COBRA FAKIR

カナダ・ケベック出身、RIOへも参画するアヴァン・プログレ・バンド、2013年作8th、ギルガメッシュのファンは要チェック

カンタベリー・ミュージック、ヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロなどからの影響の元、80年にフランスはケベックで結成されたレコメン系アヴァン・プログレ・バンド。2013年の8thアルバム。アコースティック・ギターのアルペジオ、ビブラフォン、まるでリコーダーのようなキーボードが緻密に紡がれ交差する温かみある幻想的なパートに浸っていると、アコギのアルペジオはそのままに、暗黒のメロトロンが鳴り、弦楽器のような音のキーボードがドローンのように鳴り、一気に不穏な世界へ。そうかと思うと、ツンツンと尖ったエレキやら生活音のサンプリングやらが入ってきて、北欧のサムラのようなユーモラスな感じになって、1曲目から圧倒的なイマジネーションで聴かせます。2曲目以降もジャケのイメージ通りの柔らかな色彩感覚と透明感があるカンタベリー風のリリカルなパートを中心に、テンションあるパートやユーモラスなパートを交えながら、奔放に展開していきます。キーボードの感じは、カンタベリーの名グループ、ギルガメッシュやナショナル・ヘルスを率いたアラン・ガウエンを彷彿。知的かつメロディ・センスにも溢れた愛すべき快作です。