「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ」 第六十一回 ピーター・ハミルはおいといて。 ――ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイター〈一人吹奏楽〉噺 文・市川哲史
2025-06-20
ピーター・ハミルはおいといて。 ――ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイター〈一人吹奏楽〉噺
正体不明のアーティスト名の字面や表音になぜかぐっときて、そのレコードをとりあえず買ってしまったことがある。ジャケ買いならぬ「語感」買い、と勝手に呼んでいる。わかりづらいだろうから具体例を挙げると――輸入盤屋の最新英盤12インチのエサ箱で見つけた真っ黒なジャケ。よぉーく目を凝らしたら黒字で印字されたバンド名らしきものが。《ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK》。響きもスペルもいかついけれど、なんか凛々しい。日本デビュー一年前の、オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの1stシングル“エレクトリシティ”だった。
そんな1980年前後のニューウェイヴ期は、深読みできるバンド名も多くて愉しかった。音はやたら情緒的でペシミスティックな《CHINA CRISIS》とか、ピンク・フロイドのベスト盤『A COLLECTION OF GREAT DANCE SONGS（ベスト・オブ・フロイド〜時空の舞踏）』以上にシニカルなのだろう《DANCE SOCIETY》とか。
《801》は『NHK-FMヤングジョッキー』で渋谷陽一社長が「ハチマルイチ」と発音したのを聞き、ぐっときた。「エイトオーワン」と紹介されていたら、高校生の私はたぶん聴かなかったと思う。ハチマルイチだからいいのよハチマルイチだから。
私のそんな数少ない語感買い経験で最も鷲摑みされたのが、《VAN DER GRAAF GENERATOR ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイター》。あ、現在の日本語表記はヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターですか、そっちの方がさらにぐっときます。
当時はグーグル以前にネットが存在しない世の中で、物の本で調べたらこのヴァンデグラフ起電機、1929年に米国人物理学者R・J・ヴァン・デ・グラフが発明した静電気発電機だという。ドイツっぽい語感に勝手にジャーマン・ロックの薫りを嗅いだ気になってたので、ちょっと哀しかった。具体的に、小学生のときに訪ねたどっかの科学博物館で、目に見える形で放電したり我々の髪の毛を逆立てたりした「あの」機械のことだとわかったのは、もっと後だ。語感買いした彼らの実質デビュー・アルバム『THE LEAST WE CAN DO IS WAVE TO EACH OTHER（ザ・リースト・ウィ・キャン・ドゥ・イズ・ウェイヴ・トゥ・イーチ・アザー：旧・精神交遊）』の、おそろしく貧相なジャケに描かれてるアレなのね。正太郎くんが持ってた鉄人28号の操縦機じゃないのかアレは。
何はともあれVDGG、略しても恰好いいです。そしてそのVDGGは私にとっていろんな意味で「痛い」。いまも。
たぶん大学浪人中の1980年代前夜頃に、2nd『精神交遊』と3rd『H TO HE, WHO AM THE ONLY ONE（天地創造：旧・核融合）』をまとめて聴いたのが、初VDGGだった気がする。だけどそのときにはもう解散してたんだった。
やたら小刻みで忙しないドラムとそれ以上にぴょーぴょーぴゅるぴゅる賑々しいサックスが煽動する、頭でっかちだけど古くて新しいサウンドデザインが魅力的だった。そのデヴィッド・ジャクソンのサックスも、ピックアップをマウスピースに装着して電化したもんだから、ワウワウなど各種エフェクターを経由した音色が意表を突く。その結果生まれる、変拍子と「そこまでしなくてもいいのに」的な蛇足生えまくりのアンサンブルは、近い将来のニューウェイヴ到来を先取りした〈なんかスタイリッシュなちんどん屋〉のようで新鮮だったのである。
そもそも最初からギターレスで、唄＋サックス＋ベース＋ドラムス＋鍵盤の特殊編成。たしかに既に鍵盤＋ベース＋ドラムスなザ・ナイスや、VDGGにやや遅れて同編成のELPやら鍵盤×2＋ベース＋ドラムスのグリーンスレイドがいるものの、看板のハミル以上に態度がでかいサックスが主役を張るこのバンドは、かなり珍しい。しかも『精神交遊』一枚でニック・ポッターが脱退して以降、ギターもベースもいなくなるのだからいよいよ変則的で〈珍味〉と化した。とはいえツェッペリンの“トランプルド・アンダー・フット”が恰好いいように、教会のパイプ・オルガン経験豊富なヒュー・バントンがオルガンのフット・ペダルで代行したベース・パートが予想外に魅力的な重低音で、ひたすら実直なドラミングとの相性もよかった。〈地上最強の結果論〉の名に相応しい。
この独自のいびつなアンサンブルは絶妙で、弦楽器の不在が生む潔さに私は勝手にリリシズムを覚えた。だから、『天地創造』の“ジ・エンペラー・イン・ヒズ・ウォー・ルーム”と4thアルバム『PAWN HEARTS（ポーン・ハーツ）』の組曲“ア・プラグ・オブ・ライトハウス・キーパース”最終章“j）ウィ・ゴー・ナウ”で客演したロバート・フリップのギターを、「別になくてもいいや」とまで思えちゃったのだ。
え、私だけ？
そしてなにより、歌唱力は拙いながら文学青年的ナルシシズムをぷんぷん漂わせてくれる、ピーター・ハミルのヴォーカルが音に絶妙に合ってないのがまた、いい。で「♪扉もベルもない家に住んでる僕を誰か助けてくれないか（←棒読み）」とか、「♪蛸にがんじがらめに包みこまれた僕」とか「♪僕というカタチが失くなったのか、それとも最初からいなかったのか」などと、国境を越えたモラトリアム殺しの世迷い言を唄っちゃうのだから、そりゃ厨二はひとたまりもない。
艶とか大衆性とかロマンチシズムからは縁遠いし、構造的には長尺気味だったり楽曲展開や組曲指向がいわゆるプログレ・フォーマットではあるけれど、そんなVDGGを私は〈アングラなロキシー・ミュージック〉的に愉しんだ憶えがある。
誰が括ったか知らないが1970年代初期の英国では、クリムゾンとイエスとELPがプログレ御三家で、ジェネシスとジェントル・ジャイアントとこのVDGGが「裏」御三家として人気を博してたらしい。たしか『STILL LIFE（スティル・ライフ）』の日本盤の帯には、《英国一のインテリ・バンドという異名を持つプログレッシブ・グループ（原文ママ）》と書かれていた。あるいは、その『スティル・ライフ』発売当時の『音楽専科』誌1976年10月号ではこうなる。
ヴァン・ダー・グラフはピーター・ハミルを中心とする5人組（現在は4人組）で、妥協を許さないという点では、クリムズンと並ぶ存在。テクの高さはいうまでもないが、音楽そしてピーター・ハミルのリード・ヴォーカルには言い知れぬ“凄み”がある。表面的だけなプログレ風小技、つまり、やたらにシンセサイザーを左右に飛ばすといったことはなく、聴き手の内面からじっくり音楽を浸透させていく。プログレッシヴとはこのグループのために存在する言葉のようで、正に本当の本物プログレ・グループ。君も一度はその“凄さ”に触れておく必要があるだろう（原文ママ）。
この文章が掲載されたグラフ特集のタイトルは『この秋、キミはプロ・グレ派に変身!!―プログレッシヴの新しい騎手たち―』で、筆者はおお、たかみひろしさん。VDGGの他にはトレース『鳥人王国』とセバスチャン・ハーディーの『フォーモーメンツ』『ウインドチェイス』とブランドＸとネクター『リサイクルト』とアフロディテス・チャイルド『666』とレ・オルメ『フェローナ＆ソローナ』が、併せて紹介されていた。音専って『ミュージックライフ』より全然マニアックだったのだ。そういえば。
ではVDGGがプログレだとするならば、最もプログレとして完成度が高いのは当然、1971年発表の4thアルバム『ポーン・ハーツ』になるのだろう。私がロキシーと喩えた前2作と較べものにならないくらい飛躍的に、濃度と演奏力と構築度と構成力が3倍増はしてしまった。「♪ある朝目を覚ましたらいちばん不幸だったときの二倍不幸になってて、日暮れまで寝たら自分が死んでることに気づいた」なんて歌詞の、ナルシスティックなお先真っ暗感はハミルの〈ある到達〉を早くも感じさせたし。他のどの国でもなくイタリアでチャート1位を獲得したのがまた、わかりやすい。
ちなみにアルバム発表直後の10月から英国、翌1972年2月から半年間くまなく欧州を廻ったら全員疲弊してバンドが解散しちゃった脆弱さは、もっとわかりやすい。
さらについでに書けばここまでの三枚は、ジェネシスの『侵入』『怪奇骨董音楽箱』やロキシーの『フォー・ユア・プレジャー』B面のように、プロデュースした楽曲を必ず辛気臭くする「達人」ジョン・アンソニーと、手掛けたアートワークがアルバムの中身をもやっとさせる「匠」ポール・ホワイトヘッドの仕事だったりする。なんかその逃れられないやるせなさが似合ってしまうこと自体、いよいよわかりやすいじゃないか。
でここからのVDGGには、さほど愛着が涌かない私だったりする。
1975年に解散前と同じ変則四人編成で復活するけれど、それまでの机上の空論ワールドからステージ上の現実へ立ち位置を仕切り直した感があった。エレキ・ギターを弾き唄うハミルが象徴的で、まだパンク・ロック前夜なのに早くもパンク・アティチュードが見え隠れする『GODBLUFF（ゴッドブラフ）』は、それだけ意表を突いたのだ。
翌1976年一気呵成に連続リリースした、〈ゴスなロキシー・ミュージック〉的たたずまいがなぜか過去最高にポップな『スティル・ライフ』と自称ダンス・アルバム『WORLD RECORD（ワールド・レコード）』も、完成度は高くてもいちいち唐突だった。一体どこに向かってるんだと思ってたら、たぶん我々以上に意表を突かれてたはずのデヴィッド・ジャクソンとヒュー・バントンの両名が脱退しちゃった。ある意味VDGG本来の〈エキセントリックなちんどん屋〉サウンドの張本人二人の退場が、稀代の「欠落」プログレの賞味期限満了を知らしめたのである。
その後のVDGGは、もといベースでポッター復帰＆ヴァイオリンとチェロの二人を補填して、《ヴァン・ダー・グラーフ》に改名するも、あっという間にハミルの〈自己の鉄砲水〉に飲み込まれた。だって発電機はもう外されちゃった、単なる生身の博士だもの。ひたすら不安を突き詰め続けるハミルの独演会の舞台と化すのは、時間の問題だった。
なのでハミルがメランコリックだったから1977年発表の『THE QUIET ZONE / THE PLEASURE DOME（ザ・クワイエット・ゾーン／ザ・プレジャー・ドーム）』はひたすら物憂げで、続くジャクソンが復帰した1978年発表の最終ライヴ盤『VITAL: VAN DER GRAFF LIVE（ヴァイタル）』がすっかり轟音化するのは、ハミルの自爆願望が飽和したからに他ならない。
なお2005年以降の再編成VDGGに関しては、今日のところは忘れてほしい。とりあえず。
あれ。私にとってのVDGGとはたった2年強の『精神交遊』『天地創造』『ポーン・ハーツ』期だけだったのか？ いや。実はここからが面倒くさい話なのだ。
まずハミルの初ソロ・アルバム『フールズ・メイト』が発表されたのが1971年で、本隊の『ポーン・ハーツ』とほぼ同時期に録音している。以降、VDGGと並行して彼のソロ作品は制作され続ける。一方のちんどん隊――バントン＆エヴァンス＆ジャクソンの三人は、ハミルのソロに毎回積極的にゲスト参加しながら、同時に《ザ・ロング・ハロー》というスピンオフ・ユニットも稼働させていた。要するにほぼ同じメンツで、VDGGとハミルのソロとハミル抜きVDGGの三形態が同時進行したのだ。そしてハミル・ソロとザ・ロング・ハローを足しても当然、VDGGにはならないから面白い。
この三つ巴のリリースを時系列で整理してみた。ただしハミルが尋常じゃない多作癖なので、1988年までで勘弁してください。
1970年2月●VDGG➁『精神交遊』
1970年12月●VDGG��『天地創造』
1971年7月●ハミル➀『フールズ・メイト』
1971年10月●VDGG➃『ポーン・ハーツ』
1973年3月●ハミル➁『カメレオン・イン・ザ・シャドウ・オブ・ザ・ナイト』
1973年●ロンハロ➀『THE LONG HELLO』
1974年2月●ハミル��『ザ・サイレント・コーナー・アンド・エンプティ・ステージ』
1974年7月●ハミル➃『イン・カメラ』
1975年2月●ハミル➄『ネディアズ・ビッグ・チャンス』
1975年10月●VDGG➄『ゴッドブラフ』
1976年4月●VDGG➅『スティル・ライフ』
1976年10月●VDGG➆『ワールド・レコード』
1977年4月●ハミル➅『オーヴァー』
1977年9月●VDG�─悒供Ε�ワイエット・ゾーン／プレシャー・ドーム』
1978年7月●VDG➈『ヴァイタル』
1978年9月●ハミル➆『ザ・フューチャー・ナウ』
1979年9月●ハミル�─�pH7』
1980年8月●ハミル➈『ブラック・ボックス』
1981年●ロンハロ➁『THE LONG HELLO VOLUME TWO』
1981年●6月ハミル➉『シッティング・ターゲッツ』
1982年●ロンハロ��『THE LONG HELLO VOLUME THREE（デヴィッド・ジャクソン名義）』
1982年10月●ハミル��『ENTER K』
1983年6月●ハミル��『LOOPS AND REELS』
1983年8月●ハミル��『PATIENCE』
1983年●ロンハロ➃『THE LONG HELLO VOLUME FOUR』
1985年●ロンハロ➄『GENTLEMEN PREFER BLUES（JACKSON／BANTON／EVANS名義）』
1985年2月●ハミル��『ザ・マージン／ライヴ（PETER HAMMILL & THE K GROUP名義）』
1986年3月●ハミル��『スキン』
1986年11月●ハミル�亜悒▲鵐鼻Ε�ローズ・アズ・ディス』
1988年6月●ハミル＆エヴァンス『SPUR OF THE MOMENT（PETER HAMMILL AND GUY EVANS名義）』
1988年11月●ハミル�院悒ぅ鵝Ε◆Ε侫�ーリン・タウン』
ひー。なんじゃこりゃ。
たしかにロッド・スチュワートとフェイセズ、ブライアン・フェリーとロキシー・ミュージックにも同様の関係性があるにはあった。
1970年2月●ロッド『ロッド・ステュアート・アルバム』
1970年3月●フェイセズ『ファースト・ステップ』
1970年9月●ロッド『ガソリン・アレイ』
1971年3月●フェイセズ『ロング・プレイヤー』
1971年8月●ロッド『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー』
1971年12月●フェイセズ『馬の耳に念仏』
1972年6月●ロッド『ネヴァー・ア・ダル・モーメント』
1973年2月●フェイセズ『ウー・ラ・ラ』
1974年●1月●フェイセズ『ロッド・スチュワート＆フェイセズ＝ライヴ（とうとうROD STEWART & FACES名義に）』
1974年10月●ロッド『スマイリー』
1972年3月●ロキシー『フォー・ユア・プレジャー』
1973年10月●フェリー『愚かなり、わが恋』
1973年11月●ロキシー『ストランデッド』
1974年7月●フェリー『いつか、どこかで』
1974年11月●ロキシー『カントリー・ライフ』
1975年10月●ロキシー『サイレン』
1976年7月●ロキシー『ビバ！ロキシー・ミュージック』
1976年9月●フェリー『レッツ・スティック・トゥゲザー』
1977年2月●フェリー『あなたの心に』
ロッド＆フェイセズの場合は、一人勝ちのソロと乗っかりたいバンドの双方の契約レーベル間の格差と確執があからさまで、笑えない。フェリー＆ロキシーはもう、スタイリッシュに二刀流をこなす自分に酔いしれるフェリーさんの独断場だった。どちらもわかりやすすぎる。だからこそそんな損得勘定や自意識とは無縁に映るVDGGのケースが、異様なのである。
しかも、ハミル作品の➀➁��➄➆��➈➉��������にジャクソン、➀➁��➄��にバントン、➀➁��➃➄➅➉��������にエヴァンス、そして➀➁➅������にポッターが客演している。というか➀➁��➄のメンツはVDGGそのまんまときた。まさかの異名義同バンド状態。ついでに言えばジャクソンは脱退してもなおVDG�┐�2曲参加してたから、もはやそのメンタリティーは理解不能である。コルレオーネ・ファミリーより血が濃いよきみら。
さてこの三者を聴き較べると、面白いことに気づく。最もエキセントリックな音を聴かせるのは実はVDGG本隊で、ハミルのソロは歌詞以外は優秀な英モダーン・ミュージックとしてちゃんと成立してるし、ちんどんロンハロは案の定いびつではあるけれどとてもポップに聴こえる。ちなみに私は実質ジャクソンのソロ・アルバムな、ロンハロ��『VOLUME THREE』が面白くてたまらない。とってつけたような打ち込みと一人吹奏楽の共演の、なんとナンセンスなことか。「きゃっほー」なジャケも可愛いし。
そして、この三者間の不思議なパワーバランスが、VDGGの醍醐味だと思っている。
ピーター繋がりではないけれど、私の中でガブリエルとハミルは〈執念深い自己探求ペルソナ〉という同じ系譜の唄い手だ。で同じカリスマ・レーベルで日本フォノグラムでジョン・アントニー＆ポール・ホワイトヘッド案件だからもあり、当時のジェネシスにもVDGGにも日蔭の湿り感に似た同じ匂いが漂ってた。しかし両者が明らかに異なるのは、ピーガブのアグレッシヴな内向性にバンドが一蓮托生のジェネシスに対し、VDGGの場合はなんとハミルがバンドに遠慮している感がある。そのハミルが自分120%対象化しまくりの場はソロで、そこではエキセントリックなVDGG楽器隊も混沌を控え目に放出してるバランス感覚がキュートだ。
つくづく珍しいバンドである。
私にとってデヴィッド・ジャクソンの存在は、ピーター・ハミル以上に大きい。
レコードと音楽誌で追体験しかできなかった60 – 70年代の英米バンドらが動く姿を、我々極東の島民がようやく目撃できたのは、1988年にパイオニアLDC発売の《ビートクラブ〜黄金のロック伝説》全16Wと翌1989年ビデオアーツが発売した《ロック映像年鑑》全12巻のおかげだ。西独TV番組『BEAT CLUB』『MUSIKLADEN』スタジオ・ライヴ映像は、まさに素晴らしき〈動く洋楽ロックの世界〉。
LDとVHSで発売された当時、パイオニアLDC仕切りの販促イベントが後楽園ホールで行なわれたんだった。洋楽誌編集部対抗ロック・クイズ大会をわざわざ組んだリング上で開催、当時広告部長（失笑）を兼ねてた私は、下山淳＆ホッピー神山を誘い『ロッキング・オン』チームで出場した。しかし何せ我々は感性と我儘な解釈のミュージシャン＆ROだから、ムキになって解答に励む『クロスビート』など他誌との勝負を放棄して、ウケ狙いに徹した記憶がある。誰かにすごく怒られた気がするが、全然憶えてない。
話がそれた。
でプログレ村でも動くクリムゾンやイエスやソフト・マシーンやザ・ナイスの映像に血沸き肉躍るも、たしかVDGGは収録されていなかった。当たり前か。じゃあ私が動くVDGGを観たのはいつだろ。あ、初めて聴いて四半世紀以上経った2003年に、ほぼ同時リリースされたDVD『MASTERS FROM THE VAULTS』と『GODBLUFF LIVE 1975』だ。どちらもハミル＋ジャクソン＋バントン＋エヴァンス編成ながら、前者は1971年4月のベルギーの〈ギター＆ベース抜きで何が悪いVDGG〉スタジオ・ライヴで、後者は再結成後の〈実はとてもちゃんとしたVDGG〉ライヴ。
いやもう動いてるだけで充分なんですけどね。
その二年後の2005年には、おなじみ英クラシック・ロック・レーベルの「映像によるアーティスト解説」シリーズで『INSIDE VAN DER GRAFF GENERATOR』まで発売されちゃった。しかも前掲の2作品をそのまま収録したうえに、〈やっぱり出てたんじゃーん〉『BEATCLUB』1970年6月23日初出演映像2曲が観られたのだ。だから『精神交遊』出して欧州ツアーを廻ってた時期の、ハミル＋ジャクソン＋ポッター＋バントン＋エヴァンスの五人編成――そう、VDGG史上最も歯止めがかからない〈エキセントリックなちんどん屋〉期を目撃できるなんて、死ぬかと思った。
そして私は初めて目視したのだ。サックスを２本口にくわえて同時に吹く、どう見ても怪しい風貌の痩身長躯を。デヴィッド・ジャクソンは本当に曲芸吹きをしてたんだあ。
42歳で夭逝した全盲の米黒人ジャズ・ミュージシャン、ローランド・カークのことは門外漢ながらちょっとだけ知ってはいた。クインシー・ジョーンズ1964年のヒット曲“ソウル・ボサノヴァ”で吹いてた程度で、お恥ずかしい。でも、スタンダップ・コメディ以上の切れ味で公民権運動を演奏の合間に喧伝しつつ、複数楽器の同時演奏――3本もサックスを首からぶら下げてフルートは鼻で吹き、時には手回しサイレンやホイッスルも鳴らす見世物紙一重のスタイルは、フランク・ザッパが多大な影響を受け実際共演したのも納得してしまう。そしてそのカークに（たぶん）感化されたジャクソンの〈一人吹奏楽の旅〉が、破天荒すぎて素敵なのは自明の理だろう。
レコード聴くだけでももちろん斬新で恰好よかったけれど、スタジオにおけるダビング録音の産物と認識していた。ところが本当に2本同時に吹きあげてた姿を観た日にゃ、時空を超えて馬鹿負けするしかあるまい。あの〈世界一理不尽なこわれもの〉ハミルでさえ馬鹿負けしてジャクソンに遠慮しないと成立しなかったのだから、初期VDGGは存在自体が奇蹟だったのである。バランスが絶妙すぎて二年しかもたなかったけど。
言うまでもなくイアン・アンダーソンといいバグパイプ吹奏時のロイ・ウッドといい、どうして英国の笛吹き一味は外見も中身も普通じゃないのか。
ただそんなジャクソンも今年で78歳、ここ数年はデヴィッド・クロスとのコラボ・アルバムを聴いても、ケルト系に特化した歌手の娘さんドリー・ジャクソンとの共演を聴いても、さすがに変人度が薄れてきた感はある。まあ、四十代で大学に通い心理学や教育学を学んで小学校で教鞭を執ったり、精神や身体に障害を持つ人々と音楽を共有するべく尽力する、VDGGな彼とは別のデヴィッド・ジャクソンが共存してたので、決して意外な余生ではない。けどなんか面映ゆいのは私だけではあるまい。
あ、想い出した。楽団クリムゾンが成立できた最大の功労者にして単なるプログレッシャーのジャコ・ジャクジクが1980年代、つい出来心でヒットチャートを狙っちゃったのはこの連載でも書いた。だがあの男はにもかかわらず、シングル9枚中6枚にジャクソンを招聘してしまったのだ。そりゃ売れん。
でも、人選ミスっていいものである。結果はどうあれ。
心震える独『BEATCLUB』1970年6月23日衝撃映像は、2021年編纂の17CD＋3BD箱『THE CHARISMA YEARS 1970-1978』箱にも他の初出映像群とともに収録されてるので、観たほうがいいと思います。
第一回「ジョン・ウェットンはなぜ<いいひと>だったのか？」はコチラ！
第ニ回 「尼崎に<あしたのイエス>を見た、か？ 〜2017・4・21イエス・フィーチュアリング・ジョン・アンダーソン、トレヴァー・ラビン、リック・ウェイクマン（苦笑）＠あましんアルカイックホールのライヴ評みたいなもの」はコチラ！
第三回「ロバート・フリップ卿の“英雄夢語り”」はコチラ！
第四回「第四回 これは我々が本当に望んだロジャー・ウォーターズなのか？ −二つのピンク・フロイド、その後【前篇】−」はコチラ！
第五回「ギルモアくんとマンザネラちゃん −二つのピンク・フロイド、その後【後篇】ー」はコチラ！
第六回「お箸で食べるイタリアン・プログレ ―24年前に邂逅していた（らしい）バンコにごめんなさい」はコチラ！
第七回「誰も知らない〈1987年のロジャー・ウォーターズ〉 ーーこのときライヴ・アルバムをリリースしていればなぁぁぁ」はコチラ！
第八回「瓢箪からジャッコ -『ライヴ・イン・ウィーン』と『LIVE IN CHICAGO』から見えた〈キング・クリムゾンの新風景〉」はコチラ！
第九回「坂上忍になれなかったフィル・コリンズ。」はコチラ！
第十回「禊（みそぎ）のロバート・フリップ ーー噂の27枚組BOX『セイラーズ・テール 1970-1972』の正しい聴き方」はコチラ！
第十一回「ああロキシー・ミュージック（VIVA! ROXY MUSIC）前篇 −−BOXを聴く前にブライアン・フェリーをおさらいしよう」 はコチラ！
第十二回 「ああロキシー・ミュージック（VIVA! ROXY MUSIC）後篇 −−BOXを聴いて再認識する〈ポップ・アートとしてのロキシー・ミュージック〉」はコチラ！
第十三回 「今日もどこかでヒプノシス」はコチラ！
第十四回 「ピーター・バンクスはなぜ、再評価されないのか −−〈星を旅する予言者〉の六回忌にあたって」はコチラ！
第十五回 「悪いひとじゃないんだけどねぇ……（遠い目） ―― ビル・ブルフォードへのラブレターを『シームズ・ライク・ア・ライフタイム・アゴー 1977-1980』BOXに添えて」はコチラ！
第十六回 「グレッグ・レイク哀歌（エレジー）」はコチラ！
第十七回 「クリス・スクワイアとトレヴァー・ホーン −イエスの〈新作〉『FLY FROM HERE -RETURN TRIP』に想うこと− 前篇：スクワイアの巻」はコチラ！
第十八回 「クリス・スクワイアとトレヴァー・ホーン -イエスの〈新作〉『FLY FROM HERE-RETURN TRIP』に想うこと- 後篇：空を飛べたのはホーンの巻」はコチラ！
第十九回「どうしてジョン・ウェットンを好きになってしまったんだろう（三回忌カケレコスペシャルversion）」はコチラ！
第二十回「どうしてゴードン・ハスケルは不当評価されたのだろう ー前篇：幻の1995年インタヴュー発掘、ついでに8人クリムゾン来日公演評も。」はコチラ！
第二十一回「どうしてゴードン・ハスケルは不当評価されたのだろう −後篇：幻の1995年インタヴューを発掘したら、めぐる因果は糸車の〈酒の肴ロック〉」はコチラ！
第二十二回「鍵盤は気楽な稼業ときたもんだ−−あるTKの一生、に50周年イエス来日公演評を添えて」はコチラ！
第二十三回「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう（by ビリー・シャーウッド）」はコチラ！
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VAN DER GRAAF GENERATOR(VAN DER GRAAF) / AEROSOL GREY MACHINE
69年デビュー作、英国アート・ロックの傑作
ピーター・ハミル率いる英国プログレッシヴ・ロック屈指の名バンド。69年の記念すべき1stアルバム。幻想的なハモンド・オルガンやハープシコード、メロウなアコギのストローク、そして、ピーター・ハミルのエモーショナルなハイ・トーンの歌声と「狂気」と「叙情」が同居する孤高のメロディ・ライン。69年という「プログレッシヴ・ロック」前夜の空気感を見事に収めたアート・ロック・サウンドが実に魅力的です。後の強烈なプログレ作品と比べられ、インパクトで劣る分、過小評価されていますが、もしこの一枚のみで解散していたとしたら、逆にブリティッシュ・ロックの名作としてもっともっと評価されていたことでしょう。ずばり名作です。
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VAN DER GRAAF GENERATOR(VAN DER GRAAF) / H TO HE WHO AM THE ONLY ONE
70年作、ロバート・フリップがゲスト参加、VDGGならではの暗澹たるエネルギーが渦巻く3rdアルバム！
非凡なる才能を持ったボーカリストPeter Hammillを擁し、難解な哲学詩と前衛的なアプローチ、初期のKING CRIMSONに負けず劣らずのへヴィネスと神秘性を兼ね備えたイギリスのプログレッシブ・ロックバンドの70年3rd。KING CRIMSONからRobert Frippがゲスト参加した本作は、次作以降飛躍していく彼らの勢いを感じさせる重要作であり、ロックのダイナミズムとアヴァンギャルド性が同居した傑作となっています。Peter Hammillの描く世界観も非常に内省的なものやダークな色合いを放っており、彼らの個性が一気に花開いた個性的な1枚です。
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VAN DER GRAAF GENERATOR(VAN DER GRAAF) / LEAST WE CAN DO IS WAVE TO EACH OTHER
カリスマ・レーベル移籍第一弾、独自の暗黒プログレを確立した70年リリース2nd、冒頭3曲の流れは鳥肌もの！
非凡なる才能を持ったボーカリストPeter Hammillを擁し、難解な哲学詩と前衛的なアプローチ、初期のKING CRIMSONに負けず劣らずのへヴィネスと神秘性を兼ね備えたイギリスのプログレッシブ・ロックバンド。カリスマ・レーベルに移籍しての第一弾で、個性を確立した出世作。1曲目と2曲目の対比がとにかく見事。1曲目「Darkness」での狂気が渦巻くヘヴィ・ロックから一転して、壊れ落ちそうな繊細＆リリカルな2曲目「Refugees」。強烈なインパクトで聴き手に襲いかかる名作。
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廃盤、紙ジャケット仕様、SHM-CD、2005年デジタル・リマスター、インナーカード付仕様、定価2667+税
盤質：無傷/小傷
状態：良好
帯有
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VAN DER GRAAF GENERATOR(VAN DER GRAAF) / PAWN HEARTS
孤高の詩人ピーター・ハミル率いる英国プログレ史上の名バンド、彼らの最高傑作に推す声も多い71年作4th！
非凡なる才能を持ったボーカリストPeter Hammillを擁し、難解な哲学詩と前衛的なアプローチ、初期のKING CRIMSONに負けず劣らずのへヴィネスと神秘性を兼ね備えたイギリスのプログレッシブ・ロックバンドの71年4th。前期VAN DER GRAAF GENERATORの総括的作品として名盤の誉れ高い本作は、20分を超える大作を中心にした3曲で構成され、Peter Hammillはもちろんのこと、Hugh Bantonの痛ましいほどに強烈なオルガンさばき、David Jacksonの荒々しいダブル・ホーンが刺激的な1枚。ゲスト参加したKING CRIMSONのRobert Frippでさえ霞みかけるほどに、一節一節強烈なインパクトを残しています。
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VAN DER GRAAF GENERATOR(VAN DER GRAAF) / GODBLUFF
再始動後の第1弾となった75年リリースの通算5作目、ドラマ性溢れる名曲「Undercover Man」、ハミルの凄絶なヴォーカルに震える「Arrow」など収録
カリスマ移籍後３枚の傑作アルバムを発表して７２年に解散。その後、ソロ・アルバムをはさみ７５年に再結成。本作は、その再結成第一弾作品。
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VAN DER GRAAF GENERATOR(VAN DER GRAAF) / QUIET ZONE/PLEASURE DOME
元ストリング・ドリヴン・シングのvln奏者Graham Smithが加入し、格調高いサウンドに磨きがかかった77年作
77年作。元STRING DRIVEN THINGのGRAHAM SMITHが本作より参加。彼のヴァイオリンが静謐に響く、格調高いナンバーが多く収録されています。感情を巧みにコントロールし、楽曲に起伏をもたらすハミルのヴォーカルは相変わらずの存在感。
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VAN DER GRAAF GENERATOR(VAN DER GRAAF) / MAIDA VALE - RADIO 1 SESSIONS
71年から76年にかけてのラジオ・セッション、「MAN-ERG」「STILL LIFE」など収録
PETER HAMMILLの在庫
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PETER HAMMILL / IN CAMERA
名盤の誉れ高き74年作ソロ4th！
74年のソロ4作目。ハミルの作品はどれも彼のヴォーカルはもちろん、アレンジがまた大変素晴らしいのですが、彼の圧倒的なヴォーカルに引きづられるように、各メンバーが持っている以上の能力を引き出されるのでしょう。本作でも、ピアノによる格調高い楽曲から緊張感漂うVDGG的な楽曲まで、ハミルの感情を鮮やかに音像化したアレンジが絶品です。名作。
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PETER HAMMILL / FOOL'S MATE
VDGGの面々がバックを務めた75年1stソロ、VDGGでの鬼気迫る表情とは異なる、情緒豊かで爽やかなSSWスタイルで聴かせる名盤
英国プログレの名バンド、ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーターのフロントマンによる記念すべき1stソロ・アルバム。再生を開始していきなり鳴り響く不穏なオルガンに高まる緊張。VDGGの面々やロバート・フリップがバックを務めているのもあって、VDGG譲りの鬼気迫るサウンドが繰り広げられるかと思いきや、次の瞬間には軽快なリズムが走り出し、ノリの良いアップテンポなロック・ナンバーが飛び出してきてビックリ。ハミルもまるで憑き物が落ちたように爽やかに歌っています。英国的な捻くれ感が楽しいポップなナンバーと、VDGGの叙情性だけを抽出したような美しくナイーヴなナンバーで構成された、とても聴きやすいサウンドを持つ名作です。ジャケットはジェネシスでお馴染みのポール・ホワイトヘッドで、一部演奏にも参加。
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PETER HAMMILL / OVER
恋人との別離に伴う自らの心情を歌った77年作、ニック・ポッターやグレアム・スミスらVDG人脈が参加
ニック・ポッターやグレアム・スミスらが参加した6作目。76年作。再編VDGGの崩壊と恋人との別れによる苦悩する想いを吐露したかのような哀絶の作品。のちに続くスタイルの原点とも言うべき、表現者としての彼のすべてが詰まった重要作。
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廃盤、紙ジャケット仕様、06年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、内袋付仕様、定価2476+税
盤質：無傷/小傷
状態：良好
帯有
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JACKSON BANTON EVANS & FRIENDSの在庫
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JACKSON BANTON EVANS & FRIENDS / LONG HELLO
PETER HAMMILLを除くVDGGメンバーらによる74年作、VDGGのイメージとは異なる英国情緒溢れる逸品
ブリティッシュ・プログレの代表的バンドの一つ、VAN DER GRAAF GENERATORのメンバーであるDAVID JACKSON、HUGH BANTON、GUY EVANSを中心に元VDGGのNIC POTTER他を迎えて作成された74年作。内容はVDGGと比較してより英国らしい格調高さを感じさせる作風で、全体にアコースティカルでたおやかなアンサンブルでまとめあげられています。JACKSONのサックス、フルートも普段の重厚なプレイとは打って変わってリリシズムいっぱいに歌います。PETER HAMMILLの不在もあってなのか、メランコリックではあるものの沈み込むような陰鬱さはなく、ただただ美しい旋律が紡がれていく演奏は絶品の一言。VDGGのもうひとつの顔とも言うべき温かみ溢れる名品です。
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VDGGのセッションより収録のボーナス・トラック1曲、ハミルのヴォーカルも快調なアップテンポのロックナンバーでこちらも必聴！
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