錬金術師

淡いだけでなく、ヘビーでいいですよ（6 拍手）

たすけさん レビューをすべて見る

ホームは3枚のレコードを残しています。このレコードは抒情的アンサンブルとギターの重さで異色です。コンセプトとストーリーは、ミック・スタッブズが書いています。ざっと申し上げると、学校を卒業した少年がひとりの老人と親しくなり、予言能力を授かるというもの。少年は大災厄を予言するので、人々にうとまれそしられ、やがて予言が現実のものとなります。メンバー4人のほか、キーボード奏者をゲストに呼び多彩なシンセサイザー、ピアノがカラフルな彩です。初期のジェネシス、キャメルのユーザーでしたら共感できるでしょう。

ローリー・ワイズフィールドのギター、特にパインパインと聞こえるピッキングが印象的です。ヘビーな部分ではスティーブ・ハウに似ていると思いました。実はこのアルバムを知ったのは、プロデューサーのジョン・アンソニーの手掛けたディスコグラフィーからです。アンソニーはVDGG、ジェネシス、アフィニティ、クイーンなどグループの立ち上げ期に関わることが多く、ドラマ仕立ての作品づくりに能力を発揮する気がします。淡い音づくりをするグループながら、聴き終わったとき深い英国の後味が残ります。

深煎りローストのコーヒーが飲みたくなってきました。2022.05.28