CDV2049/724384434229(VIRGIN) 【97年発売CD】
英国臭とひねくれB級センスとが混ざり合った極上のニッチ・ハード・ロックですよね。ヒプノシスのチームで活躍していたRichard Evansによるデザインも強烈っ!
元PATTOの中心メンバーの2人、マイク・パトゥ(Vo)とオリー・ハルソール(G/Key)が、PATTO解散後にそれぞれTEMPESTやSPOOKY TOOTHなどで活躍した後に再合流し、75年に結成したグループ。VIRGINから76年にリリースした1st。リズム隊2人も特筆で、ドラムは、元MAY BLITZやTHREE MAN ARMYでJEFF BECK『Beck-Ola』にも参加したトニー・ニューマンで、ベースは、初期VAN DER GRAAF GENERATOR、THREE MAN ARMYで活躍したキース・エリス。彼ら2人のパワフルかつシャープなリズム隊を土台に、PATTO時代に比べてよりストレートなハード・ロックを聴かせています。でもでも、隙間からは、「いぶし銀」の英国臭や彼らならではのひねくれたセンスがぽたぽたとこぼれていて、思わずニンマリしてしまう佳曲ぞろいなのです。サビでのキレ味抜群のリズムのキメに痺れるオープニング・ナンバーからエネルギー全開で、フェイセズとフリーばりのタメはそのままに、ツェッペリンばりのスピード感で突っ走ります。ポール・マッカートニーぽいスケールの大きなロック・バラードなのに、マイク・パトゥが歌うと地下スタジオのカビ臭さと男の哀愁がぷんぷん漂ってきちゃう曲あり、ツェッペリンを彼らならではの変態B級センスで料理した感じの曲あり、英国臭とひねくれB級センスとが混ざり合った極上のハード・ロックを聴かせています。PATTO時代のジャケも素っ頓狂で売れる気あるの?という感じでしたが、このBOXERのジャケも凄い・・・。デザインは、ヒプノシスのチームで活躍していたRichard Evans!ジャケのインパクト通りの英ハード名作っ!
Mike Patto&Ollie Halsallの強力タッグ再び!ひねくれブリティッシュ・ハードの名バンド、76年録音/79年リリース作、ビートルズ「Hey Bulldog」のカバー収録
990円(税込1,089円)
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BOXER『Below The Belt』【オリー・ハルソール特集3】
今日の「MEET THE SONGS」は、BOXERがVIRGINから76年にリリースした1st『Below The Belt』をピックアップ!
デビュー作のヌード開脚ジャケほどではないけど、この腕毛ジャケのインパクトもすごい。Tim Bogertをはじめ、GREASE BANDやSPARKSのメンバー参加の爽快かつ憂いある英ハード快作!
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ ケースツメ跡あり、軽微な折れあり
「HELTER SKELTER」などもそうですが、本場ハードロック/メタル・バンドがカヴァーしても何ら遜色ないヘヴィさが出るのが凄い。
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生きているうちだけが評価とは限らない(4 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
マイク・パトゥがボクサー解散後に何していたのか調べましたら、36歳の若さで病死しているのですね。短い芸能歴だったわけです。その割にはブリティッシュ・ロックに残した足跡は大きく、パトゥにしてもボクサーにしても、聴いていなければ英国ユーザーと名乗れないほどの名バンドです。しかし流通がなあ…。2012年にCDになるまではウェブを探索して、音源を提供してくれる親切な人からシェアさせてもらうしかありませんでした。
このグループに対してあまり真面目に向き合っても仕方ありません。場末のストリップ・ティーズの幕間に演奏されるような音楽で、基本ウケ狙い。ユーザーをくすっと笑わせて、ビートルズ流のメロディで感傷的にさせる。それが目的だと思います。わが国のドリフターズやアレックス・ハーベイをイメージしてください。そう書いて、パトゥとオリー・ハルソールの関係が、ハーベイとザル・クレミンスンの関係にそっくりなことに気づきました。
どなたも悪趣味なカバーばかり話題にします。ベルトの下を狙え、というのは、ボクサーにあるまじきタイトル。負け犬が勝つには反則しかないんだぜ、という韜晦です。本当に勝ちたかったんでしょうねぇ。勝ったんじゃないですか、パトゥさん。時間がかかっても熱狂的なユーザーを獲得したんですから。2023.02.19