ギタリストRAIMUNDO RODULFOのプロジェクト、08年作3rd。ソロ名義とは言えバンドスタイルでの録音となっており、10人を超すゲストプレイヤーが参加し、レトロシンフォニックな素晴らしいサウンドを聴かせています。RAIMUNDO RODULFOの弾くアコギはスパニッシュをメインにエキゾチックなフレーズが満載ですが、スパニッシュプログレと違い盛り上がりを見せても決してベタつかず、爽快な雰囲気を保ち続けているのが南米ならではです。一方で彼の弾くエレキギターは叙情的なフレーズはもちろんのこと、バンドと一丸になってテクニカルに迫るところもあり、幅の広さを伺わせます。ゲストには男性、女性ボーカルを配置していますが、シアトリカル系ではなく胸に沁みる歌心あるもの。また、ヴァイオリン、チェロ、サックス、トランペット、トロンボーン、フルートなどの管弦楽器が大きく取り入れられており、シンフォニックロックとして申し分ない編成。同じくヴェネズエラの名プログレバンドTEMPANOのドラマーGerardo Ubiedaが参加、堅実なサポートぶりを見せています。純シンフォニックからエキゾチックでムーディーなフュージョン色、パーカッションが活躍する軽やかなラテン色まで、手を変え品を変え35分の大曲もさらりと聴かせる、これぞ光り輝く南米プログレ。
netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』 第50回 RAIMUNDO RODULFO / Mare Et Terra (Venezuela / 2008)
「ミュージシャンの視点からプログレッシブ・ロック作品を捉える」ことをコンセプトに、同じ時代を生きる世界中の素晴らしいプログレッシブ・ロックアーティストたちの作品を幅広く紹介するコラム。担当は、MUSEAからデビューした日本のアーティストnetherland dwarf!
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 圧痕あり、若干カビあり
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こんなアーティストが埋もれていたなんて・・・・(12 拍手)
0321PROGさん レビューをすべて見る
08年3rd
古くはEstructuraから最近ではTempanoなど、数は決して多く無いながらも
相当レベルの高いプログレバンドが出現しているヴェネズエラ。本作はギタ
リストRAIMUNDO RODULFOのソロプロジェクト名義の作品。
RAIMUNDO RODULFOはスパニッシュな香りのするアコギ、かなり早弾
きでユニゾンもこなすエレキを使い分け、サポートのバンドとオーケストラ
楽器が爽やかに絡むという作風。明瞭なシンフォニックプログレを展開して
おり、ボーカルはメロディアスで歌心に溢れています。フルートなどの効果
的な使い方などは、スペインのCamelと呼ばれるGOTICのようです。かなりテ
クニカルにも関わらず、無理がなく聴こえるのは彼らの楽曲構築の上手さと、
南米の懐の深さでしょう。
今回で3rdということは過去2枚の作品がリリースされていたと言うことにな
りますが、本作が出世作なのかどうなのか。なぜこれまで注目されずに来た
のかが不思議です。超大曲主義を採用していますが、30分や20分の大曲がと
ても早かった。そのくらい密度が濃い作品。南米、スパニッシュファンはま
ず聴いて損は無い他、フルートなどの管弦系がお好きな方にもオススメ。
コレは贅沢なアルバムだよ!(3 拍手)
さん レビューをすべて見る
全4曲。しかも36分、20分の大曲があり、36分の1曲目と2曲目のkeyはKOTEBELことCarlos plazaが担当している!さすがにこの2曲の出来は只者でなく2曲目冒頭に流れるメロトロンの哀愁が感動を呼ぶ。3,4曲目もブレイクを多用した多彩な曲調で飽きる事が無い!全シンフォ及びジャズロックファンの皆さん買わないと後悔しますよ!PS:音質も良いので是非良質なオーディオシステムで!
ベネズエラの絶品シンフォ・プログレ!(1 拍手)
appo128さん レビューをすべて見る
潮騒〜フラメンコ的で爽やかなアコギ、怪しげなフルートとピアノが入り、リズム・セクション始動後、一気に大編成となる。管弦楽器を上手に配置しているが、あくまでもアコギ主体でリード楽器は目まぐるしく変わる。エレキ・ギターもジャズ・ロック風に弾いているが、早弾き部分でフラメンコ調が顔を出すのは彼特有で面白い。彼のギターは泣くことが無い。
ヴォーカルは男女を配し、効果的に絡み合うハーモニーも良いし、電子音コーラスも素晴しい。変拍子も使いこなし、作曲能力や構成力も大したモノである。シンフォから一転してジャズ的に展開したり、プログレッシヴな試みも充分であり、全般的に良く出来たシンフォ・プログレである。これは間違いなく掘り出しモノと言えるだろう。
敢えてモノ申すならば、管楽器と弦楽器の和音が完全にハモっていない箇所がある。勿論、協和音の部分である。チューニングが微妙にズレているとまでは言わないが、常にバンド活動しておらずセッション的であるための違和感と思われる。それを差し引いても充分に素晴しく★5つとする。