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プリンス聴くのに無理に踊らなくっていいんだよ(1 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
90年代プリンスの幕開きとなったレコードで、80年代の過激路線を支持していたユーザーには、賛否両論になりました。しかし…実によい。普通に歌うプリンスが、こんなに上手い。改めて歌手プリンスの磁力に吸い寄せられます。過激路線の「ゲット・オフ」や「サンダー」にしても、スライが過激であるのと同程度で、やはり歌の魅力に尽きるのです。
デジタル・ビートは控えめで、ドラムズはほぼ生音です。どぅーん、というバスドラのキックが最初から最後まで続いていて、これはクセになります。対して「ダイアモンズ・アンド・パールズ」の作曲、アレンジの見事さ。ハーモニクスのイントロを聴いただけで、あまりに完璧で背筋が寒くなりました。全体的に曲調が明るくなりました。プリンスを聴いているんだけど、と他人に言えるレコードです。「ウォーク・ドント・ウォーク」もすごい好き。
プリンスのプロフェッショナルな人に聴いてみたいのが、プリンスとスライとの関係です。わたしは、プリンスがスライの敷いたレールを拡大再生産した印象が強いんです。逆にわたしはプリンスを通じてスライというアーティストを知りました。ゴージャス路線を敷きつつも、そこここで「子ども」が見え隠れしている印象があります。