3984147472(METAL BLADE) 【2009年発売CD】
二台のメロトロンの醸し出す哀愁やフルート、サックスの使い方はクリムゾンさながらだし、ヴォーカルはちょっとサバスっぽいし。70年代へのリスペクト溢れるサウンドにニンマリ。
アメリカのプログレ・グループ。SILVER SUNSHINEという名で01年にデビュー後、メンバーチェンジを経て、現バンド名Atrasに改名。そのデビュー作となったのが本作。09年リリースという事実を疑いたくなるほどのヴィンテージ色濃厚なサウンドで、ゆったりと耳を傾けていると、思わず70年代にタイムスリップしてしまうかのよう。ムーグやハモンド・オルガンだけではなく、メロトロンを2台使用しており、全編に渡って初期クリムゾンのようなメロトロンの洪水を浴びることができます。サイケデリックかつメロウなファズ・ギターとリリカルなフルートも印象的。丁寧にメロディに寄り添う甘い歌声のヴォーカル、米国というより英国的な陰影に富んだ哀愁溢れるメロディも魅力的です。まさに王道と言えるこれぞプログレなサウンドが堪能できる逸品。エッジの取れたふくよかで暖かみ溢れるサウンド・プロダクションにより、レトロなサウンドの魅力が一層引き立っています。70年代プログレのファンは聴いて損はありません。おすすめです!
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シンフォニック・プログレのおいしいところ全部入り(16 拍手)
waterbearerさん レビューをすべて見る
…かも、という印象でした。レーベルがMetalbladeということもありハードな印象です。しかしメタリックな色は薄く、むしろ70年代的ハードさが感じられます。あえて高域をカットしたような感じもします。しかし音の重さ、重厚さがもたらす全体的な雰囲気をあらわす言葉として「Heavy」という言葉があてはまると思います。その点はBlack Sabbathっぽいのかもしれません。
イタリアンプログレのような粘りのある曲作りがベースになっているようです。そしてクリムゾン「Moonchild」のようなメロウさとギルモアのような妖艶さを兼ね備えたギターも重要なポイントです。メロトロンはSpringのような厚みがありながら牧歌的な雰囲気を醸し出したり、クリムゾン「Lizard」の攻撃的な使いかたも魅力的です。
唄はヘタウマの類です。あまり印象に残りません。
曲もバラエティに富んでいるわけではなく、とにかく「Heavy」です。
70年代プログレ(特にイタリアもの)が好きで、かといって80年代以降のポンプロックに馴染めないんだけど新人で誰かのを聴いてみたい、という方にお勧めです。