紙ジャケット仕様、07年24ビット・リマスター、定価2625。
ジャケは意味わかんないけど、サイケな残り香を含んだツイン・ギターがソリッドに炸裂するブルース系ナンバーは格好良さ抜群。アメリカ志向の中にも英国らしい繊細さが見え隠れするサイケ・フォーク・ロックの名バンド!
60年代末期に結成されたウェールズ出身グループ、キーボーディストが脱退し新たにギタリストが加入、ツインギター編成となった71年発表の3rdアルバム。サイケとフォーク・ロックを上手く取り合わせ独自のサウンドを聴かせた前作に対し、骨太なブルース・ロックを中心とするアーシーなアメリカ志向のサウンドを導入しているのが特徴的。フォーキーなナンバーでもブルース/ルーツ色が見え隠れする味わい深いサウンドを聴かせています。特に、サイケの残り香を含んだツインギターが炸裂するソリッドなブルース系ナンバーは抜群のカッコよさを誇っており聴き所。ただそんな中でも、英国的なリリカルなメロディーと淡々としながらも感情を揺さぶるヴォーカル、そしてメロトロンが雄大に盛り立てる感動的なラストナンバー「CHORALE」は、やはり彼らが英ウェールズ出身バンドであることを強く思い出させます。この後中心メンバーだったギターのGareth Johnsonが脱退し程なくバンドも解散、図らずも最終作となりましたが、数あるアメリカ志向のブリティッシュ・ロックの中でも極めて完成度の高いサウンドを聴かせる一枚です。
不思議音楽館/不思議音楽館 ORANGE POWER VOL.6
全世界の不思議なロックが満載のディスク・ガイド「不思議音楽館 ORANGE POWER vol.6」!!
2,700円(税込2,970円)
カンタベリー・シーン随一のkey奏者Dave Stewart率いるグループ、テンションみなぎるオルガン・ジャズ・ロック、74年リリース
2,890円(税込3,179円)
ガツンと骨太なアンサンブルに痺れる、各国のハード・ロック・アルバムをセレクト!
【真夏のサイケデリック探検隊Vol.3】けだるい夏の午後に聴きたい、けだるげサイケ・フォーク&フォーク・ロック選
愛の夏、サイケの夏!今回は夏休みという事で、ついつい昼寝をしたくなってしまう「けだるい夏の午後」にピッタリのサイケ・フォーク&サイケ・フォーク・ロックをセレクトいたしました。
敬老の日にちなんで、世界の「お爺ちゃんジャケ」集めました。
アメリカン・ロック好きにもきっと響く!英国的なリリカルさと米国的なコクが同居する、米憧憬の英ロック名作選!
アメリカン・ロックへの憧れを滲ませたアーシーでコクのあるサウンドを持ち味とする英国ミュージシャンの中から、特に完成度の高い米憧憬サウンドを聴かせる名作をご紹介いたしましょう!
春のポカポカとした一日にのんびりと浸りたい、そんな「木漏れ日フォーク・ロック」を、英米を中心に、ユーロからもセレクトしてみましょう。
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斜めに構えた世界観は、ただの米国傾倒だけでは説明できない(0 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
カケレコさんの紹介文で「ジャケは意味わかんないけど」とあります。「若い頃は自分中心に世界が回っているように感じているかも知れないけれど、人間は醜い部分を隠して生きているもので、時間と共にそれが露わになるだろう。」と読みます。自己流解釈です。「人生の様々な局面」というアルバム・タイトルからの推測です。ウェールズ出身らしい、ひねくれたビート・ポップが、シリアスなフォーク・タッチの曲も演奏してみました、という内容です。
わたしが購入を決意したのは、5 Sad Song For An Easy Lady で、ハーモニカとカッティング、ベースが異様に格好良い悲観的なハードロック。歌詞というか世界観が最高にひねくれているのが、2.I Don’t Care 。「人が何と言おうが、俺は気にしないぜ」と繰り返されます。なぜか。付き合っている相手に「アイム・ユア・ブラザー」と言っているのです。景気のいいビート・ポップなのに、わたしはこれで一気に背筋が寒くなりました。
9 Happy Families がアシッド・サイケの香りがする曲でピブロクトーあたりがやりそうです。その後ぐちゃぐちゃのサウンド・コラージュがあって暖かいカントリー・タッチの大団円11 Chorale(Forever) です。この曲が最後に来なかったらかなり救われない内容だと思います。わたしが購入したとき、輸入盤がなく日本盤を仕方なく買ったのでした。ライナーには、上記に書いたような内容は何もなく、メンバーの名前と出入りの羅列でかなり失望しました。少なくとも歌詞ぐらい読んでから書けよ。って、偉そうにすみません。