LIQUID SMOKE

ファンクもやってまっせ（1 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

1曲目の「アイ・フー・ハブ・ナッシング」は、トム・ジョーンズの持ち歌です。同じ時期にリリースされていることを考えると、同時に複数のバンドが同じ曲をリリースして競わせようという戦略だったのだと思います。ビートルズがよくやった手口です。で、トム・ジョーンズのメロメロ演歌に比べても、明らかにリキッド・スモークのほうが濃い濃い。オルガン・ハードという触れ込みながら、ザクザクしたギターにも特徴あります。「ディア・プルーデンス」のギターを思い出していただくと近いかと。

ニュー・ヨーク、ロング・アイランド出身の5人組ということと、メンバーの名前以外詳しいことはCDにも書いてありません。サイケというより、厚みのあるグランド・ファンクという雰囲気でしょうか。時代がかった盛り上げ方は仕方ありません。でも、わたしは一聴して大変気に入りました。そんなにオルガンが前に出ていませんし。何より歌い上げるボーカルが上手いのが良いです。ハードロックはこうでなくちゃ。

プロデューサーはフリジッド・ピンクやブル・アンガスを手掛けた人です。アルバム全体に無駄な力をみなぎらせる熱血プロダクションが、なるほどね、という感じです。6.Shelter of Your Arms なんてゴスペルみたいなアカペラのあと、うねりまくるハモンドと強烈なベースで上り詰めていきます。こりゃやり過ぎでは。このような楽しく盛り上がれるラインナップをさりげなく取り揃えているショップはありがたい。カケレコさん、ありがとうありがとう、なのであります。