カンタベリー・サウンドを特徴づける最大の楽器と言っても過言ではないのが、このファズ・オルガン。本来は、エレクトリック・ギターの音色を歪ませる為に生まれたエフェクターであるこのファズを、オルガンに使用してくすんだ淡い色調を想起させる、カンタベリー特有のサウンドを多用した彼等。DAVE STEWART(EGG、HATFIELD AND THE NORTH、GONG、NATIONAL HEALTH)、DAVE SINCLAIR(WILDE FLOWERS、CARAVAN、HATFIELD AND THE NORTH、CAMEL)、MIKE RATLEDGE(SOFT MACHINE)の三傑は、このファズ・オルガンを好んで使用しカンタベリーを象徴させる楽器となりました。RICHARD SINCLAIR等、カンタベリーなジェントル・ヴォイスとの相性も良く、ジャズ的インプロヴゼーションの展開の中にあっては、それらを支える通奏低音的役割を担い、楽曲に安定感を与える役割も果たしています。
ハットフィールドの楽曲。アルバム・ジャケットの淡い人肌の人物画が空を覆う、この色調のくすんだ色合いこそ、DAVE STEWARTのファズ・オルガンが表現する屈折した審美的音世界!
CARAVAN『グレイとピンクの地』より。どこかオリエンタリズムをも感じさせるDAVE SINCLAIRのファズ・オルガンの白昼の夢物語のようなサウンドが楽しめるのがこの22分の組曲。癖になる淡く快い音色。
ソフツ『7』より「NETTLE BED」。SOFT MACHINEのオリジナル・メンバーである彼のファズ・オルガンが一際炸裂しているのがこの曲。ファズ・ベースとの16分の15拍子ユニゾン・リフをご堪能あれ!
SOFT MACHINEと同じWILDE FLOWERSを母体にRichard Sinclairらによって結成されたグループであり、カンタベリー・ジャズ・ロックシーンを代表するグループの71年3rd。彼らの代表作との評価も高いその内容は、淡いサイケデリック・ロックの質感と、Richard Sinclairの甘く響くボーカル、Dave Sinclairの各種キーボードによるマイルドなアンサンブルが上質に響くカンタベリー・シーン屈指の名盤であり、英国然とした湿り気を帯びた雰囲気とSOFT MACHINEよりもポップ且つメロディアスな音楽性が素晴らしい1枚。20分超の大作も採用し、プログレッシブ・ロックならではのスリリングなインタープレイを見せ付けながらも、やはりナイーブでセンチメンタルな叙情に溢れた傑作です。
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
カビあり、色褪せあり
元CARAVANのRichard SinclairとSteve Miller、元MATCHING MOLEのPhil Miller、後にNATIONAL HEALTHで活躍するPip Pyleにより結成され、Steve Millerが脱退、KHANを経たDave Stewartが参加したカンタベリー・ジャズ・ロックバンドの代表格の74年デビュー作。HENRY COWのJeff ReighやRobert Wyattも参加した本作は、メンバーの確かな技巧に裏打ちされた複雑な楽曲構成や、変拍子を用いたテクニカルなインタープレイを持ちつつも、カンタベリー独特の質感、メロディーの味わい、ポップ・センス、ユーモアを散りばめた極上のファンタジアを描く傑作です。
04年デジタル・リマスター、定価1785
盤質: | 無傷or小傷 | 傷あり | 全面に多数傷
状態: | 良好 | 並(経年) | 並(一部不備) | 不良 |
帯無
帯無