JAZZ Q (MARTIN KRATOCHVIL & JAZZ Q)/JAZZ Q (BOX)
旧チェコ/東欧を代表するジャズ・ロック・グループ、73〜84年までの全7作品+ボーナス・ディスクの8枚組ボックス!
7,990円(税込8,789円)
HATFIELD & THE NORTH/ROTTERS' CLUB
Richard Sinclair/Dave Stewart/Phil Miller/Pip Pyleという鉄壁の布陣で録音された75年2nd、カンタベリー・ロックの最高峰に位置づけられる大傑作!
990円(税込1,089円)
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たしかナショナル・ヘルスの1STの表紙にパイルの子どもがいた(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
カンタベリー方面を聴かない人にとっては、けして有名ではないドラマーだと思います。イアン・ウォレスやマイケル・ジャイルズのように歌える人でもありません。ドラマーのリーダー作にありがちな、技巧や音楽趣味の多彩さを見せつけるものではなく、メロディと和音を中心にすえた暖かで穏やかな作風です。ピプ・パイルは、このレコードをつくるのに7年かかったそうなのですよ。だからか、タイトルは「七年目の浮気」。
ボーカルは、リチャード・シンクレア、ジャッコ・ジャクジク、バーバラ・ガスキン、ジョン・グリーブズです。インスト曲では、ヒュー・ホッパーをメインにすえた曲、ディディエ・マレルプとエルトン・ディーンをメインにすえた曲です。ナショナル・ヘルスやソフト・マシーン、クリムゾンのユーザーなら、聴いて損はありません。いや、それらのバンドがどんな力学で支えられていたかが腑に落ちる仕掛けになっています。
穏やかと書きましたが、演奏に緊張感がないわけではありません。むしろ丁々発止とした火花散るやり取りです。ブリティッシュ・ジャズ・シーンの人脈が半分、フランスのジャズ人脈が半分で、録音も主にフランスで行われたようです。デイブ・スチュワートやフィル・ミラーにパイルが支えられ、完成にこぎつけたのは事実でしょう。でも、これだけ多彩な人脈を惹きつけたのはパイルの人柄。わたしが大事にしているCDです。