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ポーランドのレジェンド・ヴォーカリストNIEMENを大特集!!

2025-02-19

スタッフ佐藤です。

2022年より、往年のポーランド・ロック/プログレ名盤が次々とSACD/CDハイブリッド仕様でリイシューされているのはご存知でしょうか。

中でも注目したいのが、入手困難だったアルバムも含むNIEMENの60〜70年代作品の多くがめでたくリイシューされたこと。

というわけで、今回はポーランドのレジェンド・ミュージシャンNIEMENを特集してまいりたいと思います!


NIEMENについて

「ポーランド・ロックの父」と讃えられ、母国の各所に銅像が設置されているほどの重要ミュージシャンCzesław Niemen(チェズロー・ニーメン)

1939年にポーランドの都市ヴァシリシュキに生まれ、2004年にリンパ腫によって64歳の若さでこの世を去りました。

なお出身地のヴァシリシュキはニーメンが生まれた9か月後に赤軍が占領、以後現在までベラルーシの国土となっています。

幼少より聖歌隊に参加して歌う日々を送り、時にはオルガンで伴奏を務めることもあったようです。

まさにヴォーカリスト&キーボーディストとしてのニーメンの原点がここにあったわけですね。

22〜23歳だった60年代初頭より本格的に音楽活動を開始、62年に開催された若手ミュージシャンを対象とする音楽コンクールで優勝者の一人となったことで注目を集め始めます。

そして同年、ポーランド初のポップ・ロック・バンドと云われるNIEBIESKO-CZARNIのリード・シンガーとしてプロ・デビューを果たしました。

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以降66年までNIEBIESKO-CZARNIで活動したのちにバンドを脱退し、ソロ・ミュージシャンとしての道を歩み始めます。

それでは、67年のソロデビューからの軌跡を、楽曲を聴きながら辿ってまいりましょう!


NIEMENの作品紹介

DZIWNY JEST TEN SWIAT(1967)

記念すべき67年のソロデビュー・アルバム!

ニーメン専任のバックバンドAKWARELEが演奏を務めています。(3rdまでの演奏を担当)

軽快なギターがリードするガレージ風ポップスあり、メロディアスなソフト・ロックあり、クラシカルな泣きのバラードあり、哀愁いっぱいのシャンソン風ナンバーありと、多彩なサウンドを展開。

Niemenのヴォーカルは一貫して素晴らしいもので、少しハスキーで独特の憂いを湛えた声質を生かしドラマチックに歌いこむスタイルはすでに完成形に近く、のちの活躍を十分に予見させるポテンシャルを披露しています。

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SUKCES(1968)

この2ndでは、管楽器を全面的に導入し同時代のアメリカン・ポップスに通じる堂々としたサウンドを展開。

演奏を盛り立てるブラス・セクションと瀟洒なオルガンやピアノを主体とする芳醇な味わいの演奏をバックに、ポーランド語で熱く歌う込むニーメンのヴォーカル。

持ち前のエネルギッシュさはそのままに哀愁を湛えたメランコリックな歌唱も披露していて、ヴォーカリストとしての表現力がさらにアップしていて聴きモノです。

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CZY MNIE JESZCZE PAMIETASZ(1969)

69年リリースの3rd。

ブラスをたっぷりフィーチャーしたサウンドは前作を引き継ぐものですが、ポップス的だった演奏はグルーヴが強調された骨太なものとなっています。

そしてニーメンのヴォーカルにもある種の「鋭さ」が加わっていて、「ロック・シンガー」としてのニーメンが本作で姿を現したと言っていいでしょう。

そんなヴォーカルと共に特徴的なのが、前作以上に活躍するニーメンのオルガン。ブラスに負けじとファンキーに弾きまくっていて、キーボーディストとしての高い技量も垣間見せていますね。

ずばり60sユーロ・ブラス・ロックの名作!

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ENIGMATIC(1970)

70年代に入り、プログレッシヴ・ロッカーとして生まれ変わったニーメンによる傑作!

荘厳なハモンド、熱情滾るヴォーカル、混声合唱によるコーラス、哀愁を帯びたメロディアスなギターをフィーチャーした16分を超える壮大な1曲目から、説得力溢れる作品世界に惹きこまれます。

その他にも渾身の力を込めたスケールの大きな楽曲が次々と展開される圧巻の一枚です。

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NIEMEN (CZLOWIEK JAM NIEWDZIECZNY)(1971)

『ENIGMATIC』にやられた方には是非聴いてほしい71年作。

冒頭20分の大作からNiemenの熱情滾るヴォーカルと、それに応じる凄まじくスリリングでテンションの高いジャズ・ロック・アンサンブルが炸裂する興奮必至!

中でもオルガン奏者であるニーメンがその座を譲るだけはある、Jacek Mikulaの迫力あるハモンドのプレイは圧巻の一言。

入魂の歌唱をエネルギッシュな演奏陣が盛り上げる劇的ナンバーが目白押しの充実作です。

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STRANGE IS THIS WORLD(1972)

こちらは未SACD化のタイトル。後にSBBとしてデビューするメンバーがバックを務めた72年作。

重厚なオルガン、エッジの立ったスリリングなギター、アグレッシヴなヴァイオリン、パワフルなリズム、情熱的なヴォーカルが一体となった、相変わらずのドラマティックなプログレを鳴らす傑作に仕上がっています。

このクラシック、ジャズ、ブルースを巧みに取り入れた懐の深いアンサンブル、さすがは後のSBB!

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VOL.1/VOL.2(1972/1973)

前作に続きSBBをバックに従え製作された、72年作と73年作を一挙収録!

『Vol.1』は画家ゴッホへ捧げた緊張感みなぎる前衛的な大作が圧巻で、アヴァンギャルドなドラムをバックにNiemenの荘厳なオルガンやJozef Skrzekによる狂気を孕んだヴァイオリンが繰り広げる、アブストラクトで緊張感みなぎる演奏が強烈。

一方『Vol.2』はNiemenの存在感抜群の歌をメインに据えた作風で、まさにSBBにNiemenがヴォーカルで入ったような内容。ジャズ、ブルース、前衛音楽を渾然一体に聴かせる初期SBBそのものに近い演奏に、これぞNiemenなエネルギッシュかつ叙情性にも溢れた渾身の歌唱が乗ります。

両作とも、唯一無二のNiemen流アヴァン・プログレが堪能できる強力作!

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AEROLIT(1974)

プログレ期ニーメン作品の中でもとりわけ人気の高い74年作。

変拍子の中を高速で疾走するスリリングなパート、イタリアのアレアを彷彿させる民族色豊かなパート、メロトロンが鳴り響く荘厳なパートなどで一気に畳みかける、爆発的にテンション溢れるプログレッシヴ・ジャズ・ロック!

もちろんニーメンも熱唱!

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MOURNER'S RHAPSODY(1975)

これも是非SACDリイシューしてほしかったですが、残念ながらリイシューからは外れています。

さらにジャズ・ロック路線を推し進めた本作では、ヤン・ハマーやリック・レアードらマハヴィシュヌ・オーケストラのメンバー、さらにスティーヴ・カーンやジョン・アバークロンビーなど百戦錬磨の名手たちが参加!

ニーメンの熱いヴォーカルとヤン・ハマー得意のピッチベンドが炸裂するかと思いきや、何とヤン・ハマーにはドラムを叩かせて、ニーメンがオルガン/シンセ/エレピ/メロトロンを弾きまくっています。

それにしてもこの熱気とテンション、凄まじいです...。

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KATHARSIS(1976)

ニーメンがなんと自身のヴォーカル&演奏だけで作り上げた76年作!

シンセやメロトロンをメインに駆使し、スペーシーかつトライバルかつ前衛的かつどこか物悲しさも漂わせる独特の音世界を創り上げていて、この世界観は孤高と言う他ありません。

傑作にして怪作!

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IDEE FIXE I(1978)

単独作『KATHARSIS』を経て、再びバンドと共に製作した78年作。

キレのあるファンキーなジャズ・ロックと、シンセサイザーによる浮遊感ある音空間と叙情的なヴォーカルが印象的な幻想的なアヴァン・プログレ。

両者を自在に行き来する孤高のニーメン・ワールドが炸裂!

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POSTSCRIPTUM(1980)

再び、モーグ・シンセを中心とするキーボード群とヴォーカルのみによって単独で作り上げた80年の力作。

熱く叙情的なヴォーカルの素晴らしさは言わずもがなですが、演奏は76年作ほどぶっ飛んではおらず、高い技量が伺えるプログレ然としたプレイは、さながら北欧プログレのようにリリカルで気品高くてお見事。

本作も文句なしに名盤です。

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いかがだったでしょうか。

ポップス、サイケ・ポップ、ブラス・ロック、アヴァン・プログレ、ジャズ・ロック、ジャズ・ファンクなど音楽性を変遷させながら、ほぼ年1ペースでアルバムを出し続けていましたね。

これだけ内容が濃く完成度の高い作品を出し続けられるクリエイティビティは、ポーランドというかユーロ・プログレ・シーンでも屈指と言えるのではないでしょうか!





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毎日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介していく新コーナー「ユーロロック周遊日記」。今回は、ポーランドが世界に誇る名シンガー/キーボーディストNIEMENの74年作『MOURNER'S RHAPSODY』をご紹介いたしましょう。

NIEMEN(CZESLAW NIEMEN)の在庫

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / DZIWNY JEST TEN SWIAT

    「ポーランド・ロックの父」と讃えられるヴォーカリスト/キーボーディスト、67年の記念すべきデビュー作

    「ポーランド・ロックの父」とも云われるヴォーカリスト/キーボーディスト、67年リリースの記念すべき1stアルバム。バックバンドはAKWARELEが務めています。軽快なギターがリードするガレージ風ポップあり、メロディアスなソフトロックあり、クラシカルな泣きのバラードあり、哀愁いっぱいのシャンソン風ナンバーありと、68年というロック/ポップスが多様な広がりを見せた時代を感じさせる様々な要素が含まれたサウンドを展開。そんな中ブレることなく一貫して素晴らしいのがNiemenのヴォーカルで、少しハスキーで独特の憂いを湛えた声質を生かしドラマチックに歌いこむスタイルはすでに完成形に近く、ジャズ・ロック/プログレ期と言える70年代の活躍を十分に予感させます。彼のヴォーカルを気品高く彩る管弦アレンジも見事です。垢抜け具合はさすがに足りないものの、IDLE RACEやTHE MOVEあたりも引き合いに出したい優れた60sユーロ・ポップスの逸品です。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / ENIGMATIC

    ポーランド・ロックの父とも呼ばれる伝説的シンガー/オルガン奏者、70年作

    ポーランドを代表するミュージシャン。69年作。荘厳なハモンド、熱情的なヴォーカル、混声合唱によるコーラス、哀愁溢れるメロディアスなギターをフィーチャーした16分を超える壮大な1曲目をはじめ、渾身の力を込めたスケールの大きな楽曲が並ぶ名作。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / STRANGE IS THIS WORLD

    ポーランド・ロックの父と讃えられるミュージシャン、のちのSBBがバックを務めたドラマティックな72年作

    ポーランド出身のKey兼Vo。後のSBBがバックを務めた72年作の6枚目。重厚なオルガン、エッジの立ったスリリングなギター、アグレッシヴなヴァイオリン、パワフルなリズム、情熱的なヴォーカルが一体となったドラマティックなプログレッシヴ・ロック。クラシック、ジャズ、ブルースを巧みに取り入れた懐深いアンサンブルはかなりの完成度。名作。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / AEROLIT

    母国で国民的人気を誇ったポーランドのシンガー/key奏者、74年作、爆発的にテンション溢れるメロトロン入りジャズ・ロック、東欧を代表する傑作!

    ポーランドを代表するミュージシャン。74年作。変拍子の中を高速で疾走するスリリングなパート、AREAを彷彿とさせる民族色豊かなパート、メロトロンが鳴り響く荘厳なパートなどで一気に畳みかける、爆発的にテンション溢れるプログレッシヴ/ジャズ・ロック。スリリングなジャズ・ロック・パートでは、鋭利なフレーズが飛び交い、聴き手を終始圧倒します。東欧プログレを代表する傑作。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / IDEE FIXE I

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディスト、78年作

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディスト、78年作。ジャズ・ロック路線を推し進めてきたニーメンが、前作『KATHARSIS』では全演奏を自身で務めた前衛プログレ作品をリリース。次作となるのが本作です。キレのあるファンキーなジャズ・ロックで幕を開けると、続いてはニーメンが弾くシンセサイザーによって作り上げられる浮遊感ある音空間の中で叙情的なヴォーカルを披露する幻想的なアヴァン・プログレを聴かせます。以降も全編にわたってファンキーなジャズ・ロックとファンタジックで美しいアヴァン・プログレを行き来しながら進行。孤高のニーメン・ワールドに惹きこまれること必至です。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / KATHARSIS

    「ポーランド・ロックの父」とも評されるシンガー/キーボーディスト、「N. AE.」名義でリリースされた76年作

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディストによる76年作。75年リリースの前作『NIEMEN AEROLIT』に参加したドラマーで、同年に死去したPiotr Dziemskiに捧げられた作品となっています。本作は「文明の発展やそれに伴う宇宙開発の行きつく先に待つ罠」をテーマにしたコンセプト・アルバムで、Niemenがすべての演奏を自身で務めているのが特徴。シンセやメロトロンをメインに駆使して、スペーシーかつトライバルかつ前衛的かつどこか物悲しさも漂わせる独特の音世界を創り上げていて、これは圧巻です。多くがインスト曲ですが、ヴォーカルをフィーチャーしたナンバーでは、R&B調から語り調まで一人コーラスを伴ったさすがの歌唱も聴かせてくれます。同時期のクラウス・シュルツェの作風にも近いと言える一方、このゾクゾクするようなメロトロンの鳴らし方は孤高と言う他ありません。ずばり傑作にして怪作!

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / MOURNER'S RHAPSODY

    Jan HammerやRick Lairdらマハヴィシュヌのメンバー参加の74年作、熱くスリリングな演奏が堪能できる傑作

    ポーランド出身のKey兼Vo。74年作の10thアルバム。前作までバックを務めたSBBに代わり、Jan Hammer、Rick LairdといったMAHAVISHNUのメンバー、名エレクトリック・ヴァイオリン奏者Michal Urbaniakなどが参加。バックの精緻なアンサンブルと、NIEMENの熱いヴォーカル&荘厳なオルガン/メロトロンが絡んだサウンドは、これぞ「NIEMEN」印のオリジナリティに溢れています。最高傑作。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / NIEMEN (CZLOWIEK JAM NIEWDZIECZNY)

    ポーランド・ロックの父と呼ばれる伝説的シンガー/key奏者、71年作

    「ポーランド・ロックの父」と讃えられるヴォーカリスト/キーボーディストによる71年作。プログレッシヴ・ロック路線へと舵を切った傑作『ENIGMATIC』に続く作品で、冒頭20分の大作からNiemenの熱情滾るヴォーカルと、それに応じる凄まじくスリリングでテンションの高いジャズ・ロック・アンサンブルが炸裂する興奮必至のナンバー。特にJacek Mikulaの迫力あるハモンドのプレイは圧巻です。以降もNiemenによる入魂の歌唱をエネルギッシュな演奏陣が盛り上げるドラマチックなナンバーが目白押し。『ENIGMATIC』にも劣らぬNiemenのキャリア屈指の名盤です。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / NIEMEN(12CD)

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディスト、11作品をSACDハイブリッド仕様で収録した24年ボックス!

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディスト。67年のデビュー作から80年作『Postscriptum』+79年リリースのベスト・アルバムの11タイトルをSACDハイブリッド仕様で収録。R&B〜サイケ/サイケ・ポップ、そしてプログレッシヴ・ロッカーとして成熟していく全盛期NIEMENの軌跡を俯瞰できる決定版ボックス!

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / POSTSCRIPTUM

    「ポーランド・ロックの父」とも評されるシンガー/キーボーディスト、美しいキーボード・サウンドと熱くドラマチックな歌唱に胸打たれる80年作

    「ポーランド・ロックの父」と讃えられる名ヴォーカリスト/キーボーディスト、80年作。76年の傑作『KATHARSIS』と同様、モーグ・シンセを中心とするキーボード群とヴォーカルのみによって、Niemenが単独で作り上げた力作です。インストゥルメンタル主体の前衛的なサウンドが異色だった『KATHARSIS』に対して、本作は持ち味の熱く叙情的なポーランド語ヴォーカルがたっぷりとフィーチャーされた、終始にわたってドラマティックな音世界を堪能させてくれます。そんなヴォーカルの素晴らしさはもはや言うに及ばずですが、各種キーボードを重ね合わせて織り上げられたファンタジックな演奏のクオリティも特筆。ジャジー且つポップに旋律を紡ぐエレピ、遊び心いっぱいに浮遊するモーグを中心に、北欧プログレのようなリリカルさと気品を帯びた演奏に耳を奪われます。情熱的なヴォーカルと美しく繊細なキーボード・サウンドが見事に調和した名品です。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / SUKCES

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディスト、68年2nd

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディスト、68年の2ndソロ。IDLE RACEやTHE MOVEあたりも引き合いに出せるポップなサウンドだった1stから、管楽器を全面的に導入し同時代のアメリカン・ポップスに通じる堂々としたサウンドを展開。演奏を盛り立てるブラス・セクションと瀟洒なオルガンやピアノを主体とする芳醇な味わいの演奏をバックに、ポーランド語で熱く歌う込むニーメンのヴォーカル。持ち前のエネルギッシュさはそのままに哀愁を湛えたメランコリックな歌唱も披露していて、ヴォーカリストとしての表現力がさらにアップした印象です。この時点ではまだ「ポップ・シンガー」という立ち位置だと感じますが、のちのプログレッシヴ・ロッカーとしての活躍に向けて成熟していく過程が窺える一枚です。

  • NIEMEN(CZESLAW NIEMEN) / VOL.1/VOL.2

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディストによる、72年作『Vol.1』と73年作『Vol.2』を一挙収録、バックはSBBが担当!

    「ポーランド・ロックの父」として讃えられるシンガー/キーボーディストによる、72年作『Vol.1』と73年作『Vol.2』を一挙収録。『Vol.1』はオランダのポスト印象派画家ゴッホへ捧げられた作品で、のちのSBBが演奏に参加。1曲目「Requiem dla Van Gogha」は17分に及ぶ前衛プログレ・ナンバーで、アヴァンギャルドなドラムをバックにNiemenの荘厳なオルガンやJozef Skrzekによる狂気を孕んだヴァイオリンが繰り広げる、アブストラクトで緊張感みなぎる演奏が強烈。一転してNIEMEN節全開のポップでストレンジな歌ものの2曲目、そしてトランペットを主役に切れ味抜群のフリージャズを聴かせる3曲目という内容の才気みなぎる作品です。『Vol.2』もバックにSBBを起用、こちらはNiemenの存在感抜群の歌をメインに据えた作風で、まさにSBBにNiemenがヴォーカルで入ったような内容です。ジャズ、ブルース、前衛音楽を渾然一体に聴かせる初期SBBそのものに近い演奏に、これぞNiemenなエネルギッシュで叙情性にも溢れたポーランド語の歌唱が乗ります。演奏といいヴォーカルといい、このテンションは凄すぎる。両作とも、唯一無二のNiemen流アヴァン・プログレが堪能できる強力作!

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