VIOLATION

男の色気ありすぎ（3 拍手）

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MC5やブルー・チアーがいたとは言え、構造的にハードロックを組織した英国に比べ、米国シーンはハードロックへの対応が遅れました。それを一気に立て直したのがプロデューサー、ジャック・ダグラス。スターズの人気盤であるとともにダグラスの代表作です。時はロックンロールが非合法化された近未来。「バイオレーション」の歌詞では、ロックだけでなく、自由恋愛も違反なのです。その世界で中古ジャンク店から「エアロスミス」のビニール盤が発見される。そこから物語が始まります。とても珍しい「コンセプト・アルバム」なのです。しかもフランク・ザッパティックな。

「チェリー・ベイビー」を聴くたび、陶然となります。これほど素晴らしいハードロック・ポップスがあるでしょうか。次々と畳みかけられる曲のどれもがいい。重くて、明るくて、めりはり効いていて。マイケル・リー・スミスの声がブライトでいい上に、リッチー・ラノのギターが暴力的で大変よろしいです。ファースト作では「プル・ザ・プラグ」という超ヘビー曲がありました。セカンドでは8曲目の「S.T.E.A.D.Y.」です。映画「ストリート・オブ・ファイア」の、すさんだスラム街とバイカーたちが登場してきそうです。かかってこい、レイベン。2023.02.07