1984年作『火星年代記』がハンガリーを象徴するプログレッシヴ・ロック・アルバムとして語り継がれている同国代表格グループ、SOLARIS。そのSOLARISでベースを担当していたミュージシャンTamas Pocsは、現在はSOLARISを離れ自らのグループであるTOMPOXを率いて活動しています。本作は、TOMPOXでキーボーディストを務めるEndre Ballaによるプログレッシヴ・ロック・バンドの2020年デビュー・アルバム。ALL OUT BANDのメンバーはEndre Ballaに加えて、ギタリスト、ベーシスト、ドラマー、女性ヴォーカリスト兼フルート奏者、サックス奏者、トランペット奏者の7人編成であり、メンバーの中にはTOMPOXに参加しているミュージシャンも含まれています。2020年にリリースされた『MAGIC』は、24もの楽曲が詰め込まれた意欲作であり、その内容は、ハード・ロックにブラス・ジャズ・ロックを融合させ、シンセサイザーのきらびやかな音色で装飾を施したプログレッシヴ・ロック。硬質なリズム・セクションとパワフルなエレキギターによるハードなアンサンブル、絡み合う金管楽器の咆哮、TOMPOXにも参加している女性ヴォーカリストSara Dizna Kovacsの伸びやかな歌唱、そしてEndre Ballaの各種シンセサイザーによって生み出されるプログレッシヴ・ロックは、とても東欧らしい響きを持っています。TOMPOXや本家SOLARISにも引けを取らない作品であり、全てのプログレ・ファンにオススメできる会心作です!
【ユーロロック周遊日記】ALL OUT BAND / MAGIC (ハンガリー/2020)
名盤からディープな作品、そして注目の新鋭まで、ユーロ諸国で誕生した様々なプログレ/ロック名作を掘り下げていく「ユーロ・ロック周遊日記」。今回はSOLARIS周辺ミュージシャンによって結成された、ハンガリー新鋭のオススメ作をピックアップ!
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