2025-01-16
ソフト・マシーンの『6th』を出発点に、シャープに引き締まったテクニカルかつ流麗なジャズ・ロックを世界中から選りすぐってピックアップいたしましょう。
技巧派メンバーたちによるキレ味の鋭いプレイと、細部まで神経が行き渡った緻密な構築美が織り成すサウンド、どうぞお楽しみください。
イギリスでジャズ・ロックと言えば、やはりソフト・マシーン。
「流麗」というキーワードでソフト・マシーンを語るならば、カール・ジェンキンス加入後のサウンドがぴったり。
『5th』を最後にエルトン・ディーンが脱退。代わりに加入したのが元ニュークリアスのカール・ジェンキンス(オーボエ、Key)。
『3rd』から『5th』までに磨き上げた硬派でクールなフリージャズ・ロックを軸に、初期ニュークリアスでのカール・ジェンキンス作の曲で印象的だったミニマルな反復リフとたゆたうホーンとが織りなす幻想美が加わり、緊張感の中にもベールに包まれたような優美さがただようイマジネーション豊かなサウンドへと進化した名作。
クールなミニマル・ミュージックとジャズ・ロックとが奇跡的に融合したサウンドが極上です。
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元ニュークリアスのカール・ジェンキンスが加入し、初期ニュークリアスに通じる浮遊感と幻想性が加わった「新生」ソフト・マシーンによる73年作『6th』をピックアップ!
はじめてギタリストが加入した75年の英ジャズ/フュージョン・ロックの傑作。
カール・ジェンキンスが生み出す幻想美、そこに流麗なトーンでからむアラン・ホールズワースのギター。
浮遊感あるラトリッジのキーボードも絶品。
いかにも冬空ジャズ・ロック。
水面のきらめきのようにキラキラとしていて、なおかつ艶やかでしとやかなピアノ。「宝石箱」とも形容される、まばゆいソングライティング。
アラン・ガウエンの才能ほとばしるカンタベリー屈指の傑作ですね。ただただ「流麗」。
硬質でいて流麗。目の覚めるようなアンサンブルが青空へと駆け抜けるような英クロスオーバー傑作。
ギタリストのゲイリー・ボイルは、知名度では劣るもののテクニックではジョン・マクラフリンにも負けてませんよね。
マハビシュヌ・オーケストラへの英国からの回答!
マハビシュヌへの英からの回答と言えば、ブランドXもはずせませんね!
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ところでここ最近、英国ジャズ・ロックの知られざるマイナー盤が次々と発掘されておりますのでご紹介いたしましょう。
アルティ・エ・メスティエリ彷彿のスピードとテクニック、そしてカンタベリー・ロックに通じる柔らかくしなやかな音色使い...。
両者が完璧に調和したこんな凄いジャズ・ロックがイギリスに存在したなんて。ずばり全ジャズ・ロック・ファン必聴作。
無名も無名だけど、カンタベリー・ロックやジェントル・ジャイアントを彷彿させる捻りあるセンスと圧倒的なテクニックで展開する技ありジャズ・ロック盤。
どの曲も緻密に組み上げられた手工芸品のような完成度を誇っていて、こりゃ素晴らし〜!
何と言っても主役を張るエッジの効いたヘヴィなギターが抜群にカッコいい!
始スリリングに動き回るテクニカルなギタープレイは、Peter Banksあたりに近い印象。
83年に人知れず残された、攻めのブリティッシュ・ジャズ・ロック快作!
次はユーロ編!
オリジナル・メンバーのKevin Ayers以来のギタリスト、Allan Holdsworthが加入し、『6』『7』と推し進めてきたフュージョン色をより強めた作品。75年作の8thアルバム。Karl JenkinsとMike Ratledgeによる叙情性と浮遊感のあるキーボード・ワーク、そしてその上をテクニカルに疾駆するHolldsworthの流麗なギター。John MarshallのドラムとRoy Babbingtonのベースによるロック的ダイナミズムに溢れたソリッドなリズム隊も特筆もの。圧巻のテクニカル・ジャズ・フュージョン・ロック!Holldsworthの唯一の参加作となった傑作。
デジパック仕様、2枚組、リマスター、DISC2には75年10月11日 のライヴ音源収録!
レーベル管理上、デジパック側面部に折れ線がある場合がございます。ご了承ください。
廃盤、紙ジャケット仕様、Blu-spec CD、12年24bitデジタル・リマスター、ブックレット・内袋付仕様、定価2940
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
1974年に英ブリストルで結成、2人の管楽器奏者を擁する7人組ジャズ・ロック・バンドによる77年の唯一作。このサウンド、ずばり「アルティ・エ・メスティエリ meets カンタベリー・ロック」!手数多くも精密に刻む技巧的なドラミング&ベースが作り出すタイトかつスピーディなリズムに乗って、流れるように快速フレーズを繰り出すギター、ふわりとファンタジックな音色を紡ぐエレピ&シンセ、そして艶のあるしなやかな音色で駆け抜けるフルート&サックスが躍動。アルティばりのスピードとテクニックでひた走るテクニカル・ジャズ・ロックに、カンタベリー風の優雅で芳醇な管楽器群を重ねたこのアンサンブル、ジャズ・ロック然とした強度と、柔らかく軽やかなタッチが見事に一体となっていて、もうとにかく素晴らしすぎます。アルバム後半で聴けるアコースティック・ギターをメインとする地中海的エキゾチズム薫るアンサンブルも極上。こんな大変な傑作がまだイギリスにあったなんて!と驚かずにはいられない逸品です。
アイルランド出身、ギター、キーボード、ベース、ドラムの4人からなるプログレ/ジャズ・ロック・グループ、76年の唯一作。安定感あるリズムと流れるようなタッチのギター&エレピが紡ぐ端正なジャズ・ロックがベースとなっていますが、その音楽性は実に多彩。77年に唯一作を残した美声女性SSW、Rosemarie Taylorをフィーチャーしたカンタベリー・ロックに通じる柔らかくロマンチックな3曲目、GGのケリー・ミネアの作風を思わせる浮遊感あるプログレ・ナンバー、バグパイプ風のキーボードのプレイがカッコいいアイリッシュ風味香るテクニカル・ジャズ・ロックなど、バラエティに富みつつもどの曲も緻密に組み上げられた手工芸品のような完成度を誇っており実に素晴らしいです。ラストは初期GGのアルバムに入っていてもおかしくないほどの凝りに凝った展開とコーラスに彩られたナンバーでハイライトの一つ。底知れぬ技巧と捻りあるユニークな音楽センスを備えたグループによる名盤です。
知られざる英ジャズ・ロック・グループが83年に残した唯一のアルバム。何と言っても主役を張るエッジの効いたヘヴィなギターが抜群にカッコいい、硬質でアグレッシヴなジャズ・ロックが炸裂。終始スリリングに動き回るテクニカルなギタープレイは、Peter Banksあたりに近い印象。そんなギターに応じるキーボードも実力派で、時にギターとソロを戦わせるオルガン、空間を広げるように幻想的に鳴らすシンセなど活躍します。パーカッションも多用しながら忙しなく刻むリズム・セクションもなかなか個性的。存在感抜群のギターを軸に畳みかける、攻めのジャズ・ロック快作!
イギリスから欧州にわたり、イタリア〜オランダを通って北欧へ!
ソフト・マシーン『4th』収録の悶絶オープニング・ナンバー「Teeth」が好き? でしたら、このマイナーなイタリアン・ジャズ・ロック・グループ、きっと気に入ってもらえると思います☆
ハットフィールド&ザ・ノースやキャメルから影響を受けたイタリアの新鋭。
フィル・ミラーとアンディ・ラティマーを足して二で割ったような流麗かつメロディアスなギター、エレピやムーグ・シンセが彩る淡くメロウなアンサンブル。
これは良いなぁ。
イタリアが誇るカンタベリー系のジャズ・ロック・グループ。
00年代に復活し、00年代が誇るアヴァン・ロック・グループのYUGENとジョイントしたライヴを残しています。
冬の星空を眺め、何万光年先へと思いを馳せながらじっくり聴きたい作品。
90年代はじめから活動するイタリアのチェンバー・ロック・グループ、2015年作2nd。
レーベルからのインフォには、カンタベリー・ミュージック、ザッパ『アンクル・ミート』、ピッキオ・ダル・ポッツォ、オパス・アヴァントラ、新鋭のYUGENあたりが好きなら必聴、と記されていますが、確かにその通り。
緻密さと躍動感がバランスしたサウンドが実に気持ちいいです。
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05年に実験的なロックのためのフェスを開催するために設立され、翌06年に、YUGENの作品をリリースし、レーベルとしてもスタートしたイタリアに本拠を置くAltrock Productionsを特集!
オランダのジャズ・ロック・バンドが残した唯一の作品で、これぞ「職人的アンサンブル」と呼ぶべき鮮やかな技巧の応酬が最高に心地よい好盤。ジャズ・ロック好きなら一聴の価値ありですよ〜。
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欧米各国の「ど」がつくマイナープログレを発掘リリースしている注目の新興レーベルPAISLEY PRESS。リリース作品を一挙ご紹介!
淡く幻想的なジャケットに惹かれますが、サウンドはスリリングかつテンションみなぎる最高のジャズ・ロック!
緊張感は終始持続しつつも、どこか絵本の世界のようなファンタジックさがあるのは北欧ならでは。
Jukka Tolonenによるセンス抜群のギターワークのみならず、そのギターと絶妙な呼吸で絡みあうPekka Poyryのサックスも必聴です。
WIGWAMで活躍したベーシスト。77年作にVIRGINよりリリースされた英国盤。
マイク・オールドフィールドの参加が特筆で、フィンランドとイギリスが誇る知性派であり音の魔術師と言える2人の名手が出会った一級の工芸品のような切れ味を感じることができる名品。
ジャケットからはファンタジックなシンフォ作品をイメージしますが、中身はクリムゾンばりの強度とヘヴィネスでスリリングに突っ走るテクニカル・プログレ!
フリオ・キリコばりの超絶ドラミングも聴きものです。永世中立国スイスにこんな強烈でテンション高いバンドがいたとは…。
旧ソ連はエストニアを代表するグループ。
シンセとギターがアグレッシヴかつ荘厳に畳みかけるパートと、フュージョン・タッチの流麗なギターが軽やかに舞うメロディアスなパートとを鮮やかに対比した展開が見事。
辺境っぽさは全く無く、テクニック、アレンジ、メロディ・センスともにかなりのハイ・クオリティ。
エストニアと言えば、素晴らしい新世代グループがいますね!
まさか00年代のエストニアに、ソフト・マシーンやハットフィールドのDNAを継ぐカンタベリーなグループが生まれるとは・・・。硬質さとリリシズム、それを包むエストニアならではの透明感。絶品です。
東欧からも一枚ピックアップいたしましょう!
スラヴ、ハンガリー、ドイツ、そしてロマの文化が交錯した街、スロバキアはブラチスラヴァならではと言える多彩なサウンドが魅力の東欧プログレ/ジャズ・ロック屈指の名作。
ずばりブランドX、リターン・トゥ・フォーエヴァーへの東欧からの回答。
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旧チェコスロバキア(現スロバキア)を代表するプログレ・バンドFERMATAの75年デビュー作『Fermata』をピックアップ!
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70年代より、ユーロ諸国や南米/アジアなどの辺境には、英米の名バンドたちにも負けないハイレベルなプログレ・バンドが数多く存在しました。 今回は、そんな中から東欧は旧チェコスロヴァキアのプログレ・グループたちを一挙ご紹介いたしましょう。
COSのメンバーだったKey奏者とベース奏者によるグループなんですが、ナショナル・ヘルスやギルガメッシュのファンはずばり必聴!
マグマの元メンバーが結成したグループによる78年作。
マグマの熱気にソフト・マシーンのミニマルなクールネスをブレンドした感じ!?
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Christian Vnderを中心に「コバイア」という架空の文化を生み出し、凶暴にして荘厳、エキセントリックなアクの強い作風で70年代を駆け抜けたグループ=MAGMAのフォロワー、いわゆるZEUHL(ズール)系と呼称されるグループをピックアップ!
元マグマであり初期マグマ作もプロデュースしたローラン・チボーがベースで参加がした、仏女性マルチ・プレイヤー/コンポーザーによる74年作。
この当時からかはわかりませんが、実はチボーの奥方なのだそうです。
まるでロバート・ワイアットのソロばりの幻想絵巻で、青空ではなく、淡い曇り空の透徹とした冬空って感じ。
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淡い叙情性だったり、知的な凶暴性だったり、プログレッシヴな感性を持ったジャズ・ロック/アート・ロック作品を世界中からピックアップして紹介いたしましょう。
マグマ〜ザオで活躍したサキソフォン奏者ヨシコ・セファーを中心とするジャズ・ロック・バンド。
ということでマグマ直系なのかと思いきや、セファーのサックスはエルトン・ディーン風の朗々と歌うようなプレイが主だし、ギターの奔放に音数を詰め込むような速弾きはかなりジョン・グッドソールだし、もろパーシー・ジョーンズなベースも随所で炸裂するしで、ソフツやブランドXなどの英ジャズ・ロックを志向した端正なサウンドが新鮮に響きます。まさにシャープでテクニカル!
他のZEUHL系ジャズ・ロック・バンドに見られる凶暴性はあまり感じさせず、ある種ドリーミーとすら言えそうな儚さのあるアンサンブルが特徴。CARPE DIEMなどのファンには是非聴いていただきたい一作。
こ、これはずばり、MAGMA/KING CRIMSONファンに激オススメの超絶技巧暗黒ジャズ・ロック音源!知的かつ凶暴な演奏でスリリングに畳みかけるアンサンブルがカッコよすぎ〜。
1stでは7人でしたが、この2ndでは10人編成となりブラス・セクションを強化。ファンキーなノリの良さと地中海的な芳醇さを併せ持つ絶品サウンドを披露します。猛者ぞろいのフレンチ・ジャズ・ロックにおいて、「心地よさ」では最高峰と言える逸品!
こ、これは「MAGMA+GG」と言っても過言じゃない、暗黒エネルギーと意表を突くアレンジセンスが融合した個性派ジャズ・ロック!仏ジャズ・ロック・シーン、まだまだ奥深し...。
スペインで流麗&テクニカルなグループと言えば、ICEBERGが筆頭格!
レビュワー6人が満点評価!スペインにこれほどのジャズ・ロックを聴かせるグループが居たとは。
特にギタリストのMAX SUNYARの才能、うなるしかありません。
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地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうエレピが絶品〜。
バルセロナのジャズ・ロック・シーンを代表するKey奏者Lucky Guri率いるグループによる75年の大傑作。
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トリプル・ギター編成のバルセロナ産ジャズ/フュージョン・ロック・バンド。76年デビュー作。
たおやかなギター・アルペジオと流麗かつテクニカルなギター・ソロが、時に優美に、時にアグレッシヴに交差する演奏が気持ち良すぎっ!
スペインのキャメル系シンフォとしては、GOTICと双璧と言えるかな。技巧的で洗練されたジャズ/フュージョン・タッチとキャメル的叙情美との豊かな邂逅が聴き所の1stと2ndを収録!
オリジナル・メンバーのKevin Ayers以来のギタリスト、Allan Holdsworthが加入し、『6』『7』と推し進めてきたフュージョン色をより強めた作品。75年作の8thアルバム。Karl JenkinsとMike Ratledgeによる叙情性と浮遊感のあるキーボード・ワーク、そしてその上をテクニカルに疾駆するHolldsworthの流麗なギター。John MarshallのドラムとRoy Babbingtonのベースによるロック的ダイナミズムに溢れたソリッドなリズム隊も特筆もの。圧巻のテクニカル・ジャズ・フュージョン・ロック!Holldsworthの唯一の参加作となった傑作。
デジパック仕様、2枚組、リマスター、DISC2には75年10月11日 のライヴ音源収録!
レーベル管理上、デジパック側面部に折れ線がある場合がございます。ご了承ください。
廃盤、紙ジャケット仕様、Blu-spec CD、12年24bitデジタル・リマスター、ブックレット・内袋付仕様、定価2940
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
エストニアのジャズ・ロック・グループ、2010年の4thアルバム。手数多くシャープでアグレッシヴなリズム隊、流麗なフェンダー・ローズ、たおやかに飛翔するサックス!リズム隊の硬質さとエレピや管楽器のしなやかさとのバランスが絶妙。カンタベリー・ミュージックの遺伝子を受け継ぐ正統派グループ!これは素晴らしい作品です。ジャズ・ロックのファンにはかなりオススメ!痺れますよ。
スイスを代表するプログレ・グループ。77年作の2nd。フリオ・キリコばりのスリリングなドラム、クリムゾンを想わせるサックス&フルートを中心に絶えず畳み掛けるスリリングな展開は、これぞプログレ。リリカルなパートも交えた緩急の構成も見事。アナログのB面すべてを使った大曲「Movin' On」は彼らの魅力がすべて詰まった名曲。必聴盤。
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・グループ。76年作の2nd。1stよりヴォーカリストが脱退。本作以降はすべてインストゥルメンタル作品になります。Voが居なくなったせいか、サウンドは1stのテクニカルな部分を更に押し進めた硬派なテクニカル・ジャズ・ロック。スペインを代表する天才ギタリストMax Sunyerのギターは相変わらず冴え渡っていて、フラメンコや北アフリカ音楽のエッセンスを感じさせるアラビックでエキゾチックな旋律をゴリゴリとアグレッシヴに、なおかつ地中海フレイヴァーいっぱいに爽やかで流れるように弾き倒すフレージングはテクニック、センスともに抜群。そんなMaxのギターにユニゾンであわせるKey奏者、Josep Mas "Kitflus"も特筆で、彼らの高速ユニゾンと白熱したソロの応酬がバンドの最大の持ち味です。そんなマハビシュヌばりのキレ味抜群のテクニックに加え、シンフォニック&スペーシーなシンセによるプログレ・フレイヴァーや、たおやかさや清涼感やエキゾチズムなどの地中海フレイヴァーもあって、色彩豊かなサウンドは世界的にみても屈指のクオリティ。70年代半ばにバルセロナで興ったジャズ・ロック/アヴァン・ロックのムーヴメント『ライエターナ・ミュージック』を代表する作品で、スペインが世界に誇るジャズ/フュージョン・ロック傑作です。
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。
旧ソ連はエストニアを代表するグループ、RUJAとIN SPEのメンバーを中心に結成されたグループ。83年作に81年作のEPをカップリングした2in1CD。シンセとギターがアグレッシヴかつ荘厳に畳みかけるパートと、フュージョン・タッチの流麗なギターが軽やかに舞うメロディアスなパートとを鮮やかに対比した展開が見事。辺境っぽさは全く無く、テクニック、アレンジ、メロディ・センスともにかなりのハイ・クオリティ。YES+HATFIELD & THE NORTHと言うと乱暴ですが、疾走感と繊細さが絶妙に調和された奇跡の傑作。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、デジタル・リマスター、定価2990+税
北欧を代表するギタリスト、JUKKA TOLONENを中心にフィンランドで結成されたグループ。72年作の3rdアルバム。初期はTRAFFICタイプのサウンドでしたが、徐々にジャズの度合いを増し、本作で聴けるのは、ギター、サックス、フルートが次々にスリリングなフレーズで畳み掛けるテンション溢れるジャズ・ロック。テクニック、アレンジ能力ともかなりハイ・レベル。ジャズ・ロックの知られざる傑作でしょう。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】19年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2990+税
19年デジタル・リマスター、ボーナストラック2曲
新品CDにケースやトレー不良があった場合、交換のため開封しております。その場合シールはついておりません。ご了承いただければ幸いです。
1974年に英ブリストルで結成、2人の管楽器奏者を擁する7人組ジャズ・ロック・バンドによる77年の唯一作。このサウンド、ずばり「アルティ・エ・メスティエリ meets カンタベリー・ロック」!手数多くも精密に刻む技巧的なドラミング&ベースが作り出すタイトかつスピーディなリズムに乗って、流れるように快速フレーズを繰り出すギター、ふわりとファンタジックな音色を紡ぐエレピ&シンセ、そして艶のあるしなやかな音色で駆け抜けるフルート&サックスが躍動。アルティばりのスピードとテクニックでひた走るテクニカル・ジャズ・ロックに、カンタベリー風の優雅で芳醇な管楽器群を重ねたこのアンサンブル、ジャズ・ロック然とした強度と、柔らかく軽やかなタッチが見事に一体となっていて、もうとにかく素晴らしすぎます。アルバム後半で聴けるアコースティック・ギターをメインとする地中海的エキゾチズム薫るアンサンブルも極上。こんな大変な傑作がまだイギリスにあったなんて!と驚かずにはいられない逸品です。
イタリアのグループ、81年作。手数多くシャープなドラム、時にリードも取るアグレッシヴなベース、軽快かつ流麗なインタープレイからグルーヴ感溢れるバッキングまで印象的なエレピ&ピアノ、グイグイと引っ張る力強いサックスによるジャズ/フュージョン・ロック。変拍子のキレの良さなど、テクニック抜群。4thあたりのSOFT MACHINEやBRAND Xなどの英ジャズ・ロックをベースに、地中海のヌケの良さを加えたサウンドは、かなりレベル高いです。クロスオーバー寄りのジャズ・ロックが好みの方は必聴のグループ。おすすめです。
COSのメンバーだったKey奏者とベース奏者を中心に、WATERLOOやPAZOPやPLACEBOで活動していたフルート奏者、ギタリスト、ドラムにより結成されたベルギーの5人組ジャズ・ロック・バンド。77年の唯一作。爽やかに柔らかにたゆたうフルートを中心に、優美なエレピ、フィル・ミラー彷彿の繊細なギターが織りなすサウンドは、カンタベリーのナショナル・ヘルスやギルガメッシュに通じている印象。シャープでいてファンキーなグルーヴ感もあるリズム隊も特筆ものです。精緻かつダイナミズムもあるサウンドは、カンタベリー・ミュージックをはじめ、COSやPAZOPなどベルギー・ジャズ・ロックのファンは必聴でしょう。名品です。
アイルランド出身、ギター、キーボード、ベース、ドラムの4人からなるプログレ/ジャズ・ロック・グループ、76年の唯一作。安定感あるリズムと流れるようなタッチのギター&エレピが紡ぐ端正なジャズ・ロックがベースとなっていますが、その音楽性は実に多彩。77年に唯一作を残した美声女性SSW、Rosemarie Taylorをフィーチャーしたカンタベリー・ロックに通じる柔らかくロマンチックな3曲目、GGのケリー・ミネアの作風を思わせる浮遊感あるプログレ・ナンバー、バグパイプ風のキーボードのプレイがカッコいいアイリッシュ風味香るテクニカル・ジャズ・ロックなど、バラエティに富みつつもどの曲も緻密に組み上げられた手工芸品のような完成度を誇っており実に素晴らしいです。ラストは初期GGのアルバムに入っていてもおかしくないほどの凝りに凝った展開とコーラスに彩られたナンバーでハイライトの一つ。底知れぬ技巧と捻りあるユニークな音楽センスを備えたグループによる名盤です。
オランダ出身のジャズ・ロック・バンドが74年にリリースした唯一のアルバム。寸分も狂いなく刻む鋭い打音のドラムス、メロディアスな音運びのベース、ヤン・ハマーを思わせるピッチベンドを多用した躍動感あるプレイのシンセとエレピ、スリリングで緊張感あるフレーズで切り込むギター。緊密なテンションが支配するテクニカル・ジャズ・ロックを聴かせる、挨拶代わりの一曲目でその実力がわかります。以降はファンキーな跳ねるリズムも入ったフュージョン風ジャズ・ロックとなり、一曲目に比べてリラックスしているようでいて、どこか緊張感を持続させた油断ならない演奏がまた堪りません。基本的にインストですが、ムーディーなフュージョン曲で突如歌い出すリチャード・シンクレアみたいなヴォーカルも印象的。これぞ「職人的アンサンブル」と呼ぶべき鮮やかな技巧の応酬がただただ心地よい好盤。ジャズ・ロック好きなら一聴の価値あり!
知られざる英ジャズ・ロック・グループが83年に残した唯一のアルバム。何と言っても主役を張るエッジの効いたヘヴィなギターが抜群にカッコいい、硬質でアグレッシヴなジャズ・ロックが炸裂。終始スリリングに動き回るテクニカルなギタープレイは、Peter Banksあたりに近い印象。そんなギターに応じるキーボードも実力派で、時にギターとソロを戦わせるオルガン、空間を広げるように幻想的に鳴らすシンセなど活躍します。パーカッションも多用しながら忙しなく刻むリズム・セクションもなかなか個性的。存在感抜群のギターを軸に畳みかける、攻めのジャズ・ロック快作!
MAGMA〜ZAOのサックス奏者ヨシコ・セファーが同じくZAOのベーシストJoel DugrenotやキーボーディストJean-Louis Bucchiらと結成したプロジェクト、74年作1st。本作はMAGMA影響下のサウンドを聴かせる所謂ズール系ジャズ・ロックとはやや毛色が異なり、フリージャズ色はあるものの中期SOFT MACHINEやBRAND Xなど英国ジャズ・ロックに接近したサウンドを聴かせるのが特徴です。セファーのサックスもエルトン・ディーンを思わせる朗々とした歌うようなプレイが印象的だし、ギターの奔放なフレージングセンスや音数を詰め込むような速弾きはかなりジョン・グッドソール的だし、ベースは曲によってはもろパーシー・ジョーンズだったりと、アンサンブルの端々に英国ジャズ・ロック的な流儀が感じ取れるのが本作の面白み。しかしフレンチ・ジャズ・ロック・シーンの猛者たちだけあって隙のないサウンドに仕上がっているのはやはり流石と言うべきでしょう。フレンチ・ジャズ・ロックとしては異色ながら、英国ジャズ・ロックの名盤たちと同列に聴かれるべきクオリティを持った好盤です。
WIGWAMで活躍したベーシスト。77年作にVIRGINよりリリースされた英国盤が復刻。本国リリース盤のタイトルは『KEESOJEN LEHTO』。Mike Oldfield、Sally Oldfield、Pierre Moerlenなどが参加。MikeのギターはPekkaの作風にばっちりはまっていて、知性溢れるイマジネーション豊かなフレーズが精緻に組み上がったアンサンブルからは、一級の工芸品のような切れ味を感じることができます。クールかつスリリングなサウンドは、北欧ジャズ・ロック/プログレッシヴ・ロックの最高峰と言っても過言ではありません。名作。
フランス出身、80年代末〜90年代にチェンバー/シンフォ・バンドTIEMKOで活躍するドラマー/コンポーザーが80年に残したソロ唯一作。マイナーながら、これはジャズ・ロック・ファン要チェック!息つく暇も与えず畳みかける緊張感みなぎるドラミングと手数多く躍動するベースが牽引し、ギターとオルガンが切れ味鋭いフレーズを応酬させ、その周囲をシンセが不気味に浮遊する、タイトな疾走感と不穏さを併せ持つアンサンブルはかなり個性的。1曲目や5曲目の執拗な反復で熱気たっぷりにまくしたてる展開は間違いなくMAGMAを受け継ぐZEUHLの系譜だし、かと思うと不気味なトーンのシンセがクラシックを独奏したりと変幻自在。この摩訶不思議なセンスはさすが孤高のバンドTIEMKOのコンポーザーなだけあります。まるでMAGMAの暗黒エネルギーとGENTLE GIANTの意表を突く楽曲展開を合体させたと言っても過言ではない、アヴァン・ジャズ・ロックの傑作!
ユーロを後にアメリカへ!アメリカにもこんな作品があるんですね〜。
帝王マイルスにも影響を与えたジャズ・ピアニストの73年作。
スピリチュアル・ジャズだった前作とは打って変わり、フェンダーローズを駆使した極上のメロウ・サウンドを展開します。
このフェンダーローズのプレイ、叙情派プログレ・ファンにもオススメ!?
アメリカの老舗バンドによる貫禄の14th。ザッパ、サムラ、カンタベリー・ロックなどの影響を取り込みつつ、独自のユーモラスなタッチも添えて痛快なフュージョン/アヴァン・プログレに仕立て上げた傑作!
ピーター・ガブリエルやジョン・アンダーソンやスタンリー・クラークやビリー・コブハムらのサポートでも知られるアメリカ出身の名キーボーディスト兼ギタリスト。76年作の2nd。
スリリングなムーグ・シンセ、外連味たっぷりなハモンド・オルガン、格調高くもテンションいっぱいのピアノなど、キーボードがこれでもかと躍動する米フュージョン/プログレの傑作!
これ本当に米国産?まるでユーロ・ジャズ・ロック!
炸裂するジョン・マクラフリンばりの硬質なギターを中心にエキセントリックに疾走するジャズ/フュージョン・ロック!
このテンション凄まじい・・・。
新鋭も一枚ピックアップいたしましょう。
カリフォルニアの新鋭ジャズ・ロック/プログレ・グループ、2012年作。
このオープニング・ナンバー、気持いいなぁ。
カンタベリーやレコメンを軸に、ポスト・ロックの浮遊感やヌケの良さを加えたサウンドは実に痛快!
シャープかつ軽快に駆け抜けるリズム隊を土台に、ギター、エレピ、管楽器が流麗かつテクニカルなフレーズを交差!
流麗かつキレ味鋭いケベック産ジャズ・ロック名作。
最後の地は南米!南米のプログレ大国アルゼンチンには良いジャズ・ロックもいるんですよ☆
滑らかなフュージョン・タッチに、ボサノヴァなどの南米らしいメロウなエッセンスを絶妙に溶かし込んだサウンドが最高の心地いい!80年代初頭のアルゼンチンにこんな素敵な作品が生まれていたとは。
陽気なサルサ風ジャズ・ロックで幕を開けたかと思うと、2曲目はマハヴィシュヌ直系の硬質で緊張感ある演奏を聴かせて、まるで別バンド。これは南米ジャズ・ロックの隠れ好盤ですね。
数々のアルゼンチン・ロック作品に名演を残す、同国屈指のバンドネオン奏者による77年ライヴを収録!情熱と優雅さを兼ね備えたテクニカルなタンゴ・ジャズ・ロックに痺れます。ESPIRITUのオリジナルメンバーGustavo Fedelのピアノにも注目!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
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メインストリームを奪われたジャズ側からのロックへの回答がフュージョン。そこへの、さらなるロック側からの回答を「フュージョン・ロック」と位置づけ特集!
オリジナル・メンバーのKevin Ayers以来のギタリスト、Allan Holdsworthが加入し、『6』『7』と推し進めてきたフュージョン色をより強めた作品。75年作の8thアルバム。Karl JenkinsとMike Ratledgeによる叙情性と浮遊感のあるキーボード・ワーク、そしてその上をテクニカルに疾駆するHolldsworthの流麗なギター。John MarshallのドラムとRoy Babbingtonのベースによるロック的ダイナミズムに溢れたソリッドなリズム隊も特筆もの。圧巻のテクニカル・ジャズ・フュージョン・ロック!Holldsworthの唯一の参加作となった傑作。
デジパック仕様、2枚組、リマスター、DISC2には75年10月11日 のライヴ音源収録!
レーベル管理上、デジパック側面部に折れ線がある場合がございます。ご了承ください。
廃盤、紙ジャケット仕様、Blu-spec CD、12年24bitデジタル・リマスター、ブックレット・内袋付仕様、定価2940
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
エストニアのジャズ・ロック・グループ、2010年の4thアルバム。手数多くシャープでアグレッシヴなリズム隊、流麗なフェンダー・ローズ、たおやかに飛翔するサックス!リズム隊の硬質さとエレピや管楽器のしなやかさとのバランスが絶妙。カンタベリー・ミュージックの遺伝子を受け継ぐ正統派グループ!これは素晴らしい作品です。ジャズ・ロックのファンにはかなりオススメ!痺れますよ。
スイスを代表するプログレ・グループ。77年作の2nd。フリオ・キリコばりのスリリングなドラム、クリムゾンを想わせるサックス&フルートを中心に絶えず畳み掛けるスリリングな展開は、これぞプログレ。リリカルなパートも交えた緩急の構成も見事。アナログのB面すべてを使った大曲「Movin' On」は彼らの魅力がすべて詰まった名曲。必聴盤。
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・グループ。76年作の2nd。1stよりヴォーカリストが脱退。本作以降はすべてインストゥルメンタル作品になります。Voが居なくなったせいか、サウンドは1stのテクニカルな部分を更に押し進めた硬派なテクニカル・ジャズ・ロック。スペインを代表する天才ギタリストMax Sunyerのギターは相変わらず冴え渡っていて、フラメンコや北アフリカ音楽のエッセンスを感じさせるアラビックでエキゾチックな旋律をゴリゴリとアグレッシヴに、なおかつ地中海フレイヴァーいっぱいに爽やかで流れるように弾き倒すフレージングはテクニック、センスともに抜群。そんなMaxのギターにユニゾンであわせるKey奏者、Josep Mas "Kitflus"も特筆で、彼らの高速ユニゾンと白熱したソロの応酬がバンドの最大の持ち味です。そんなマハビシュヌばりのキレ味抜群のテクニックに加え、シンフォニック&スペーシーなシンセによるプログレ・フレイヴァーや、たおやかさや清涼感やエキゾチズムなどの地中海フレイヴァーもあって、色彩豊かなサウンドは世界的にみても屈指のクオリティ。70年代半ばにバルセロナで興ったジャズ・ロック/アヴァン・ロックのムーヴメント『ライエターナ・ミュージック』を代表する作品で、スペインが世界に誇るジャズ/フュージョン・ロック傑作です。
スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。
旧ソ連はエストニアを代表するグループ、RUJAとIN SPEのメンバーを中心に結成されたグループ。83年作に81年作のEPをカップリングした2in1CD。シンセとギターがアグレッシヴかつ荘厳に畳みかけるパートと、フュージョン・タッチの流麗なギターが軽やかに舞うメロディアスなパートとを鮮やかに対比した展開が見事。辺境っぽさは全く無く、テクニック、アレンジ、メロディ・センスともにかなりのハイ・クオリティ。YES+HATFIELD & THE NORTHと言うと乱暴ですが、疾走感と繊細さが絶妙に調和された奇跡の傑作。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】デジパック仕様、デジタル・リマスター、定価2990+税
カナダはケベックのジャズ・ロック・グループ。78年作1stと81年作2ndとをカップリングした2in1CD。シャープでテクニカルなドラムと手数多くハイ・ポジションで動きまくるベースとによるキレ味鋭いリズム隊を土台に、ギター、エレピ、管楽器が流麗かつテクニカルなフレーズを交差させる。ファンタスティックな柔らかさと圧倒的なテクニックとによるサウンドは、かなりの完成度。これは素晴らしいグループです。ジャズ・ロックのファンは間違いなく気に入る名グループ。オススメです!
北欧を代表するギタリスト、JUKKA TOLONENを中心にフィンランドで結成されたグループ。72年作の3rdアルバム。初期はTRAFFICタイプのサウンドでしたが、徐々にジャズの度合いを増し、本作で聴けるのは、ギター、サックス、フルートが次々にスリリングなフレーズで畳み掛けるテンション溢れるジャズ・ロック。テクニック、アレンジ能力ともかなりハイ・レベル。ジャズ・ロックの知られざる傑作でしょう。
【カケレコ国内盤(直輸入盤帯・解説付仕様)】19年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、定価2990+税
19年デジタル・リマスター、ボーナストラック2曲
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1974年に英ブリストルで結成、2人の管楽器奏者を擁する7人組ジャズ・ロック・バンドによる77年の唯一作。このサウンド、ずばり「アルティ・エ・メスティエリ meets カンタベリー・ロック」!手数多くも精密に刻む技巧的なドラミング&ベースが作り出すタイトかつスピーディなリズムに乗って、流れるように快速フレーズを繰り出すギター、ふわりとファンタジックな音色を紡ぐエレピ&シンセ、そして艶のあるしなやかな音色で駆け抜けるフルート&サックスが躍動。アルティばりのスピードとテクニックでひた走るテクニカル・ジャズ・ロックに、カンタベリー風の優雅で芳醇な管楽器群を重ねたこのアンサンブル、ジャズ・ロック然とした強度と、柔らかく軽やかなタッチが見事に一体となっていて、もうとにかく素晴らしすぎます。アルバム後半で聴けるアコースティック・ギターをメインとする地中海的エキゾチズム薫るアンサンブルも極上。こんな大変な傑作がまだイギリスにあったなんて!と驚かずにはいられない逸品です。
イタリアのグループ、81年作。手数多くシャープなドラム、時にリードも取るアグレッシヴなベース、軽快かつ流麗なインタープレイからグルーヴ感溢れるバッキングまで印象的なエレピ&ピアノ、グイグイと引っ張る力強いサックスによるジャズ/フュージョン・ロック。変拍子のキレの良さなど、テクニック抜群。4thあたりのSOFT MACHINEやBRAND Xなどの英ジャズ・ロックをベースに、地中海のヌケの良さを加えたサウンドは、かなりレベル高いです。クロスオーバー寄りのジャズ・ロックが好みの方は必聴のグループ。おすすめです。
COSのメンバーだったKey奏者とベース奏者を中心に、WATERLOOやPAZOPやPLACEBOで活動していたフルート奏者、ギタリスト、ドラムにより結成されたベルギーの5人組ジャズ・ロック・バンド。77年の唯一作。爽やかに柔らかにたゆたうフルートを中心に、優美なエレピ、フィル・ミラー彷彿の繊細なギターが織りなすサウンドは、カンタベリーのナショナル・ヘルスやギルガメッシュに通じている印象。シャープでいてファンキーなグルーヴ感もあるリズム隊も特筆ものです。精緻かつダイナミズムもあるサウンドは、カンタベリー・ミュージックをはじめ、COSやPAZOPなどベルギー・ジャズ・ロックのファンは必聴でしょう。名品です。
アイルランド出身、ギター、キーボード、ベース、ドラムの4人からなるプログレ/ジャズ・ロック・グループ、76年の唯一作。安定感あるリズムと流れるようなタッチのギター&エレピが紡ぐ端正なジャズ・ロックがベースとなっていますが、その音楽性は実に多彩。77年に唯一作を残した美声女性SSW、Rosemarie Taylorをフィーチャーしたカンタベリー・ロックに通じる柔らかくロマンチックな3曲目、GGのケリー・ミネアの作風を思わせる浮遊感あるプログレ・ナンバー、バグパイプ風のキーボードのプレイがカッコいいアイリッシュ風味香るテクニカル・ジャズ・ロックなど、バラエティに富みつつもどの曲も緻密に組み上げられた手工芸品のような完成度を誇っており実に素晴らしいです。ラストは初期GGのアルバムに入っていてもおかしくないほどの凝りに凝った展開とコーラスに彩られたナンバーでハイライトの一つ。底知れぬ技巧と捻りあるユニークな音楽センスを備えたグループによる名盤です。
オランダ出身のジャズ・ロック・バンドが74年にリリースした唯一のアルバム。寸分も狂いなく刻む鋭い打音のドラムス、メロディアスな音運びのベース、ヤン・ハマーを思わせるピッチベンドを多用した躍動感あるプレイのシンセとエレピ、スリリングで緊張感あるフレーズで切り込むギター。緊密なテンションが支配するテクニカル・ジャズ・ロックを聴かせる、挨拶代わりの一曲目でその実力がわかります。以降はファンキーな跳ねるリズムも入ったフュージョン風ジャズ・ロックとなり、一曲目に比べてリラックスしているようでいて、どこか緊張感を持続させた油断ならない演奏がまた堪りません。基本的にインストですが、ムーディーなフュージョン曲で突如歌い出すリチャード・シンクレアみたいなヴォーカルも印象的。これぞ「職人的アンサンブル」と呼ぶべき鮮やかな技巧の応酬がただただ心地よい好盤。ジャズ・ロック好きなら一聴の価値あり!
カリフォルニアの新鋭ジャズ・ロック/プログレ・グループ、2012年作。オープニング・ナンバーの気持ちよさときたら!たゆたうようなカンタベリー・フレイヴァーな女性ヴォーカル、そのバックで軽快にリズムを刻むエレクトリック・ギター、ダンサンブルと言えるようなリズム隊。そんな気持ち良いサウンドにサックスが強烈なブローをお見舞いし、ゴングばりの変態ジャズ・ロックへと突入。カンタベリーやレコメンを軸に、ポスト・ロックの浮遊感やヌケの良さを加えたサウンドは実に痛快!小山田圭吾がギターで参加した最近のYMOに、70年代当時のハットフィールドのメンバーが飛び入り参加!と言えば、この素晴らしさが伝わるでしょうか。これは、名作!
知られざる英ジャズ・ロック・グループが83年に残した唯一のアルバム。何と言っても主役を張るエッジの効いたヘヴィなギターが抜群にカッコいい、硬質でアグレッシヴなジャズ・ロックが炸裂。終始スリリングに動き回るテクニカルなギタープレイは、Peter Banksあたりに近い印象。そんなギターに応じるキーボードも実力派で、時にギターとソロを戦わせるオルガン、空間を広げるように幻想的に鳴らすシンセなど活躍します。パーカッションも多用しながら忙しなく刻むリズム・セクションもなかなか個性的。存在感抜群のギターを軸に畳みかける、攻めのジャズ・ロック快作!
MAGMA〜ZAOのサックス奏者ヨシコ・セファーが同じくZAOのベーシストJoel DugrenotやキーボーディストJean-Louis Bucchiらと結成したプロジェクト、74年作1st。本作はMAGMA影響下のサウンドを聴かせる所謂ズール系ジャズ・ロックとはやや毛色が異なり、フリージャズ色はあるものの中期SOFT MACHINEやBRAND Xなど英国ジャズ・ロックに接近したサウンドを聴かせるのが特徴です。セファーのサックスもエルトン・ディーンを思わせる朗々とした歌うようなプレイが印象的だし、ギターの奔放なフレージングセンスや音数を詰め込むような速弾きはかなりジョン・グッドソール的だし、ベースは曲によってはもろパーシー・ジョーンズだったりと、アンサンブルの端々に英国ジャズ・ロック的な流儀が感じ取れるのが本作の面白み。しかしフレンチ・ジャズ・ロック・シーンの猛者たちだけあって隙のないサウンドに仕上がっているのはやはり流石と言うべきでしょう。フレンチ・ジャズ・ロックとしては異色ながら、英国ジャズ・ロックの名盤たちと同列に聴かれるべきクオリティを持った好盤です。
WIGWAMで活躍したベーシスト。77年作にVIRGINよりリリースされた英国盤が復刻。本国リリース盤のタイトルは『KEESOJEN LEHTO』。Mike Oldfield、Sally Oldfield、Pierre Moerlenなどが参加。MikeのギターはPekkaの作風にばっちりはまっていて、知性溢れるイマジネーション豊かなフレーズが精緻に組み上がったアンサンブルからは、一級の工芸品のような切れ味を感じることができます。クールかつスリリングなサウンドは、北欧ジャズ・ロック/プログレッシヴ・ロックの最高峰と言っても過言ではありません。名作。
フランス出身、80年代末〜90年代にチェンバー/シンフォ・バンドTIEMKOで活躍するドラマー/コンポーザーが80年に残したソロ唯一作。マイナーながら、これはジャズ・ロック・ファン要チェック!息つく暇も与えず畳みかける緊張感みなぎるドラミングと手数多く躍動するベースが牽引し、ギターとオルガンが切れ味鋭いフレーズを応酬させ、その周囲をシンセが不気味に浮遊する、タイトな疾走感と不穏さを併せ持つアンサンブルはかなり個性的。1曲目や5曲目の執拗な反復で熱気たっぷりにまくしたてる展開は間違いなくMAGMAを受け継ぐZEUHLの系譜だし、かと思うと不気味なトーンのシンセがクラシックを独奏したりと変幻自在。この摩訶不思議なセンスはさすが孤高のバンドTIEMKOのコンポーザーなだけあります。まるでMAGMAの暗黒エネルギーとGENTLE GIANTの意表を突く楽曲展開を合体させたと言っても過言ではない、アヴァン・ジャズ・ロックの傑作!
前作72年作『Outertimeinnerspace』でのスピリチュアル・ジャズとは打って変わり、今作ではフェンダーローズを駆使した極上のメロウ・サウンドが展開されております。全編に渡り、いぶし銀なJamil Nasserの歌心にあふれたベースライン、多幸感に満ちたメロディを紡ぐJamalのフェンダーローズが、意外にも叙情派プログレファンも気に入るかも?Ray Crawfordのねばっこいカッティングと流麗なオーケストラ・アレンジを加えた、スティービー・ワンダーのカバー「Superstition」は、ジャズ・ファンク、ソウル・ジャズリスナー以外にも聴いていただきたい名演です!
84年の結成以降、バンド創始者であるベーシストのMike Saryを中核に活動する米テクニカル・アヴァン・プログレの名バンドによる2021年作14th。16年作への初参加から4作目となるジャパニーズ・プログレTEEのギタリスト米田克己、17年作より参加する米ジャズ・ロック・バンドVOLAREのキーボーディストPatrick Strawser、00年代の作品でもプレイしたドラマーJeff Gard、そして御大Mike Saryという4人編成を基本に制作。変拍子を自在に交えテンポチェンジを繰り返す複雑なリズムワークを土台に、メロディアスで浮遊感あるフレージングにただならぬ緊張感が潜むギター、つややかなトーンでカンタベリーチックな優雅さをもたらすシンセが躍動する、今作もまったく一筋縄ではいかないアンサンブルが炸裂しています。随所でスリリングに切り込んでくるゲスト奏者のサックス、ヴァイオリンも効果的。とにかく少しも一所に留まっていない目まぐるしく変化していく緻密かつ大胆不敵なサウンドに終始翻弄されます。FRANK ZAPPA、SAMLA MAMMAS MANNA、カンタベリー・ロックなどの影響を取り込みつつ、独自のユーモラスなタッチも添えて痛快なフュージョン/アヴァン・プログレに仕立て上げた一枚です。バンドによる自信作とのコメントも大いに納得の快作!
アルゼンチン出身のジャズ・ロック・グループによる80年作1stと81年作2ndを収録。両作ともフュージョン・タッチの滑らかなアンサンブルが心地よいメロウなジャズ・ロックが持ち味。ボサノヴァ的な洒脱さも纏い細かく刻む小気味よいリズムに乗って、サックスとシンセサイザーがきらびやかでファンタジックなプレイで駆けるアンサンブルは、とにかく明るく開放感に満ちていて思わずウキウキしてきます。繊細なヴォーカルが入るナンバーで立ち込める南米らしいメロウな幻想性も、全体の明るいサウンドと美しい対比を成しており見事です。2作とも、伸びやかなフュージョン・タッチに南米らしいエッセンスを絶妙に溶かし込んだ名品となっています。
盤質:傷あり
状態:良好