プログレの大きな魅力の一つと言えるのが、愛すべき鍵盤楽器「メロトロン」。時に荘厳に、時に寂寥感とともに鳴り響くメロトロン・サウンドが、まるで舞台効果のように楽曲に空間的な奥行きをもたらすことで、プログレッシヴ・ロックならではの壮大なる「ドラマ」が鮮やかに演出されました。
90年代に入り、アネクドテンが往年のプログレ・バンドのDNAを継いだ轟々たるメロトロン・サウンドでプログレ新時代の幕を開けましたが、00年代に入り、70年代のグループはもちろん、アネクドテンなど第二世代のグループからも影響を受けたメロトロン・サウンド溢れるプログレ・グループが数多く生まれております。
ここでは、そんな00年代以降のメロトロン名盤をピックアップいたします。現代的なクリアな音像に淡いベールをかけるようにメロトロンが鳴り響く作品たちをどうぞお楽しみください。
12年作が優美さと躍動感が加わった傑作でしたが、メロトロンの活躍度においては断然前作に当たる09年作!ANGLAGARDを受け継ぐ硬質なトーンのメロトロンが全編吹き荒れる轟音ヘヴィ・シンフォに圧倒されます・・・。
たおやかなアコギをバックにフルートがリリカルに舞い、溢れんばかりにメロトロンが鳴らされる!極めつけは、美声の女性ヴォーカル!ファンタスティックなシンフォニック・ロックとして一級品と言える、ハンガリーの新鋭による06年デビュー作。ずばり傑作!
00年代の英国プログレ・シーンを牽引する名バンドによる04年作4th。メロトロンをはじめとするヴィンテージ・キーボードが彩るファンタスティックなアンサンブルと英国らしい叙情美に富んだポップなメロディが魅力的。
メロトロン、ソリーナ、ローズ、ハモンドなど、ヴィンテージ・キーボードがこれでもかと溢れるファンタスティックなフランス新鋭!なんと、あのアトールの名ヴォーカル、アンドレ・バルザーもゲスト参加した2014年快作!
溢れんばかりのメロトロンと優美なメロディを奏でるムーグ・シンセ!ここぞでは、ギターが轟いて狂おしいハード・シンフォを聴かせるし、これはジェネシスやクリムゾンのファンは必聴のスイスの新鋭による2014年作。
うさぎのジャケがファンタスティック〜。音も70年代プログレへのオマージュや北欧新鋭とのリンクも感じさせるシンフォニック・ロック。なに?2011年作の日本の新鋭だって?
まるでナショナルヘルス+クリムゾンと言える、エレガントかつテンションみなぎるアヴァン・プログレを聴かせるフランスの注目バンド。大胆に主旋律を奏でるメロトロンの痛快なこと!先の読めないアーティスティックな展開の連続に、とにかく聴いていてワクワクが止まりません〜。
陽光溢れるファンタスティックな1stも名作でしたが、SUBMARINE SILENCEのKey奏者が全面参加したこの2ndは、そこにジェネシスのオマージュが散りばめられていて最高の幻想プログレに仕上がっております。メロトロンやハモンド・オルガンもあふれんばかり。
英新鋭の中でもイギリスらしい格調高さを最も感じさせるグループの一つがWILLOWGLASS。抜けるようにクリアなトーンのシンセと優雅なヴァイオリン、そして柔らかな幻想美を演出するメロトロン・・・極上ですね。
ポスト・ロック以降のモダンなセンスと70年代プログレのDNAを受け継いだメロトロン・サウンドが見事に組み合わさったスタイリッシュ&ハイブリッドなシンフォニック・ロックを聴かせるスウェーデン新鋭の名グループ。充実の2013年作6th。
PFMからCELESTEまでを宿す香り高く豊潤なイタリア叙情に、MOON SAFARIの爽やかなポップフィーリングを加えたような感じ。イタリアの新鋭プログレ・バンド、2013年デビュー作。これはオススメです。
まるでCELESTEを彷彿させるクラシカルかつ優美なメロトロン!そして極めつけは、切々と胸を締め付けるようなセンチメンタルなヴォーカル!マイナーですが、メロディ・センスは90年代以降の伊プログレ・グループ屈指。
2015年のデビュー作で、完成度の高いアヴァン・プログレを披露した注目のフランス新鋭による、待望の18年作2nd!まるでナショナル・ヘルスとキング・クリムゾンを融合させたような、エレガントかつテンションみなぎるアヴァン・プログレは本作でも健在!緩急自在のシャープで俊敏なリズム・セクションを土台に、ナショナル・ヘルスにおけるデイヴ・スチュワートを思わせるメロディアスで理知的な音運びのオルガンと大胆に主旋律を奏でるメロトロンを中心とするキーボード、そしてナイフのような鋭いトーンで空間を切り開くフリップ直系のギターが、緻密にフレーズを重ね合い織り上げていくサウンドは、芳醇にしてどこまでもスリリング。緊張感あるギターとオルガンの掛け合いの中でメロトロンが不穏に浮き沈みする切迫感あるパートから、ピアノとコルネットが妖しく舞い踊るパート、そしてメロトロンが堰を切ったように溢れ出すパートへ。次々と場面が移り変わっていく、フランスらしい先の読めないアーティスティックな展開の連続に、とにかく聴いていてワクワクが止まりません。何というアイデアの豊富さ。これはクリムゾン・ファン、カンタベリー・ロック・ファンなら是非ともお試しいただきたいサウンド。カケレコメンド!
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
70年代の英プログレへの憧憬に満ちた07年のデビュー作『Loneliness』が高く評価され、カンサスのオープニング・アクトにも起用されたスイスの実力派新鋭グループによる14年作2nd。溢れ出るメロトロンをバックに柔らかなメロディを奏でるムーグ・シンセ、そして、北欧に通じる透明感や哀感に満ちた中性的なハイ・トーンのヴォーカルと幻想的なメロディ。ジェネシスやキャメル由来のファンタスティックなアンサンブルを軸に、ここぞでは、ギターがエッジの立ったリズムで畳み掛け、リズム隊も力強く疾走し、キング・クリムゾン『レッド』や初期アネクドテンを彷彿させるような狂おしいハード・シンフォを聴かせます。パルサーやカルプ・ディアンなどフレンチ・シンフォに通じる浮遊感やクールな叙情美もまた印象的。デビュー作に続いて、往年のプログレ/シンフォニック・ロックのファンは必聴と言える名作です!
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯有
若干カビあり
ヴィンテージ・キーボードやエレクトリック・ブズーキを操るマルチインストゥルメント奏者、MOTISことEmmanuel Tissot率いるグループ。2014年作6th。ANGE直系のシアトリカルなシンフォニック・ロックを軸に、MALICORNEに通じるフレンチ・トラッドのフレイヴァーが香るサウンドが持ち味。とにかくメロトロンM400やソリーナやローズやハモンドなどヴィンテージ・キーボードがこれでもかとフィーチャーされていて、特にメロトロンが大活躍!幻想的に溢れるメロトロンをバックにリリカルに紡がれるハモンド、そして、スティーヴ・ハケットを彷彿させる格調高いマンドリンやブズーキが織り成すファンタスティックなアンサンブルは、ジェネシス〜アンジェあたりのファンはたまらないでしょう。MOTISによるフランス印象派絵画のように柔らかで親しみやすいハイ・トーンのヴォーカルとフックあるメロディも特筆。なんと、アトールの名ヴォーカリスト、アンドレ・バルザーがゲスト参加し、1曲でヴォーカルを担当。この曲がまた素晴らしい!アナログ的な温かなサウンドプロダクションも印象的で、70年代の発掘作品と言っても分からないでしょう。これはシンフォニック・ロックのファンは必聴の快作!
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
ケースツメ跡あり
英国はヨークシャー在住のマルチ・インストゥルメンタル奏者Andrew Marshallによるプロジェクト。2013年作3rd。きらびやかなアコギやどこまでもクリアに広がっていくようなシンセの音色がひたすら美しいシンフォニック・ロックが印象的。そうかと思うと、タイトなリズムセクションに乗って艶のあるシンセとレトロな音色のオルガンがダイナミック疾走する「動」のパート、哀愁を湛えたフルートや気品高くもどこか陰鬱に響くヴァイオリンが彩る「静」のパートなど、英国らしい端正な音使いのアンサンブルが繰り広げられます。そして、ここぞというところで溢れ出すメロトロンに、わかっていても悶絶。中世英国の気品溢れる世界観を想起させる絶品シンフォニック・ロック。これは傑作です。
ノルウェーのへヴィーシンフォニックロックバンドの09年2nd。デビュー作ではANGLAGARD、ANEKDOTENの流れを汲みながら徹底した懐古プログレサウンドを作り上げましたが、本作でも基本的な路線は変わらず、北欧ならではの暗鬱な冷たいサウンドメイクを追求しています。このバンドの特徴は、何と言っても大袈裟にメロトロンを取り入れたキーボードサウンドですが、前作以上にメロトロン、そしてソリーナをはじめとする各種ヴィンテージキーボードの使用が顕著であり、加えてリコーダーによるエキゾチックなスパイス、北欧の暗さに深みを与えるフルートなど、ポイントを押さえたサウンドメイクが光ります。また、雰囲気モノの懐古サウンド、といった趣が強かった前作から飛躍的にフレーズやメロディーメイクのセンスが向上していることが大きな成長であり、童謡のようなメロディーとへヴィーなギター、そしてメロトロンが有機的な結びつきを見せ、まさに90年代北欧プログレの名盤を生み出したANGLAGARDの後継者と呼ぶにふさわしいバンドに姿を変えたと言えるでしょう。15分前後の大曲2曲も含めメロトロンの壮絶な暗黒性と冷徹な響きに酔いしれる強力作であり、北欧プログレファンはマストな1枚。
ペーパーケース仕様
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
軽微な糊はがれあり