にある音なのですが、同時に70年代当時のCELESTEをも思い出させる質感も宿す、これは感動必至のオープニング・ナンバーです。2曲目はタイトなリズムが牽引するジャズ・ロックで、管楽器とピアノのスリリングなプレイの応酬に、メロトロンも壮大に湧き上がって終始ダイナミックに聴かせるカッコいいナンバーです。前半はインスト曲が並ぶ一方、後半からは女性ヴォーカルが美声スキャットを響かせているのも印象的で、メロトロンやピアノやフルートと共に聴く者を惹きこむほどの幻想的な世界観を創り上げます。ジャジーなテイストを一気に強めた前24年作も素晴らしかったですが、いやはや今作も一級品の完成度。ずばり傑作です！
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ELOITERON / LOST PARADISE
81年に自主制作された唯一作、スイス産クラシカル・シンフォの隠れた名盤
スイスのシンフォニック・ロック・グループによって81年にリリースされた唯一のアルバム。冒頭から、これぞクラシカル・シンフォニック・ロック！と言うべきシンセ/オルガン/メロトロン/ピアノの劇的な畳みかけに、シンフォ好きなら思わずニンマリとしてしまうでしょう。それを受けて哀愁みなぎる好演を聴かせるトランペットにもグッと来ます。そんな1曲目の世界観そのままに、端正かつドラマ性に溢れたクラシカル・シンフォを最後まで楽しませてくれます。演奏ではやはりクラシックの確かな素養を持ったキーボードのプレイが出色で、特に繊細なタッチのピアノは非常に本格的なもので、本作の完成度を大きくアップさせている印象です。Steve Hackettをかなり意識してそうなエレキギターも、シンセと共にここぞという場面で見事なソロを披露します。クラシカルなプログレが好き！という方であれば、本作は絶対に気に入ってもらえると思いますよ。名作！
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GUILDMASTER / GATHERING OF SOULS
SAMURAI OF PROGの主要メンバーKimmo Porsti(ds)とMarco Bernardo(b)を中心とするバンドの25年作3rd、SOP譲りのファンタスティックなシンフォに哀愁の中世トラッド要素を融合させた気品高くロマンティックな傑作！
SAMURAI OF PROGの主要メンバーであるKimmo Porsti(ds)とMarco Bernardo(b)、SOP作品でもお馴染みのスペイン人ギタリストRafael Pacha、伊プログレ・バンドMAD CRAYONのkey奏者Alessandro Di Benedettiの4人によるプロジェクト、2025年作3rd。SOP譲りのファンタスティックなシンフォニック・ロックに、哀愁零れ落ちる中世トラッド要素を融合させたスタイルは本作でも健在。クルムホルン/ブズーキ/サズ/チター/バウロンなど欧州各地の古楽器が典雅に奏でる悠久の調べに聴き入っていると、突如メロトロンの洪水がやってきて、ドシッと重厚なリズム、つややかに疾走するシンセ、アグレッシヴで劇的なギターによるダイナミックなシンフォニック・ロックへと移り変わっていきます。1曲の中でシンフォ・パートと中世トラッド・パートがごく自然に切り替わる構成の妙が本当に見事で、メインコンポーザーであるRafael Pachaの高い作曲能力が窺えます。全編にわたり気品と浪漫に満ち溢れたトラッド・シンフォの傑作！
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LOONYPARK / SAD SONGS FOR THE UPCOMING DAYS
ポーランド屈指の女性voシンフォ・バンド、スタイリッシュさと仄暗い叙情性をハイセンスに調和させた25年作8thアルバム！
天才コンポーザー/key奏者Krzysztof Lepiarczyk率いるポーランドの人気女性voシンフォ・バンド、25年作8thアルバム。21年作にて初代女性ヴォーカルが復帰、前23年作ではギタリストが交代、そして本作でもメンバーが大きく変動しています。初期からバンドを支えてきたリズム隊の2人が、共にMILLENIUMのメンバーでもあるKrzysztof Wyrwa(b)＆Grzegorz Bauer(ds)に交代。そしてオリジナル・ギタリストPiotr Grodeckiが復帰を果たしています。そんな新体制で製作された本作ですが、前々作〜前作を継承するスタイリッシュさと仄暗い叙情性が見事に調和する、LOONYPARKらしい世界観をしっかりと堪能させてくれる内容となっています。タイトかつダイナミックに刻むリズム・セクションはさすがMILLENIUMのコンビだけあって緩急のコントロールが抜群だし、一音一音にありったけの情感を込めたギタープレイにもグッと来るし、リーダーのセンスみなぎるスペーシーなシンセワークや静謐に奏でるピアノは相変わらず冴えわたっていて見事です。そして何と言っても、しなやかさと厳かさが絶妙なバランスの女性ヴォーカルの存在が特筆。数多いるクリアな美声タイプとは一線を画す、深みをもって響く歌唱がまさにLOONYPARKを聴いているという確かな実感をもたらします。間違いなくポーランド・シンフォの最高峰、傑作です。
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MOMENTUM / SCINTILLATION
米ジャズ・ロック/フュージョン・グループによる83年2nd、洗練度100％のフュージョンと怒涛のテクニカル・ジャズ・ロックを行き来する、テンションの振れ幅が大きい痛快盤！
80年にデビューした米ジャズ・ロック/フュージョン・グループによる83年2ndアルバム。軽やかで流麗な洗練度100％のフュージョン・スタイルとラテン風味も香る怒涛のテクニカル・ジャズ・ロックを曲ごとに行き来するような、テンションの振れ幅が大きいジャズ・ロック/フュージョンはなかなか個性的です。冒頭は打ち込みかのように精緻なドラミングに乗ってメロディアスなギターとシンセが駆けるフュージョンを聴かせますが、続く2曲目はBRAND Xのカバー？と思わせるベースリフからサックスが饒舌に歌うラテン・ジャズへと発展。また1曲目の雰囲気に戻って美しいピアノとアコギのプレイが耳を惹く繊細なフュージョンを披露する3曲目。そして4曲目は超絶ドラミングが捲し立てシンセとギターが熱いソロを闘わせる、今度こそBRAND Xを聴いてるようなハイテンション・ジャズ・ロック！そちらが本性なのか、後半はエネルギッシュで技巧的なジャズ・ロックが幅を利かせます。ドラムを筆頭にとにかくテクニックが抜群で、これほどの猛者がごろごろしているアメリカのマイナー・プログレ・シーンに驚嘆せずにはいられない一枚です。
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NOIBLA / UNDER NO ILLUSIONS
ポーランド、元ALBIONのkey奏者や女性voによって結成されたシンフォ・グループ、女性voの交代を経て7年ぶりにリリースされた25年作2nd！
ポーランドの人気グループALBIONを脱退したキーボーディストや女性ヴォーカリストによって結成されたシンフォ・グループ、女性ヴォーカルの交代を経て7年ぶりにリリースされた25年作2ndアルバム。タイトなリズムセクションに乗って、シンセサイザーが荘厳かつ美麗に鳴らされ、ギターがヘヴィなリフからクリーントーンの繊細なタッチまで自在に活躍し、浮遊する音響がミステリアスな空気を作り出す、ポーランドらしい薄暗い叙情性を纏いながらエモーショナルに紡ぐサウンドが魅力です。そこに新女性ヴォーカルによるコケティッシュな美声が重なって、無駄な音を一切鳴らさないシンプルでスタイリッシュにまとまったシンフォを堪能させてくれます。打楽器や弦楽器を模したプログラミングを駆使した民族的テイスト薫る厳かなナンバーも秀逸。分厚く音を塗り込めるタイプのシンフォとは一線を画する、バンドのハイセンスな感性が発揮された好アルバムです。オススメ！
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BUTTS BAND / BUTTS BAND
DOORSのRobbie KriegerとJohn Densmore、英国の名シンガーJess Roden、ベーシストPhil Chenらによる英米混成バンドによる73年1st、文句なしの名盤です！
元DOORのギタリストRobbie KriegerとドラマーJohn Densmore、英ブルー・アイド・ソウル・シンガーJess Roden、名セッション・ベーシストPhil Chen、キーボーディストRoy Daviesらによる英米混成バンドの73年デビュー作。カントリー・タッチも織り込んだ哀愁たっぷりのブルース・ロックですが、演奏にルーズさはなく骨太ながらも引き締まったアンサンブルが見事。タイトに刻むドラムスと歌心豊かなベースによるリズム隊、シャープなトーンで情感たっぷりにプレイするギター、オルガン/エレピ/シンセを自在に操るキーボード。そんな隙のないアンサンブルに乗るJess Rodenのヴォーカルがまた素晴らしく、ソウルフルでコクのある存在感みなぎる歌唱が本作の完成度をさらに押し上げています。ブルージーながら洗練された職人的演奏と渾身のヴォーカルにノックアウト必至の名盤です。カケレコメンド！
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COVEN / COVEN
圧倒的存在感の女性ヴォーカルを擁するシカゴ出身バンド、71年作2nd
オカルト/黒魔術的コンセプトを持つサウンドでデビューした、シカゴ出身バンドによる71年2nd。存在感ある女性ヴォーカルを武器に、BLACK SABBATH+JEFFERSON AIRPLAINとも言えるサウンドを聴かせた1stに対して、本作ではまるで憑き物が落ちたかのようにJEFFERSON AIRPLAIN彷彿の抜けの良いアメリカン・ロックを披露。なんと言っても特筆は女性ヴォーカルJinx Dawsonの存在で、圧倒的な声量と声域と歌唱テクニックを備えた極上のパフォーマンスを全編で聴かせます。前作でのオペラの素養を土台にした荘厳な歌唱もゾクゾク来ましたが、このアルバムでの弾けっぷりがまた痛快無比！ご機嫌に弾き飛ばすピアノに気品あるハープシコードも絡めたキーボード、サイケデリックな豪快ギターが活躍する演奏陣も実力派です。1stからの変化に驚かされますが、きっとこちらが本来の姿なのでしょう。とにかくこの女性ヴォーカルはガツンと来ますよ。快作！
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SUBMARINE SILENCE / ATONEMENT OF A FORMER SAILOR TURNED PAINTER
MOONGARDENのキーボーディストCristiano RoversiとギタリストDavid Cremoniを中心とするイタリア新鋭、圧巻の2025年作！
GENESIS系イタリアン・シンフォの代表的バンドMOONGARDENのキーボーディストCristiano RoversiとギタリストDavid Cremoniを中心に結成されたグループ、5年ぶりにリリースされた25年作5thアルバム！後半に21分のタイトル組曲が待ち構える4曲構成となっていますが、ロイネ・ストルトをフィーチャーした1曲目から壮大な物語の幕開けを告げるようなサウンドが繰り広げられてワクワク感が半端じゃありません。ゆったりとしたテンポの中で力強く刻まれるリズムと、雄大に流れゆく大河を思わせるシンセ＆オルガン。その上をロイネによるこれ以上ないほどにエモーショナルで劇的なギターが駆けていきます。いきなりクライマックスかという盛り上がりっぷりが圧巻です。間髪入れずパワフルになだれ込むリズム隊＆ギターにメロトロンやオルガンが合わせる分厚くダイナミックなアンサンブルと共に2曲目がスタート。アグレッシヴに唸るオルガンと男女の英語ヴォーカルを主役とするサウンドは、SUBMARINE SILENCE史上最もハードと言えるかもしれません。そんな轟轟と鳴らされる演奏が不意に止むと、ピアノやメロトロンと女性ヴォーカルが織り上げる美麗なるシンフォニック・ロックへと収束、たなびくメロトロンの余韻と共に終わりを告げます。お待ちかねの組曲は、幽玄のメロトロンとシンセが格調高く響くクラシカルな導入を経て、初期GENESISにプログレ・ハード・テイストを加えたようなスタイルを軸に展開。中世ロマン滲む典雅なアコギ＆疾走感あるプレイから優美にたゆたうプレイまでハケットを宿す見事なギター、そして幻惑的なメロトロン＆クラシカルなオルガン＆アグレッシヴで色彩溢れるシンセでトニー・バンクスに迫るサウンドを作り出すキーボード、生き生きと生命力にあふれた男女ヴォーカルも素晴らしい。ロマンティックなアコースティック・パートとスピーディーに駆け抜けるパートとの緩急が絶妙で、冗長さなど一切感じさせない構築性の妙が味わえます。前作までは全体的にGENESISを強く感じさせる作風でしたが、本作ではGENESISリスペクトを端々に散りばめつつ、より自分たちの音楽性を追求してきた印象です。圧倒的完成度に震える傑作！
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WENCHE(WENCHE MYHRE) / SOM... EN LEKENDE VIND
ノルウェーの女性ポップ・シンガー、フレンチ・ポップ好きにオススメの可憐なサウンドを聴かせる70年作、「Close To You」のカバー収録
64年にデビューしたノルウェーの女性ポップ・シンガーによる70年作。柔らかな管弦やアコギやマリンバが彩る木漏れ日ソフト・ロック調の演奏に、ノルウェー語のヴォーカルを乗せる彼女の可憐な歌いっぷりが何とも素敵です。France Gallなど60年代後半あたりのフレンチ・ポップに通じるサウンドですが、しっとり聴かせるパートでの演奏の透明感は北欧的と言えるかも。ストリングスが寄り添う「Close To You」の母国語カバーも秀逸に聴かせるナイスな一枚！
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KJERRINGROKK / KJERRINGROKK OM KVINNER
ノルウェーの女性ヴォーカル・トラッド・フォーク、75年唯一作、「珠玉」という形容が相応しいノルディック・フォークの傑作！
74-76年にかけて活動したノルウェーのトラッド・フォーク・グループ、テリエ・リピダルがプロデュースした75年の唯一作。ボンゴ/ドラムとダブルベースがいなたく刻むリズム、アコギ、ウクレレ、バンドゥリア、チェロ、フルートらによるリリカル＆メランコリックなアンサンブル。これぞ北欧トラッド・フォークと言える純朴な牧歌性に溢れた素晴らしい演奏を聴かせます。5人の女性メンバーにヴォーカルのクレジットがあり、アニー・ハズラムかのようなソプラノ・ヴォイスで歌うリード・ヴォーカルを澄み切った4声コーラスが支える、ノルウェー語の歌がこれまた絶品。淡々としているようでいて、滲み出る切ない情感に絶えず胸を揺さぶられます。1曲でプロデューサーのテリエが、ギターではなくエキゾチックなソプラノ・サックスのプレイを披露していて注目です。マイナーながら、「珠玉」という形容が相応しいノルディック・フォークの傑作！
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FLOR DE LOTO / COSMOS
アンデスの伝統音楽とヘヴィ・プログレッシヴ・ロックを融合させたペルーの新鋭グループ、25年作！
05年にデビューしたペルー出身の新鋭バンドによる25年作。ケーナをメインに奏でられるアンデスの民族音楽要素とアグレッシヴなヘヴィ・シンフォニック・ロックが融合した独自のスタイルは勿論本作でも健在です。ズシズシと迫る重量級リズム・セクション、ザクザク刻むメタリックなギター、色彩感のあるシンセが作り上げるヘヴィ・シンフォ/プログレ・メタルが土台にあって、そこに雄々しく歌うスペイン語ヴォーカル、リリシズム溢れるフルート、そして雄大な情景を映し出すケーナやサンポーニャの音色が零れ落ちんばかりの哀愁を乗せます。特にケーナはリード楽器として大活躍しており、多くの曲でヘヴィなギターと渡り合う堂々たるソロを聴かせてくれていて感動的。ヘヴィ・シンフォ・ファン、プログレ・メタル・ファンには文句なしにオススメですし、民族音楽を取り入れたプログレ/ロックがお好きな方にも是非聴いてほしい一枚！
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KATHI MCDONALD / INSANE ASYLUM
ジャニス亡き後のBIG BROTHER & THE HOLDING COMPANYで活躍したフィメール・ブルース・ロック・シンガー、74年1stソロ
ジャニス・ジョプリン亡き後のBIG BROTHER & THE HOLDING COMPANYでヴォーカリストとして活躍したフィメール・ブルース・ロック・シンガー、74年1stソロ。のちにJEFFERSON STARSHIPで活躍するPete Sears(b/key)、Ronnie Montrose(g)、Nils Rofgren(g)他が参加。タイトルやジャケットは何か不穏なものを感じさせますが、冒頭、流麗なピアノにオルガンが絡んでいき、リズムとギターがなだれ込んでアンサンブルが動き出すと、声量みなぎる堂々たるヴォーカルが炸裂！一瞬にしてBB&HCでジャニスの後任を任された事を納得させられる歌唱を披露します。と言ってもジャニスのようなしゃがれたディープなブルース・ヴォーカルというわけではなく、持ち前のパワフルさに女性的なしなやかさも帯びた歌声を本来の魅力とします。ジャニスに近い歌唱スタイルはあくまで彼女のヴォーカルの一側面であることが聴き進めていくと分かってくるはず。中でもエルヴィスのカバー「Heartbreak Hotel」は聴きモノで、まさに彼女の持ち味であるパワフルかつ艶やかな歌唱が最高にカッコいいです。名手達によるブルージーでコクのある演奏に乗って、存在感たっぷりに歌い上げるヴォーカルがとにかく素晴らしい傑作！
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MASTER CYLINDER / ELSEWHERE
テキサス出身のジャズ・ロック/フュージョン・グループによる81年唯一作、カンタベリー・ロックを思わせる管楽器群を纏ったイマジネーション溢れるジャズ・ロック好盤！
テキサス出身のジャズ・ロック/フュージョン・グループが81年にリリースした唯一のアルバム。再生を始めるといきなり、けたたましいシンセを合図にして各楽器が一斉に飛び出すファンタジックなアンサンブル。手数多く疾走する忙しないドラムスと伸びやかに歌うようなベースの組み合わせが面白いリズム・セクション、そしてソフトなトーンの浮遊感あるシンセに洒脱なジャズ・タッチが美しいピアノらが中心となって紡ぐ、スピーディーかつ緻密なジャズ・ロックです。ギターは控えめながらここぞではフュージョン・タッチのリリカルなプレイを提供。そんなバンド・アンサンブルにエレガントに絡むフルート/サックス/トロンボーン/トランペット/フリューゲルホルンら管楽器隊がまた素晴らしくて、しなやかで気品ある芳醇なプレイは、カンタベリー・ロックに通じる魅力を本作に付与しており注目です。スピーディーに畳みかけるパートではややバタバタしてる感もありますが、各楽器のイマジネーションに富む音使いが見事な好盤となっています。
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ORCHESTRA SMS / MUSICA SPARPAGLIATA
イタリア、OTEMEのリーダーStefano Giannottiが率いる総勢15名のチェンバー・グループ、ロック/プログレ名曲カバーを収録した25年1st！
イタリアン・チェンバー・グループOTEMEのマルチ・プレイヤー/コンポーザーStefano Giannottiが率いる、総勢15名のチェンバー・グループによる25年デビュー作。ヴォーカル入り室内楽カバー・アルバムとなっていて、Robert Wyatt/VELVET UNDERGROUND/THIRD EAR BAND/YOUNG MARBLE GIANTS/Rick Wright/David Sylvian/David Bowieら英米アーティストのナンバーの他、Lucio Battisti/IL VOLO/Franco Battiatoなど自国のレジェンドもカバー。1曲目の「Sea Song」から素晴らしく、アコギとパーカッションとクラリネットによるシンプルながらしっとり美しい演奏と陰影ある女性ヴォーカルが織りなす、原曲の雰囲気を大事にした好カバーを披露。続くBattistiのカバー「La Metro Eccetera」は原曲の打ち込みポップをアコースティカルな響きを生かした芳醇なチェンバー・ポップに仕立てていて、オリジナルより良いかもしれません。IL VOLO「Il Canto Della Preistoria (Molecole)」のリリカルなチェンバー・アレンジも秀逸だし、ボウイ『Space Odity』から絶妙な選曲の「Memory of a Free Festival」はチェンバロの気品高い響きとドリーミーなヴォーカルが実にいい感じ。そんな中でOTEMEを受け継ぐ本格派チェンバー/アヴァンギャルド・サウンドを聴かせるのが『UMMAGUMMA』収録のRichard Wright作「Sysyphus Parts 1-4」。原曲はバリバリの現代音楽ですが、管弦楽器による狂気を発露させるような響きに戦慄が走るパフォーマンスで聴かせていて、演奏のクオリティーはUNIVERS ZEROにも迫るものです。見事なチェンバー・アレンジが施されたロック/プログレの名曲がたっぷりと楽しめるオススメの逸品！
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THEE IMAGE / THEE IMAGE
マイク・ピネラ（BLUES IMAGE〜IRON BUTTERFLY〜CACTUS）率いる米ファンキー・ハード・ロック・グループ、マンティコア・レコードよりリリースの75年作1st！
フロリダの名ブルース・ロック・バンドBLUES IMAGEを率いて活躍した後、アイアン・バタフライやカクタスに参加したり、80年代にはアリス・クーパーもサポートした名ギタリスト、マイク・ピネラによるハード・ロック・トリオ。EL&P主宰のMANTICOREレコードよりリリースされた75年作1st。ズシリとタイトに刻むリズムに乗って繰り出すソリッドなリフワークからファンキーなカッティングまで雄弁なギター、そして絞りだすようなシャウトからシルキーでソウルフルな歌唱まで自在なヴォーカル。とにかくマイク・ピネラの才気がみなぎっています。ギターに流麗かつゴキゲンなプレイで絡むピアノも絶品。ファンク要素を持つハード・ロックは多数ありますが、この完成度はそうそうお目にかかれません。聴き応え抜群の演奏が全編楽しめる力作！
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