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ここらへん好きな人とは、腹を割って話したい（3 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

「レット・イット・ビー」が出た時、わたしはまだ小学校三年生。さすがにリアルタイムで聴いたと言えば、うそになります。でも時代がくだって「フォックス・オン・ザ・ラン」や「キャン・ザ・キャン」や「どら猫ロック」はラジオで聞いていました。小遣いが少年ジャンプや仮面ライダースナックに消えていた頃です。シングル盤を買うのもお年玉をもらったときだけ。アルバムなんて大人が買うもので、子どもが手を出してはいけないものだと思っていました。今となってスモーキーやセイラーを全部揃えないと気が済まないのは、その頃の怨念みたいなものでしょうか。

わたしの好きだった曲がチャプマン＝チンという制作チームによるもの、という真実は、ずいぶんあとになってからの知識です。演奏者からのスターシステム否定がビートルズだったので、この時代に英国ロックは一度後退しているのです。何のメッセージもなく、パーティに使えさえすればよい。それでも何でもいいんです。「パス・イット・アラウンド」さえ聴ければ。

スモーキーで、絶叫系のボーカルが聴けるのは初期だけです。無理してギャンギャンとギター鳴らしている曲もありますし、高速ボサノバみたいな曲もあります。楽しませてくれます。彼らのバンド名は、煙（けむ）に巻く、という意味だったと思うんです。2022.11.14