アメリカ中西部のミネソタ州出身のバンド、72年に自主制作された唯一作。郷愁を誘うハーモニカ、叙情溢れるピアノ、揺らめく歌唱と鼻にかかった歌声が実にハートウォームでドリーミーなヴォーカルと哀愁たっぷりで心に染みるメロディ。もったりとふくよかでルーラルなリズム隊も良いし、このオープニング・ナンバー、グレイトフル・デッドのフォーキー&メロウなフォーク・ロックが好きならたまらんでしょう。メランコリックなアコギ・アルペジオの向こうで幻想的にヴォーカル・ハーモニーがたゆたい、フィドルのソロがひっそりと艶やかに鳴り響く2曲目も「気品」あって素晴らしい。かきむしられるアシッド臭あるアコギ・ストロークにシタールが絡んだよりサイケデリックな3曲目も良いし、いやはや、これは自主制作とは思えない完成度。バーズの『名うてのバード兄弟』やグレイトフル・デッドの『アメリカン・ビューティー』が好きなら、是非、一聴を!
JORDI SABATES/OCELLS DEL MES ENLLA
スパニッシュ・ジャズ・ロックの名グループOMのピアニスト、バンド編成でRTFにも負けない芳醇なジャズ・ロックを聴かせる75年の傑作
2,990円(税込3,289円)
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おっ、はちみつぱい?(3 拍手)
tsさん レビューをすべて見る
と思わせるオープニングと、サイケというより瞑想的なラストナンバーが印象的な、自主盤の一定水準を超えた作品です。曲の出来が良く、ローラ・ニーロあたりに楽曲提供などしてたら有名になっていたかもと思わせる曲もあります。鍵盤の人が全体に洗練を与えており、録音も気ぃ遣ってる様でミネソタの片田舎?(知らんけど)を感じさせない音となっております。帯には制作に時間をかけたみたいな事も書いてあるので、きっと地元で何度も演奏を重ねてアレンジを練り上げたんでしょう。隠し味的に使われるシタールや本格的なハーモニカ(トランペットも雰囲気有り)など、楽器も普通にウマい人達です。
1曲だけ酒場での実況録音が収められていて、いざ演奏という所で誰かの赤ん坊が突然泣き出し思わず笑いを誘う場面がありアットホームな雰囲気も残されています。アメリカは広くて寛容。