メキシコ新鋭プログレ・バンド、03年デビュー作。強靭さとともにしなやかさも感じさせるドラムと野太い音でのたうつベースによる重量級のリズムの上を、耳を突き刺すノイジーなギターが暴れる、硬質かつ骨太なテクニカル・プログレ。時折アンサンブルに姿を見せるフルートも、ギターに負けじと乱暴に吹き荒れます。ギターを中心としたヘヴィーなアンサンブルとそんな中にもどこか物悲しさを漂わせるところなどはKING CRIMSONからの影響を感じさせます。一方で豊穣な響きの弦楽をフィーチャーした流麗なジャズ・ロックなども聴かせ、しっかりと音楽性の幅広さを主張。次にどんな音を鳴らすのかわからない不気味さが全編にわたり漂っているのもこれぞプログレらしくて◎。サウンド自体にラテンを思わせる要素はさほどありませんが、硬質なテクニカル・プログレとして国籍を超えて一級の完成度を持つ作品です。
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