GLISSANDO SPIRIT

現GONGのブラジル人ギタリストFabio Golfettiが率いるGONGファミリーのプロジェクト、22年作！

80年代半ばよりサイケ・プログレ・バンドVIOLETA DE OUTONOで活動、07年よりGONGのメンバーとして活躍中のブラジル出身ギタリストによるプロジェクトの22年作。本バンドは、故Daevid Allenの構想のもと英米豪ブラジルの4か国で活動を展開するプロジェクトのブラジル版で、グローバルに広がるGONGファミリーの一ユニットに位置付けられます。その出自を反映するように、Allen期を彷彿させるストレンジかつ彼岸的な世界観、Moerlen期の華麗なパーカッションが主導するフュージョン・スタイルを、エレクトロなサウンドに置き換え再構築したような作風が特徴的。そんなGONGを俯瞰するようなサウンドの上で奏でられるFabio GolfettiのギターもHillage調で来るかと思いきや、Robert FrippやKING CRIMSON周辺で多用されるタッチ・ギターのプレイに通じる淡いトーンで鋭く鳴らす、緊張感のあるサウンドなのが面白いところ。それも影響してか、『DISCIPLINE』に入っていそうなリズミカルかつスリリングなナンバーも聴かせていて興味深いです。ギターとシンセを操り一人でここまでの音を作り出す手腕はさすが現GONGのギタリスト。GONGファンのみならず、KING CRIMSONファンにもアピールする内容を持つ好盤です。