PKCD003(ERIK SAKKOV)
全編彼らの母国語で歌い上げられていますが、ブックレットには英訳付き、3面開きデジパック仕様。
モダンで厚みのある音だけど、どこか懐かしくなるようなメロディに神秘的な母国語コーラスが温かみを添えて、これは愛すべきサウンド!さすが80年代から活動しているバンド、レベル高いです!
90年にリリースしたアルバム1枚を残し、92年に解散したエストニアのグループ。09年の再結成作。リバーブやディレイを効かせた浮遊感いっぱいのギター・アルペジオに伸びやかなシンセが絡むファンタスティックなパートを軸に、ザクザクとエッジの立ったメタリックなギターが炸裂するハードなパート、リリカルなアコギをフィーチャーした静謐なパートを織り交ぜたサウンドは、かなりダイナミック母国語の巻き舌が強烈な印象を残すアクの強いシアトリカルな男性ヴォーカル、澄んだハイ・トーンが魅力の女性ヴォーカルという男女ボーカルも存在感抜群。くっきり鮮やかで現代的なサウンド・プロダクションですが、無機質さはなく、エストニアの広大な大地が目に浮かぶ有機的な暖かみに溢れています。オリジナリティ溢れる好グループ。素晴らしいアルバムです。
マイナー言語のユーロ・ロック・セレクション<90年代〜新鋭編>
ユーロ・ロックの中から、馴染みの薄い「マイナー言語」で歌われている作品を選んでみました。今回は90年代以降の作品をご紹介!
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温かいエストニアのプログレ!(2 拍手)
appo128さん レビューをすべて見る
エストニア民謡的な楽曲もあれば、ハードでダークな楽曲もある。オリジナリティーに溢れており、好印象である。複雑なアレンジは少ないが、演奏力は高水準であり、温かみのある演奏が安心して聴ける。ヴァンゲリス的な作風の楽曲もあり、盛り上げ方も心得ている。
ヴォーカルは男女を擁しているが、男声ヴォーカルは少し邪魔。女声ヴォーカルは素晴しい。ハーモニーやコーラス・ワークは流石エストニア、合唱が盛んな土地柄だけある。母国語の極端な巻き舌など、聴きにくい部分もあるが、それがオリジナリティーとも言える。なかなか面白く一聴の価値あり。★4つとする。