廃盤、紙ジャケット仕様、03年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック5曲、定価2039+税。
GRAHAM BOND、CREAM、SOFT MACHINEを渡り歩いた、名うてのベーシスト…。実はスコットランドの音楽アカデミーで作曲を学んでいた、あの男の実力とは!?
GRAHAM BOND、CREAM、SOFT MACHINEを渡り歩いた、名うてのベーシストによる74年4th作がこちら。冒頭曲の静かなオルガン・パートと躍動するロック・バンドによるパートの対比も鮮やかに、プログレッシヴ・ロックの要素を多分に感じさせる、JACK独自の世界観が堪能できる逸品。今作では全てのヴォーカルとピアノ、オルガンを軽やかに弾きこなし、ブルースを基調としながらも、スワンプ・ロックとジャズ・ロックのセンスをミックスさせた洒脱なアレンジメントを展開しています。元々、スコットランドの音楽アカデミーで作曲を学んでいたJACKだけに、スワンプ・ロックのレイド・バック感と洗煉されたジャジーなセンスに、クラシカルな要素が絶妙にミックスされた音楽性は唯一無二。
深民淳によるコラム「音楽歳時記」。季節の移り変わりに合わせて作品をセレクト。毎月更新です。
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ ケースツメ跡複数あり、封入物に折れあり
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ブルースのメロディこそ前衛と呼べるのかもしれない(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ジャック・ブルースの魅力と言いましたら、わたしは彼の演奏より作曲です。どこにもルーツを求めることができない独自のメロディで、渋み、深さでほかに追随する人がいないのではと思っています。唯一近いと感じるのが、ケイト・ブッシュで、予測のつかないメロディです。一方で、このメロディはなかなか聴く人を選ぶのではないかという気もします。
クリーム解散以降、ジャック・ブルースは気ままなソロ作か、マウンテン関係のフォローか、他のミュージシャンへのゲストか、かなり仕事を選んでいた印象があります。もうポップ・グループで媚びながら演奏するのはまっぴらごめんだ、というように。「シングズ・ウィ・ライク」はともかく、「ソングズ・フォー・ア・テイラー」からしばらく続くソロ路線は、彼の音楽素養と人脈が結実した充実したものです。この時期が最も好きですね。
この作でギターを弾いているのは、スティーブ・ハンター。ボブ・エツリンのプロデュース作によく登場するギタリストです。ルー・リードとかアリス・クーパーとか。演奏家がすべて米国人なのに、ブルースの音楽はとてもロンドンのたそがれを感じさせるものです。アルバム・タイトルになるはずだったのが、6.Into the Storm。嵐の中にいるカバー写真を撮影できなかったばかりに、タイトルが変わったという逸話があります。