RORY GALLAGHER(ROLLY GALLEGHER)/BLUEPRINT
ゲイリー・ムーアと並び称されるアイルランド出身の名ブルース・ロック・ギタリスト、73年作4thソロ
690円(税込759円)
ビート・ブーム、サイケデリック革命、シンプルなバンド演奏へと回帰したブルース・ロック・ブームを経て、テクノロジーの発達とともに60年代末にいよいよ花開いた「ブリティッシュ・ハード・ロック」!胎動の67年からメジャーシーンを席巻した70年まで、年代を追って英ハード・ロックの名作をピックアップしながら、英ハードの進化と深化を探ってまいります。
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ロック・リテラシーが試される(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ロリー・ギャラガーと言ったら、しゃきしゃきブルーズか、はつらつブギというイメージだと思います。後年のトリオ活動に比べてどうにもハードルが高いのがテイスト時代です。わたしは、テイストの雰囲気がどうもよくわからなくて…。ハードロックというわけでもないし、ブルーズの匂いもあまりしません。いや、たしかにブルーズなんですけど、ロリーの趣味が散らばっていて、なかなか一つの聴きどころに収束しづらいのです。
例えば「イトハズ・ハプンド・ビフォア・イトル・ハプン・アゲイン」というジャズ曲があります。出だしは、速いギターのスキャット、途中でロリーはサキソフォンに楽器を持ち替え(吹き替えか…)ます。ロリーのソロに、渋くかっこよくベースとドラムズがクールについて行くのです。終わりにスキャットに戻ります。フュージョンなんてものではなく、純粋にハードバップ期のようなジャズです。ほかにアクースティックのバラードもあるし、アラブ風なスロー曲もあります。
クリームやジェフ・ベック・グループ第1期のような音の丸みがあって、これは貴重です。71年以降では消えてしまうビンテージの音と言ったらいいでしょうか。ちょっとこもりつつ、豊潤なギターのトーンと残響です。しかし「乗り込んだ」というタイトルと裏腹に、ベースとドラムズは船を降ろされてしまうのでした。2024.04.23