YESの躍動感とイタリアンな叙情美が出会ったような音楽性が印象的だったイタリア新鋭MOGADORのリーダーを中心とするプログレ・バンドによる12年作。アグレッシヴな響きを持つアコギと力強いトラッド・ヴァイオリンとが織り成すプログレッシヴ・トラッドと言うべき音楽性を披露する一枚で、英トラッドにも通じる瑞々しさとイタリアらしい叙情性とが同時に押し寄せてくる素晴らしきフォーク・ミュージック。英詩をイタリアンな節回しで歌うヴォーカルの個性も際立っており、イタリアン・ロックとしてのアイデンティティもしっかりと主張しています。この香り高き豊かな陰影は紛れもなくトラッド・ミュージックならではの魅力なのですが、そこにプログレッシヴな先鋭性を同居させたハイレベルな一枚に仕上がっています。
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