BOOGIE AFTER MIDNIGHT

体形は全然スリムじゃないピアニスト（3 拍手）

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音楽を聴くのは大きく括れば「遊び」だと思います。遊びには、原曲を知るとか、背景を調べるとか、歌詞を訳すとか含まれるはずです。高校時代からツェッペリンを聴いている友人がいまして、彼はロバート・ジョンスンを知らないものだから、「トランプルド・アンダーフット」の話をしてもどうにも場が盛り上がらない。お互いいいトシなんだから、ブルーズぐらい聴いてくれんかのう、と思ってしまいます。

ブルーズはギター、あるいはハープと思っていました。なのでピアノ・ブルーズと言われても、最初ピンときません。特に管楽器やギターと共演しているディスク1は、ジャズじゃないかと…。そうではないんですよ。左手に注目すると、メンフィス・スリムは12小節循環コードを弾いているんです。凄みを増すのはディスク2のほうで、ピアノ弾き語りスタイルながら、左手のコード弾きと右手の鍵盤連打が呼応して二人で連弾しているような巨大な音を出しています。

ブルーズのよいところは、ひとつの曲にひとつのテーマしかないところ。仕事なんかで疲れた時、邪魔にならない音楽なんですね。きょうは土曜日出勤だったので、彼のピアノ連打を聴いてなごんでいるところです。40年代から50年代にシカゴでセッション・ピアニスト及び彼のバンドで活躍。R&Bチャート1位となる曲をヒットさせたり、BBキングにカバーされたりした経歴を持っています。2023.04.15