ウェールズ出身のフォーク・グループ。80年代中頃にカセットテープのみでリリースされた幻の4thアルバム。3rdまでの作品で印象的だったストリングス・シンセなどによるプログレッシヴな味付けは無く、本作で聴けるのは素朴なトラッド/フォーク・ロック。その分、メロディの秀逸さが際立っていて、英フォークの牧歌性と英トラッドの格調高さが絶妙にバランスした流麗なメロディは絶品の一言。郷愁を誘うマンドリン、哀愁溢れるヴァイオリンを中心とするハートウォーミングなアンサンブルも実に素晴らしい。
1979年に結成された、ウェールズのプログレッシブ・フォーク・バンド。80年代に4作品をリリースしています。
メンバーは皆、ビートルズとローリング・ストーンズを聴いて育ち、サージェント・ペパーズを聴いた後は次第にPINK FLOYD、GENESIS、BARCLEY JAMES HARVEST、KING CRIMSONなどプログレッシブ・ロックに夢中になっていたそう。
中心人物のArfon Wynは、最初はブルース・ロックバンドで活動していました。
やがて、英語で歌うのでなく、自分たちの言葉であるウェールズ語で歌うプログレッシブ・フォークバンドを作りたくなり、ウェールズ語で「巡礼者」という意味の「PERERIN」を結成。
80年にデビュー作『HAUL AR YR EIRA』をリリースしています。
神秘的な男女ボーカルとウェールズの曇天を思わせる湿ったメロディ、民族的なアコースティック楽器とエレキ・ギターとのアンサンブルが面白いですね。
81年には2nd『TEITHGAN』をリリース。
哀愁溢れるフォークをベースに、リリカルなフルートや流麗なストリングス・シンセが絡んできて、とても神秘的です。
83年には3rd『TIRION DIR』ををリリース。
この頃バンドは、よりアンプラグドで、アコースティックな音楽を探求していたそうです。
そして88年の『YNG NGOLAU DYDD』。カセットテープのみのリリースでした。
英フォークの牧歌性と英トラッドの格調高さが絶妙にバランスした流麗なメロディは絶品の一言!
ヴァイオリンとマンドリンの細やかな響きがとてもいいいですね!ウェールズ語のボーカルに良く合っています。
アレンジも演奏も、ぐっと洗練されています。
もう一曲どうぞ。
イントロのベース音、かき鳴らされるギターが、いわゆるフォーク・ロックとは違った雰囲気で非常にかっこいいです。
なぜカセットテープだけでリリースしたのか不思議なくらい、素晴らしい作品です!
メンバーは今でも活動し、ライブも行っているそうです。
ウェールズ出身のフォーク・ロック・バンド、BRAN。
PERERINの中心人物のArfon Wynも在籍していたバンド、YR ATGYFODIADのメンバーが結成したのがBRANだそうです。
原盤は激レアとして知られる75年の1st。
綺羅びやかなアコースティックギター、哀愁たっぷりのサイケがかったエレキギターが楽曲を彩っていて、彼らならではの味を出しています。
MIKE HERON/SMILING MEN WITH BAD REPUTATIONS
INCREDIBLE STRING BANDの中心メンバー、ISB在籍中の71年1stソロ、J.ケイル/P.タウンゼント/K.ムーン/S.ウィンウッドほか超豪華ゲストが彩る傑作
1,290円(税込1,419円)
歴史深いウェールズから誕生した、様々な作品を聴いてまいりたいと思います!
【KAKERECO DISC GUIDE Vol.34】ウェールズのプログレッシブ・フォーク、PERERIN『YNG NGOLAU DYDD』
ウェールズのバンド、PERERINの88年作『YNG NGOLAU DYDD』をピックアップいたします!
哀愁溢れるフォークをベースに、リリカルなフルートや流麗なストリングス・シンセが絡む神秘的なサウンドが聴き所。シンフォニックなアレンジも素晴らしく、フォーク・ファンだけでなく、シンフォ・ファンにも聴いて欲しい作品です。
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