キング・クリムゾンの作品への参加やソフト・マシーン人脈との交流で知られるピアニスト、キース・ティペットによる初リーダー・グループ。メンバーは、キースの他、エルトン・ディーン(Sax)、マーク・チャリグ(コルネット奏者)、ニック・エヴァンス(トロンボーン奏者)、ジェフ・クライン(B)、アラン・ジャクソン(Dr)の6人編成。プロデュースは、ストーンズやヤードバーズを見いだし、後にはゴングやマグマも手がける敏腕ジョルジオ・ゴメルスキー。70年にポリドールよりリリースされた1st。フリージャズを軸に、ロックやポップスのイディオムを用いた奔放なアート&ジャズ・ロックを展開。静謐なパートからキレ味鋭く畳みかけるパートまでダイナミズムを注入するリズム隊、スピリチュアルなパートから一気にむせぶアグレッシヴなパートまでエネルギーみなぎる管楽器セクション、そして、たえず格調高い旋律を奏で、全体を艶やかに彩るキースのピアノ。この後、キース、マーク、ニックの3人はキング・クリムゾン『リザード』の録音に参加しますが、本作を聴けば、ロバート・フリップが誘うのも納得。次作2ndと並び、英ジャズ・ロックの名作です。
NATIONAL HEALTH/OF QUEUES AND CURES
HF&Nから発展したグループ、78年2nd、メロディアスにして芳醇なアンサンブルが素晴らしすぎる、カンタベリー・ジャズ・ロックの大名盤!
2,090円(税込2,299円)
71年発表、ワイアット在籍最後となる傑作4th
解散直前の71年3月に録音された英ロック史に輝く傑作ライヴ盤!
Vertigoレーベル屈指のレア盤として知られた英ジャズ・ロック名作、71年発表
骨太なアンサンブルに英国叙情の管楽器が絡む英ジャズ・ロック、ティモシー・リアリー著「POLITICS OF ECSTASY」にインスパイアされた71年のコンセプト作
武骨さと叙情性のバランスが絶妙な英ジャズ・ロック逸品、70年唯一作
全員がセッション・ミュージシャンというイギリスの技巧派バンド、70年の唯一作、グルーヴィーかつ格調高い逸品
ストーンズの生みの親としても偉大なブリティッシュ・ブルース総帥、初期キャリア集、R.プラント/G.ベイカー/J.ブルース/C.ワッツ/G.ボンド/A.フレイザー/P.ロジャースほか多数参加!!
ジャズ系の名セッション・ベーシストDaryl Runswick、後年ギルガメッシュのドラマーを務めるMike Travisらによる英バンド、メロディアスで芳醇なジャズ・ロックを聴かせる70年唯一作
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これはジャズです(3 拍手)
waterbearerさん レビューをすべて見る
ジャズロックを語れるほどその類を聴きこんでいないので大きなことを言えないが、これは「ジャズ」だ。ピアノは確かにKC感はあるかな…ブラスセクションはLizardの「ルーパート王子のめざめ」のボレロ以降、Islandsの「船乗りの物語」の後半っぽさはある。ただし「っぽさ」であって、「まさにそれ」ではない。それから「ロック感」というところからすると、M3、M7はドラムスががんばっているが、それ以外はドラムレスに近い感じでリズム隊は影を潜める。
M3ではビートルズのあの曲のフレーズがリフレインするのが面白いかな。
繰り返すが、この作品(そして次作も)からKCへの思いを馳せるのは聴き手に委ねるとしても、KCそのものを感じることはできない。それを考えると御大Frippの作曲能力というか、才能の引き出し方というか、そういった力は並みならぬものがあると認識せざるを得ない。
ここまで書くと辛辣な感じに思われるかもしれないが、内容は決して悪いわけではない。少なくてもMike WestbrookのMetropolisやCetipedeのSeptober Energyよりもずっとわかりやすい。熱狂的なKCマニアでKCに参加したミュージシャンのアルバムを全部聴かないと気が済まない人はどうぞ。