ON TOUR WITH ERIC CLAPTON DELAX 4CD BOX

感謝と尊敬しかない豊かな世界（8 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

現在は誰でもが聴いている「レイラ」があるので、この「オン・ツアー」は、「知識」に甘んじている気がしています。南部の音は、単体のダイジェストではわからん、とばかりに2017年に出されたツアー完全版です。一度通販のみの形でリリースされたようです。クラプトンとデイブ・メイスンが当時のUKロックのリーダー的存在で、二人が参加するバンドってどんなもんだろう、とリスナーは半信半疑だったはず。つかみは英国人向けサービスで「ギミ・サム・ラビン」を4公演とも使っています。69年12月1日、2日、7日のファースト・ショウと最終公演です。

白人主体のバンドがこれだけ強靭なグルーブを生み出せるのか。これが驚きの正体です。まるでゴスペルのように、クリスチャン・ミュージックのように自由自在な演奏と声で、揺らぎません。若干初日に硬さがみられるものの、バンドはどんどん肯定的なレスポンスを得られるようになり、曲数も長さも増えていきます。ちゃんとデイブ・メイスン曲も取り上げていますし、クラプトンの長丁場のアドリブも確保されています。けれど、わたしはボニー・ブラムレットの歌唱こそが、このバンドの中心だと思っています。

最終日のリトル・リチャード・メドレーは狂乱状態です。だれも冷静に進行を見ていません。2022.04.17