SRC and MILESTONES and TRAVELER'S TALE

60年代サイケの中で、ドアーズ級の衝撃を感じました。（3 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

ママス・アンド・パパスのバックがアナコンダのようにのたうち回るファズ・ギターと考えていただくと近いと思います。60年代サイケの好きなかたでしたら、文句なしにおすすめです。MC5、ストゥージズと同じ時期デトロイトで活躍していた、ということです。このCDは、彼らの3枚のアルバムを2枚組にまとめたもの。まず、Black Sheepのインパクトがすごい。教会オルガンのような敬虔なオルガンにのって、甘く重いスコット・リチャードスンの歌い声。こりゃたまらないなあ、とひたっているとアナコンダのようなギターです。非常にシンプルな楽曲ではあるんですが、ヘビーロック好きを捉えて離さない魅力であります。

アルバムの出来としたら、9.No Secret Destinationからのセカンド作品「Milestones」が一枚上をいきます。13.では、大真面目にペール・ギュントを演奏していると思うと、「ウワォォォ」の声と同時に「ベックス・ボレロ」になだれ込みます。この部分、鳥肌が立ってしまいました。冗談でなく、ドアーズのファースト、ピンク・フロイドのファーストを初めて聞いたときのような衝撃でした。

演奏能力や曲の単調さなど、気になる部分はありますが、そんな細かい点を苦も無く補ってしまうバンドの個性です。