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2023年 カケレコ年間ベストセラー TOP20!

2023-12-19

2023年も残すところわずかとなりましたね。

ここで2023年のカケレコ年間ベストセラーを発表したいと思います!

例年に比べ、今年は新譜・リイシューともに、ジャズ・ロックに注目が集まった印象。
各国の人気新鋭のほか、廃盤リイシュー&初CD化タイトルにハイクオリティーなジャズ・ロック作品が目立ちました。

もちろん我らが日本の作品も含め、シンフォニック・ロックからも必聴盤が多数ランクインしていますよ。

年末年始のロック探求ガイドとしてお楽しみいただければ幸いです!

それではスタート!


1位:CHILD'S PLAY / CHILD'S PLAY

栄えある第1位に輝いたのが、初CD化となったこの超絶マイナーな米ジャズ・ロック作品!

最近のインディー・ロックかと思う脱力ジャケから、この目の醒めるような超絶技巧ジャズ・ロックが飛び出してこようとは。

圧倒的なテンションと技巧で全編駆け抜けるピアノのパフォーマンスは驚愕モノです。

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2位:TRK PROJECT (RYSZARD KRAMARSKI PROJECT) / ODYSSEY 9999

新鋭では、現ポーランド・プログレの中核をなすバンドMILLENIUMのリーダーが率いるこのバンドの23年作が最も注目を集めました。

刺激的なデジタル音響とメランコリックなシンセやオルガンが交差するオリジナリティ溢れるキーボード・サウンド、そしてもはやギルモア以上にギルモアっぽい心震わすギターソロ。

古代叙事詩のホメロス『オデュッセイア』にインスパイアされた23年作!

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3位:PASAJERO LUMINOSO / POOL

3位は、カンタベリー・ロック好きに今一番オススメしたい南米ジャズ・ロックの注目グループが放った待望5th!

美しいメロディを印象的に聴かせるパートとテクニカルに疾走するパート、その切り替わりがとにかく自然体で、リリカルな音使いのみならずこの演奏の「しなやかさ」もカンタベリー・ロックに通じる魅力です。

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4位:LOONYPARK / STRANGE THOUGHTS

数多いる現ポーランドの女性ヴォーカル・シンフォの頂点に君臨するのがLOONYPARK。

ギタリストが交代し演奏に重厚さと迫力が増しましたが、センス溢れるキーボードワークと女性ヴォーカルが担う、従来の彼ららしいスタイリッシュなシンフォ要素はもちろん健在。現ポーランド・シンフォ最高峰、23年作!

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5位:PASKINEL / MARAUDE AUTOMNALE

フランスの人気アヴァン・プログレ・トリオALCO FRISBASSの2人が結成したユニット、23年作!

HF&Nらカンタベリー譲りの芳醇さと伊PICCHIO DAL POZZOのピリッと緊張感の効いた芸術的センスを合わせたような、マジカルなサウンドの連続に興奮必至!

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6位:SUN TREADER / ZIN-ZIN

これは嬉しいリイシューでしたね!

モーリス・パート(BRAND X) & ピート・ロビンソン(QUATERMASS)!

涼しげかつユーモラスに音を刻むキーボード&ベースと切迫感に駆られるように叩きまくるドラムスとの強烈な対比が、唯一無二の聴き心地を生み出す英ジャズ・ロック傑作。

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7位:ASCETA / EREBUS LA SUITE DE LAS SOMBRAS

南米はチリから登場した、UNIVERS ZEROファン要チェックのチェンバー・ロック新鋭、23年2nd。

暗闇からゆっくりと立ち上がってくるファゴットとヴァイオリン、張り詰めたピアノの音色を合図にリズムがズシリと動き出し、狂気が薄霧のように立ち込めるチェンバー・ロックが幕を開けます。

南米らしいタンゴのつややかさも随所に織り込んでいて絶品です。

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8位:ADAM JURCZYNSKI / BREATH (DEDICATION TO PINK FLOYD)

ポーランドの異才がフロイドへのリスペクトたっぷりに作り上げた23年作。

フロイドっぽいダークかつ浮遊感あるメロディを歌いながら、叩きつけるようなリズム&ギターでヘヴィに攻める、独自のフロイド・リスペクトはかなり完成度高し!

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9位:SATCHITANANDA / A THOUGHT AWAY

アメリカのグループながら、北欧ジャズ・ロックを思わせる全編にわたり冷気を纏っているかのようなクールネスが印象的。

Furio Chiricoばりのバカテク・ドラムとスリリングかつ色彩感あるシンセワークが聴きモノ!


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10位:KARFAGEN / PASSAGE TO THE FOREST OF MYSTERIOUS AND BIRDS

ご存じ、ウクライナ出身の天才コンポーザー/キーボーディストが率いる大人気プロジェクト!

従来にはなかったYES的な疾走感・飛翔感が加わり、これまで以上にメリハリの効いたシンフォニック・サウンドを完成させた23年作。

Antony Kaluginというミュージシャンの底知れぬ才覚には脱帽するしかありません。


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11位:CELESTE / CELESTE WITH CELESTIAL SYMPHONY ORCHESTRA

伊ロック史上の名グループによる22年オーケストラ共演作。

メロトロンを中心とした神秘的ながら牧歌的温かさも宿したシンフォニック・サウンドに、オーケストラが加わり一層色彩豊かに輝きを放つような演奏は、一曲目から感動がこみ上げて来ること間違いなし!


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12位:HEDGEHOG PIE / GREEN LADY

フォーク・ロックとしては異質なほどズシッとタイトなドラムが圧巻で、それに触発され力強くかき鳴らすアコギ、スリリングに躍動するflu&vlnらによる切れ味鋭い演奏が見事です。

トラッド・フォーク系は少し退屈に感じる...という方には是非聴いてみて欲しい!


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13位:YESTERDAYS / SAINT-EXUPERY ALMA

イエスで言えば、P.バンクスがいた『時間と言葉』あたりのサウンドに『海洋地形学の物語』の神秘性を加えて幻想度を大幅アップさせたような感じ!?

トランシルヴァニア地方出身の人気シンフォ・バンド、22年作♪


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14位:ANNA HARDY / HIGH TIDE

12月13日に発売されたばかりでありながら、年間14位に食い込んだ要注目の一枚がこちら!

プログレ・ファン注目の女性鍵盤奏者、待望の23年作。

ピアノやメロトロン、パイプオルガンも駆使しひたすら格調高く荘厳に織り上げるクラシカル・プログレで、本格派クラシック/教会音楽にクリムゾン的緊張感、PFMの叙情美を足し合わせたような音世界が圧巻!


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15位:FONDERIA / DINAMO

ポスト・ロック的浮遊感やスペイシーな音響で煌びやかに装飾されたジャズ・ロックに、時折カンタベリー彷彿のしなやかで芳醇なタッチを織り込んだスタイルは、これぞ揺るぎなき彼らのサウンド。

相変わらず遊び心満載で先の読めない展開の連続にワクワクしっぱなし!


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16位:DAVID POMERANZ / TIME TO FLY

C.コリア、J.ハマー、A.モレイラ、B.コブハム、R.ブレッカーetc.って、どんだけ凄い面子なのよ...。

でもそんな演奏陣に負けないくらい本人のドラマティックなピアノも素晴らしいんですよね。

71年にしてプレAOR的と言える洗練されたソングライティングも特筆!

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17位:SAMURAI OF PROG / MAN IN THE IRON MASK

前作のSF的世界観から、典雅で壮麗なクラシカル・シンフォへと堂々回帰した23年作!

元LATTE E MIELEのkey奏者が全編作曲を担当、LOST WORLD+LITTLE TRAGEDIES+SOLARISと言える聴き応えのサウンドには、プログレ・ファンなら歓喜の声を上げること請け合い!


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18位:L'OEIL DU SOURD / UN ?

カケレコ・ロングセラーの代表的一枚が、なんと取り扱い開始から14年目にして年間18位にランクイン!

「太陽と戦慄」期クリムゾンやヘンリー・カウ的な攻撃性を軸に、HF&Nに通ずる繊細さと緻密さ、フランスらしい芸術性や演劇性を融合させたサウンドは、素晴らしき完成度!


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19位:BOUNTY / BOUNTY

ピアノとシンセを軸に展開する、前衛色も加味した米シンフォ・ジャズ・ロック逸品。

技巧的ながら、行き当たりばったりで力技な展開が多いのが面白く、次に何が飛び出すか分からないスリルに満ちたパフォーマンスは、これぞプログレな魅力に溢れています。

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20位:IL BALLETTO DI BRONZO / LEMURES

72年の傑作『YS』で知られる名バンド、23年作!

暴走するオルガン、狂乱のシンセサイザー、格調高く舞うピアノ、そしてオペラ風のパフォーマンスも交えて歌うゾクゾクするようなヴォーカルと、半世紀を経てもGianni Leoneの才気は変わらず爆発していて圧巻!


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いかがでしたか?
気になる作品が見つかりましたら幸いです。

今年のこの充実ぶりを見ていると、早くも来年は一体どんな素晴らしい新譜&リイシューが登場してくるかワクワクしてきますね!

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    22年作『LE MYSTERE DU GUE PUCELLE』がCDでは年間カケレコ・ベストセラー第1位に輝いた、フランスのアヴァン・プログレ・トリオALCO FRISBASS。そのメンバー3人のうちの2人、共にマルチ・プレイヤーのPatrick DufourとFrederic Chaputが結成したユニット、23年デビュー作!ずばり、ALCO FRISBASSが気に入られたなら必聴の内容です。プログラミングとは思えない「技巧」を感じる緻密なドラミングと、リッケンバッカーと思われるブンブンと唸るベースが刻む起伏に富んだリズムからしてワクワクしますが、そこにメロディアスながらちょっぴりひねたフレージングが楽しいエレキ・ギター、フワフワと浮遊するスティール・ギター、輝かしく響くメロトロン風シンセらが次々と飛び込んできます。1曲目にはALCO FRISBASSのもう一人Fabrice Chouetteがゲスト参加、デイヴ・スチュワートばりのオルガンを聴かせていて、ALCO FRISBASSそのものな一曲に仕上がっており堪りません。以降もNATIONAL HEALTHやHATFIELD & THE NORTHの芳醇さと伊PICCHIO DAL POZZOのピリッと緊張感の効いた芸術的センスを合わせたような、マジカルなサウンドの連続に興奮必至です。ALCO FRISBASSファンは勿論ですが、イタリアのFONDERIA、アメリカのINNER EAR BRIGADEあたりがお好きな方にも是非是非オススメ♪

  • ADAM JURCZYNSKI / BREATH (DEDICATION TO PINK FLOYD)

    ポーランドのギタリスト/マルチ・プレイヤー、PINK FLOYDに捧げた23年作!

    Neuoberschlesien、Oberschlesienなどのハード・ロック/インダストリアル系バンドでの活動歴を持つポーランドのギタリスト/マルチ・プレイヤー、23年作。タイトル通りピンク・フロイドへのリスペクトをテーマに制作された作品で、あのメランコリックで深遠な音響空間を再現しつつ、持ち味の重く硬質なギター・サウンドも遠慮なく鳴らされるヘヴィ・プログレは、フロイド・タイプのバンドがひしめくポーランドにあってもかなりの完成度。水の滴るSEをバックにうつむき加減のピアノ&ギルモア・ライクなタッチのギターが繊細かつドラマティックに交差する1曲目は、『ECHOES』の一部を切り取ったようで雰囲気抜群。かなりフロイドに忠実なスタイルで行くのかと思いきや、2曲目ではフロイドで歌われそうなダークかつ浮遊感あるヴォーカル・メロディをフィーチャーしながら、叩きつけるようなリズム&ギターでヘヴィに攻める、彼ならではのフロイド・リスペクトが聴けて「おお!」となります。随所で聴けるリック・ライト彷彿の物悲しいトーンで広がるシンセの海も素晴らしい出来栄えだし、硬質なギターリフの波状攻撃を浴びせたと思うとギルモア・リスペクトのエモーションたっぷりのブルージーで劇的なソロを聴かせたりと、フロイドをヘヴィ・プログレに仕立て上げたようなスタイルで全編を見事に聴かせきります。フロイド好きにはきっと響くだろう力作です。

    • LM224CDLYNX

      ボーナストラック1曲

      レーベル管理上、盤にキズやジャケにスレがある場合がございます。若干背ジャケサイズオーバーのためヨレがある場合がございます。あらかじめご了承ください。

  • DAVID POMERANZ / TIME TO FLY

    チック・コリア、ヤン・ハマー、アイアート・モレイラ、ビリー・コブハム、ランディ・ブレッカー他参加の71年2nd、ドラマティックなピアノが美しいプレAOR的傑作!

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