2024-12-27
現代ジャズ・ギターの最高峰の一人Julian Lageを筆頭に現代ジャズ・ギター・シーンを見てみるとジャンルという垣根を越えて多くの音楽ファンを虜にしているアーティストがなんと多いことか!
特にフリージャズ系のギタリスト作品はチェンバーロックに通じるところもあり、プログレ好きにもおススメの作品が多いです!今回はその中でも、Julian Lageと共に現代ジャズ・ギターの最高峰と称されるMary Halvorsonの作品やNYの先鋭的なレーベルでPi Recordingsの作品など中心に集めてみました!
アンソニー・ブラクストンやデレク・ベイリー、ビル・フリゼールなどからの影響をもとに、00年代初頭ごろより活動をはじめ、その独創的なインプロヴァイザーとして現代ジャズ・シーンでも高い評価を得ているギタリスト。複雑なコード進行や即興演奏を得意とし、ジャズの枠を超えた多彩な音楽性でニューヨークを拠点に複数のバンドやプロジェクトで活躍している最も革新的なアーティストの一人。
両者ともにアンソニー・ブラクストンの教え子として05年にリリースした「Prairies」からスタートしたデュオの通算3枚目となる本作は、チェンバー的な要素とフォーキーな雰囲気が心地よい「....and Goodnight」、ヘタウマ系のアヴァン・ポップに聴こえなくもない「Ten Years」、ハルヴァーソンの独創的なインプロヴィゼーションが堪能できる「Barber」など、ベースにあるのはフリージャズながらも、ロックやフォーク、クラシックなど様々な音楽性を取り入れた独特なサウンドは一聴の価値あり!デレク・ベイリーとデヴィッド・シルヴィアンが共演した「Blemish」との類似性も感じさせ、普段ロック中心に聴かれる方にも是非聴いていただきたい作品です。
米国の名門レーベル、ノンサッチよりリリースされた23年作。一曲目の「The Gate 」からチェンバーロックやカンタベリー系か!?と思ってしまう極上のアンサンブルが響き、2曲目の「Tower」ではHalvorsonのインプロヴァイザーとしての魅力あふれるフレーズが紡がれながらも、直後Patricia Brennanのメランコリックなヴィブラフォンに入れ替わる展開が何とも心地良い。アメリカの前衛音楽家で映像作家でもあるLaurie Andersonをフィーチャーした「Incarnadine」は神経を逆なでるような不穏で恐怖感を与える感じが暗黒系チェンバーに通じるところがあります。
Halvorsonのインプロヴァイザーとしての魅力を若干抑えコンポーザーとしての魅力が強く出ており、アンサンブル重視の聴きやすい展開が多くチェンバー、カンタベリー系がお好きなかたには文句なくおススメ!
ブルータル・プログレを定義したFLYING LUTTENBACHERSの中心人物として知られるマルチ・プレイヤー。↓の2作品はMary Halvorsonとの共演作
ドラム、ギター、トランペットの3人による圧倒的パワーと熱量で畳み掛けるサウンドはロック・リスナーが聴いても唸ること間違いなし!特にWeasel Walterのばく進するドラミングの上を対話するかのように時にノイジーで、時にへんてこな浮遊感漂わせるMary Halvorsonのギターワークは聴きものですよ!
メンバー各自による作曲作が収録されており、狂熱的アグレッシヴさを抑え、理知的な狂気さ内包した緊迫感が強烈な一枚。チェンバー / レコメン系がお好きで新しい扉を開きたい!という方に是非聴いていただきたい作品です!
David Bowieのラスト・アルバム「★」への参加などでロック・リスナーにも注目を集めたNYをベースに活動しているジャズ・ギタリスト。
Pat Methenyなど浮遊感漂うECM系サウンドを思わせながら、徐々に熱を帯びハードに弾きまくる「Muvseevum」や「Don't Look Down」、のっけからフリーキーでアヴァンギャルドに畳みかける「Lactophobia」あたりは、HENRY COWなどレコメン系のリスナーこそ楽しめると思います!
ジャズに留まらず、プログレやワールド・ミュージックを取り入れた特異なアプローチで注目のドラマー。↓の2作品はBen Monderのギターが大暴れしております!
凍てつくような不気味さを携えたキーボードのイントロ、どこか神経を逆なでる不安感感じさせるピアノの旋律から徐々に姿を現す、禍々しい轟音鈍重ギターとドラマーの音の緊張感みなぎる音の殴り合いが楽しい「The Memory of My Memory」や、Ben MonderがRobert Frippばりの凶暴ギターを響かせる「Episode 8」が出色です!
よりも深化したリズム・セクションが耳を惹きます!アルバムの制作にインスピレーションを与えたデヴィッド・リンチのテレビドラマ『ツイン・ピークス』のに通じる不穏な雰囲気をまとった「A Taste of a Memory 」がおススメです。
フリージャズの重鎮リード奏者Henry Threadgill率いるグループZooidが15年に発表し、ピューリッツァー賞を受賞した大傑作「In For A Penny, In For A Pound」で披露した独創性に富んだギタープレイが注目を集めた気鋭ギタリスト。
この後の作品群に比べると比較的モダン・ジャズの傾向が強い、NYの先鋭ジャズレーベルからの一作目。メンバーにはVijay Iyerとの活動で知られるベーシストStephan Crump、SFJAZZ Collectiveでの活動や、多くのアーティストに引っ張りだこのドラマーEric Harlandと、盤石のリズムセクションにMark Shim、Greg Osbyの2管を加えた編成。Greg Osbyが参加したM-BASEっぽい「Ultraviolet」やEllmanのギターとMark Shimの掛け合いに息をのむ「Helios」が聴きどころです!
OPのタイトルトラック、「Naturalists」、「Tarmacadam」などチェンバーロック的なアンサンブルに重き置いた楽曲が並び、普段ジャズに馴染みが無い方でもレコメン系やフランク・ザッパを聴いている感じでも楽しめるかも!?プリミティヴでミニマルなリズムが癖になる「Pretty Words,Like Blades」が一押しです!
イントロのトロンボーンから不可思議な旋律を奏でるチェンバーロック的な「Supercell」、エレクトロ的な打ち込みとフリージャズの共演?Ellmanのフリーキーなギターが全編に展開される「Enigmatic Runner」などが一押しです!
Ellmanのハードな面は抑えめにバンド・アンサンブルの重きを置いた作風。Ellmanの叙情的旋律が印象的な「The Slip」、前半のしっとりした展開から後半の渦巻くような音塊が圧巻な「Portals」など、より深化したEllmanのギターは一聴の価値ありです!
70年代から活動を続けるシカゴ・フリーの重鎮、ジャズだけにとどまらずロックやアフリカン・リズムなど様々な音楽を融合させた革新的なスタイルで現在も精力的に活動を続けているアーティストです。
本作のギターは気鋭のBrandon Ross。ソロ作品も多数リリースしており、そちらもかなり尖っております。
97年に発表した「Where's Your Cup?」以来のMake A Move名義となる本作。型破りで実験性気鋭に富んだスタイルで知られる気鋭ギタリストBrandon RossやCuong Vuとの共演でも知れる日本人ベーシストStomu Takeishiなどの実力派プレイヤーが集結。Rossのハードなギターが唸る「Where Coconuts Fall」や、Frank Zappaやチェンバー系を思わせる「Pink Water Pink Airplane」などロック・リスナー
にも、おススメできる内容です!
ベトナム系フランス人として生まれ、ヨーロッパと東南アジアの音楽文化を同居させた音楽スタイルで、00年代初頭のワールド・ミュージック・シーンに衝撃をもたらした世紀の名盤Huong Thanh「Dragonfly」でギター及びプロデュースを担当して一躍注目集めたジャズ・ギタリスト。
スティングとの共演でも知られるモロッコのパーカッショニスト、Rhani Krijaとカナダの売れっ子ベーシストChris Jenningsが参加!
一曲の東南アジアのような中東のような旋律と目まぐるしく展開する変拍子満載な「Red City」や、新鋭プログレバンドと言っても過言ではないロック展開がかっこいい「Tiger's Dance」など、フュージョン、チェンバーロック好きの方に是非聴いていただきたい作品です!
ベナン出身のギタリストで、アフリカ音楽とジャズを融合させた独自のスタイルで知られています。00年代よりテレンス・ブランチャードのグループで活動、05年よりハービー・ハンコックのヘッドハンターズのメンバーとなり一躍注目を集めた現代ジャズシーンのトップ・ギタリストの一人
恩師ハービー・ハンコックの楽曲をギターと自身のヴォーカルのみでカバーした異色作!
オリジナルは粘っこい激烈ファンキーナンバーであった「Hang Up Your Hang Ups」をカラッとしたアコギ?とLouekeボイスパーカッションで完全カバーしているところからそのテクニック、創造性に舌を巻きます。ハービー自身のヴォコーダーヴォイスのバージョンや笠井紀美子のバージョンでお馴染みの大名曲「Butterfly」もLouekeのヴォイスでメロディラインをカバーしながら、コロコロと変化するリズムや途中のコラみたいな音色が斬新。「Rock It」のスペイシーなエフェクト使いなど聴きどころ満載です。
現代ジャズ・ギタリストの最高峰のJulian LageやMary Halvorson、John Zornとの共演、M-BASEの創始者Steve Colemanのグループでの活動などでも知られるギタリスト。
Lewis Hydeの著作「Trickster Makes This World: Mischief, Myth and Art」からインスピレーション得て、世界各国の神話、伝承などに登場する
トリックスターを題材に作曲、巧みなコードワークと複雑なリズム・セクションがグルグルと目まぐるしい展開を見せる「Black Bolt」やエジプトの神トートの物語を題材に、次々と変化してくドラム、ピアノ、ベースのミニマルな進行にイマジネイティヴなソロが切り込み「The Calendar」など、ジャズという枠を超えた珠玉の一枚です!
前作の素材を分解し、新しい要素で再構築して作曲されている点で、そうすることで前作との連続性を表現しているとのこと、前作以上に複雑なリズムセクションにマイルスのギターサウンドが溶け合い、めくるめくひと時が堪能できる推奨盤です!
これまでの作品と違い、楽曲が長尺になっており全体として一つの組曲のような流れになっております。ファンキーでポリリズムを多用した独特のグルーヴが癖になる「And Wait For You」やドラムンベースとジャズの融合「I'll Build a World」など聴きどころ満載!3部作最新作にして最高傑作です!
2000年よりジョン・ゾーンが主催するTZADIKよりデビューして以降、NYジャズシーンをベースにパンク、ロック、ジャズ、ポップ、メタル等の幅広い音楽を混ぜ合わせた摩訶不思議な音世界を鳴らし続けるギタリスト兼バンジョー奏者。
牧歌的なリコーダーの響きから、どこか強迫的に迫りくるストリングス、そしてひしゃげたサウンドで縦横無尽に鳴り響くギターがたまらない、キング・クリムゾンMeetsマイク・オールドフィールド?的なタイトルトラックや、東洋的神秘性を帯びた鐘の音?と軽妙なバンジョーがリズムを刻みながらピコピコ・エレクトロが混ざり合う「The Perils of Self-Betterment」 やシアトリカルな中世ゴシック感も漂うチェンバー風味な「Compassion Montage」など一筋縄ではいかない聴きこめば聴きこむほどに発見がある傑作です!
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00年代初頭のワールド・ミュージック・シーンに衝撃をもたらした世紀の名盤Huong Thanh「Dragonfly」でギター及びプロデュースを担当して一躍注目集めたベトナム系フランス人ギタリストNguyên Lêの23年作。
メンバーにはスティングとの共演でも知られるモロッコのパーカッショニスト、Rhani Krijaとカナダの売れっ子ベーシストChris Jenningsが参加!
一曲の東南アジアのような中東のような旋律と目まぐるしく展開する変拍子満載な「Red City」や、新鋭プログレバンドと言っても過言ではないロック展開がかっこいい「Tiger's Dance」など、フュージョン、チェンバーロック好きの方に是非聴いていただきたい作品です!
2018年の作品『Starebaby』でドゥームメタルやKING CRIMSONの「RED」やANEKDOTENなどに通じるプログレッシヴ・ロックを取り入れた独自のヘヴィーサウンドを披露してくれたプロジェクトの20年作。前作に引き続きデヴィッド・ボウイの『Blackstar』にも参加したギタリストBen Monder、MR. BUNGLEやMELVINSで活躍するベーシストのTrevor Dunn、NYのジャズ・シーンで活躍するフリー系ピアニストCraig Tabor、Matt Mitchellといった技巧派プレイヤーたちが参加!今作ではディシプリン期のKING CRIMSONを彷彿させる変則的な拍子、複雑なポリリズムを多用し、前作よりも深化したリズム・セクションが耳を惹きます!アルバムの制作にインスピレーションを与えたデヴィッド・リンチのテレビドラマ『ツイン・ピークス』のに通じる不穏な雰囲気をまとった「A Taste of a Memory 」がおススメです。
ブルータル・プログレを定義したFLYING LUTTENBACHERSの中心人物として知られるマルチ・プレイヤーWeasel Walter、現代ジャズギターを代表する女流ギタリストであるMary Halvorson、NYのフリージャズ・シーンを中心に活躍しているトランぺッターPeter Evansによる強力トリオの2作目となる11年作!
ドラム、ギター、トランペットの3人による圧倒的パワーと熱量で畳み掛けるサウンドはロック・リスナーが聴いても唸ること間違いなし!特にWeasel Walterのばく進するドラミングの上を対話するかのように時にノイジーで、時にへんてこな浮遊感漂わせるMary Halvorsonのギターワークは聴きものですよ!
ブルータル・プログレを定義したFLYING LUTTENBACHERSの中心人物として知られるマルチ・プレイヤーWeasel Walter、現代ジャズギターを代表する女流ギタリストであるMary Halvorson、NYのフリージャズ・シーンを中心に活躍しているトランぺッターPeter Evansによる強力トリオの3作目となる12年作!
前作「Electric Fruit 」が完全なフリー・インプロヴィゼーションに焦点を当てていたのに対し、本作ではメンバー各自による作曲作が収録されており、狂熱的アグレッシヴさを抑え、理知的な狂気さ内包した緊迫感が強烈な一枚。
チェンバー / レコメン系がお好きで新しい扉を開きたい!という方に是非聴いていただきたい作品です!
David Bowieのラスト・アルバム「★」への参加などでロック・リスナーにも注目を集めたNYをベースに活動しているジャズ・ギタリストBen Monderのデビュー作となる95年作。Maria Schneiderとの活動や晩年のPaul Motianとの活動などモダンジャズシーンを中心におよそ200作品以上に参加しているNYジャズ・ギタリストのトップ・プレイヤーの一人。同じくNYジャズ・シーンで活躍するドラマーのDan Weissが中心のプロジェクトSTAREBABYでロバート・フリップばりの凶暴ギターを披露したかと思えば、ソロ作ではECMレーベルの諸作を思わせる静謐なサウンドスケープを展開させるなど、ボーダレスな部分が魅力的なギタリストです。
ソロ・デビュー作となる本作からして、その才気は爆発しております。Pat Methenyなど浮遊感漂うECM系サウンドを思わせながら、徐々に熱を帯びハードに弾きまくる「Muvseevum」や「Don't Look Down」、のっけからフリーキーでアヴァンギャルドに畳みかける「Lactophobia」あたりは、HENRY COWなどレコメン系のリスナーこそ楽しめると思います!
2000年よりジョン・ゾーンが主催するTZADIKよりデビューして以降、NYジャズシーンをベースにパンク、ロック、ジャズ、ポップ、メタル等の幅広い音楽を混ぜ合わせた摩訶不思議な音世界を鳴らし続けるギタリスト兼バンジョー奏者によるプロジェクトのデビュー作となる23年作。
2016年にリリースされた「Die Trommel Fatale」はBrandon Seabrookのフリージャズやパンク・ロック/NO WAVEの要素が入り混じった混沌とした傑作でしたが、本作ではそのアグレッシブな要素を抑えめに、より多角的で重層的な音楽性を提示してきた一枚!
牧歌的なリコーダーの響きから、どこか強迫的に迫りくるストリングス、そしてひしゃげたサウンドで縦横無尽に鳴り響くギターがたまらない、キング・クリムゾンMeetsマイク・オールドフィールド?的なタイトルトラックや、東洋的神秘性を帯びた鐘の音?と軽妙なバンジョーがリズムを刻みながらピコピコ・エレクトロが混ざり合う「The Perils of Self-Betterment」 やシアトリカルな中世ゴシック感も漂うチェンバー風味な「Compassion Montage」など本作も一筋縄ではいかない聴きこめば聴きこむほどに発見がある傑作です!
2000年代初頭にデビューして以来、NYジャズ・シーンを常にリードしてきた気鋭ドラマーDan Weissによるプロジェクトの1stとなる18年作。メンバーにデヴィッド・ボウイの『Blackstar』にも参加したギタリストBen MonderやMR. BUNGLEやMELVINSで活躍するベーシストのTrevor Dunn、NYのジャズ・シーンで活躍するフリー系ピアニストCraig Tabor、Matt Mitchellといった技巧派プレイヤーたちが参加!所々にドゥームメタルをはじめとしてメタル的要素が盛り込まれており、先鋭的なフリージャズ作品を多くリリースしている同レーベルの中でもひと際個性的なサウンドを響かせております。凍てつくような不気味さを携えたキーボードのイントロ、どこか神経を逆なでる不安感感じさせるピアノの旋律から徐々に姿を現す、禍々しい轟音鈍重ギターとドラマーの音の緊張感みなぎる音の殴り合いが楽しい「The Memory of My Memory」や、Ben MonderがRobert Frippばりの凶暴ギターを響かせる「Episode 8」が出色です!
フリージャズの重鎮リード奏者Henry Threadgill率いるグループZooidが15年に発表し、ピューリッツァー賞を受賞した大傑作「In For A Penny, In For A Pound」で独創性に富んだギタープレイでも注目を集めた気鋭ギタリストの20年作!
今作ではEllmanのハードな面は抑えめにバンド・アンサンブルの重きを置いた作風。Ellmanの叙情的旋律が印象的な「The Slip」、前半のしっとりした展開から後半の渦巻くような音塊が圧巻な「Portals」など、より深化したEllmanのギターは一聴の価値ありです!
フリージャズの重鎮リード奏者Henry Threadgill率いるグループZooidが15年に発表し、ピューリッツァー賞を受賞した大傑作「In For A Penny, In For A Pound」で披露した独創性に富んだギタープレイが注目を集めた気鋭ギタリストの05年作!
前作では比較的モーダルなジャズギタリスト作品という趣が強かったが、今作ではOPのタイトルトラック、「Naturalists」、「Tarmacadam」などチェンバーロック的なアンサンブルに重き置いた楽曲が並び、普段ジャズに馴染みが無い方でもレコメン系やフランク・ザッパを聴いている感じでも楽しめるかも!?プリミティヴでミニマルなリズムが癖になる「Pretty Words,Like Blades」が一押しです!
フリージャズの重鎮リード奏者Henry Threadgill率いるグループZooidが15年に発表し、ピューリッツァー賞を受賞した大傑作「In For A Penny, In For A Pound」で独創性に富んだギタープレイでも注目を集めた気鋭ギタリストの15年作!
イントロのトロンボーンから不可思議な旋律を奏でるチェンバーロック的な「Supercell」、エレクトロ的な打ち込みとフリージャズの共演?Ellmanのフリーキーなギターが全編に展開される「Enigmatic Runner」などが一押しです!
フリージャズの重鎮リード奏者Henry Threadgill率いるグループZooidが15年に発表し、ピューリッツァー賞を受賞した大傑作「In For A Penny, In For A Pound」で披露した独創性に富んだギタープレイが注目を集めた気鋭ギタリストの03年作!
この後の作品群に比べると比較的モダン・ジャズの傾向が強い、NYの先鋭ジャズレーベルからの一作目。メンバーにはVijay Iyerとの活動で知られるベーシストStephan Crump、SFJAZZ Collectiveでの活動や、多くのアーティストに引っ張りだこのドラマーEric Harlandと、盤石のリズムセクションにMark Shim、Greg Osbyの2管を加えた編成。Greg Osbyが参加したM-BASEっぽい「Ultraviolet」やEllmanのギターとMark Shimの掛け合いに息をのむ「Helios」が聴きどころです!
アンソニー・ブラクストンやデレク・ベイリー、ビル・フリゼールなどからの影響をもとに、00年代初頭ごろより活動をはじめ、その独創的なインプロヴァイザーとして現代ジャズ・シーンでも高い評価を得ている女流ギタリストの23年作が米国の名門レーベル、ノンサッチよりリリース。
一曲目の「The Gate 」からチェンバーロックやカンタベリー系か!?と思ってしまう極上のアンサンブルが響き、2曲目の「Tower」ではHalvorsonのインプロヴァイザーとしての魅力あふれるフレーズが紡がれながらも、直後Patricia Brennanのメランコリックなヴィブラフォンに入れ替わる展開が何とも心地良い。アメリカの前衛音楽家で映像作家でもあるLaurie Andersonをフィーチャーした「Incarnadine」は神経を逆なでるような不穏で恐怖感を与える感じが暗黒系チェンバーに通じるところがあります。
Halvorsonのインプロヴァイザーとしての魅力を若干抑えコンポーザーとしての魅力が強く出ており、アンサンブル重視の聴きやすい展開が多くチェンバー、カンタベリー系がお好きなかたには文句なくおススメ!
現代ジャズ・ギタリストの中でも最高峰の一人と目される女流ギタリストとNYフリージャズシーンで活躍するヴィオラ奏者が共演した09年作。両者ともにアンソニー・ブラクストンの教え子として05年にリリースした「Prairies」からスタートしたデュオの通算3枚目となる本作は、チェンバー的な要素とフォーキーな雰囲気が心地よい「....and Goodnight」、ヘタウマ系のアヴァン・ポップに聴こえなくもない「Ten Years」、ハルヴァーソンの独創的なインプロヴィゼーションが堪能できる「Barber」など、ベースにあるのはフリージャズながらも、ロックやフォーク、クラシックなど様々な音楽性を取り入れた独特なサウンドは一聴の価値あり!デレク・ベイリーとデヴィッド・シルヴィアンが共演した「Blemish」との類似性も感じさせ、普段ロック中心に聴かれる方にも是非聴いていただきたい作品です。
90年代より活動をスタートし、06年にリリースしたデビュー作「Mirror」で一躍注目を集め、NYジャズ・シーンを代表するギタリストの19年作!現代ジャズ・ギタリストの最高峰のJulian LageやMary Halvorson、John Zornとの共演、M-BASEの創始者Steve Colemanのグループでの活動などでも知られるギタリストの19年作となる本作は後にトリックスター3部作と呼ばれるプロジェクトの第2弾。前作に引き続きTHE ROOTS、Steve Colemanなどとの共演で知られるベテラン・ベーシストAnthony Tidd、 Steve Coleman率いるFIVE ELEMENTSの同僚でマルチ・プレイヤーとして活躍しているSean Rickmanらの実力派プレイヤーたちが参加しております。そして今作ではNYジャズ・シーンを代表するピアニストMatt Mitchell が参加!
今作の特徴は前作の素材を分解し、新しい要素で再構築して作曲されている点で、そうすることで前作との連続性を表現しているとのこと、前作以上に複雑なリズムセクションにマイルスのギターサウンドが溶け合い、めくるめくひと時が堪能できる推奨盤です!
16年に発表したアルバム「In for a Penny In for a Pound」でピューリッツァー賞を受賞したフリージャズ・シーンを代表するリード奏者の01年作。現代フリージャズ・シーンを代表するPI RECORDINGSの記念すべき第1作目でもあるマイルストーン!97年に発表した「Where's Your Cup?」以来のMake A Move名義となる本作。型破りで実験性気鋭に富んだスタイルで知られる気鋭ギタリストBrandon RossやCuong Vuとの共演でも知れる日本人ベーシストStomu Takeishiなどの実力派プレイヤーが集結。Rossのハードなギターが唸る「Where Coconuts Fall」や、Frank Zappaやチェンバー系を思わせる「Pink Water Pink Airplane」などロック・リスナー
にも、おススメできる内容です!
00年代よりテレンス・ブランチャードのグループで活動、05年よりハービー・ハンコックのヘッドハンターズのメンバーとなり一躍注目を集めた現代ジャズシーンのトップ・ギタリストであるLIONEL LOUEKEの技巧が炸裂した傑作アルバム!
オリジナルは粘っこい激烈ファンキーナンバーであった「Hang Up Your Hang Ups」をカラッとしたアコギ?とLouekeボイスパーカッションで完全カバーしているところからそのテクニック、創造性に舌を巻きます。ハービー自身のヴォコーダーヴォイスのバージョンや笠井紀美子のバージョンでお馴染みの大名曲「Butterfly」もLouekeのヴォイスでメロディラインをカバーしながら、コロコロと変化するリズムや途中のコラみたいな音色が斬新。「Rock It」のスペイシーなエフェクト使いなど聴きどころ満載です。
90年代より活動をスタートし、06年にリリースしたデビュー作「Mirror」で一躍注目を集め、NYジャズ・シーンを代表するギタリストの22年作!
現代ジャズ・ギタリストの最高峰のJulian LageやMary Halvorson、John Zornとの共演、M-BASEの創始者Steve Colemanのグループでの活動などでも知られるギタリストの22年作となる本作は後にトリックスター3部作と呼ばれるプロジェクトの第3弾。メンバーには長年NYジャズ・シーンをリードしてきた盟友DAN WEISSのプログレッシヴ・メタル・プロジェクトに参加しているピアニストMatt Mitchellや、THE ROOTS、Steve Colemanなどとの共演で知られるベテラン・ベーシストAnthony Tidd、 Steve Coleman率いるFIVE ELEMENTSの同僚でマルチ・プレイヤーとして活躍しているSean Rickmanらの実力派プレイヤーたちが参加しております。今作ではこれまでの作品と違い、楽曲が長尺になっており全体として一つの組曲のような流れになっております。ファンキーでポリリズムを多用した独特のグルーヴが癖になる「And Wait For You」やドラムンベースとジャズの融合「I'll Build a World」など聴きどころ満載!3部作最新作にして最高傑作です!
現代ジャズ・ギタリストの最高峰のJulian LageやMary Halvorson、John Zornとの共演、M-BASEの創始者Steve Colemanのグループでの活動などでも知られるギタリストの17年作となる本作は後にトリックスター3部作と呼ばれるプロジェクトの第1弾。長年NYジャズ・シーンをリードしてきた盟友DAN WEISSのプログレッシヴ・メタル・プロジェクトに参加しているピアニストCraig Taborや、THE ROOTS、Steve Colemanなどとの共演で知られるベテラン・ベーシストAnthony Tidd、 Steve Coleman率いるFIVE ELEMENTSの同僚でマルチ・プレイヤーとして活躍しているSean Rickmanらの実力派プレイヤーたちが参加しております。今作はLewis Hydeの著作「Trickster Makes This World: Mischief, Myth and Art」からインスピレーション得て、世界各国の神話、伝承などに登場する
トリックスターを題材に作曲、巧みなコードワークと複雑なリズム・セクションがグルグルと目まぐるしい展開を見せる「Black Bolt」やエジプトの神トートの物語を題材に、次々と変化してくドラム、ピアノ、ベースのミニマルな進行にイマジネイティヴなソロが切り込み「The Calendar」など、ジャズという枠を超えた珠玉の一枚です!
まるでクリムゾンが『RED』のテンションそのままにジャズへ傾倒したような、国産ヘヴィ・ジャズ・ロック!この緊張感、マハヴィシュヌ・オーケストラのファンもイチコロだろうな...。
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