LUCILLO AND GIADA / TOPIC WURLENIO

78年結成のイタリアン・ロック・バンド、当時の未発表アルバム2作を再録した19年盤、GENESISやPFMを理想的に受け継いだ驚きの傑作！

78年に結成されたイタリアン・ロック・バンドLA SINTESIが80年と83年に制作しながらもお蔵入りとなった2枚のアルバムを、それぞれ99〜00年と11年〜12年に再レコーディングしてまとめた、新規プロジェクト名義による19年リリース作。これは素晴らしい出来！GENESISからの影響が強い気品あふれるファンタジックなサウンドをベースとしますが、いかにもイタリアな熱っぽさや濃厚さはなく終始軽やかに紡がれるリリカルな演奏のタッチは初期P.F.Mに通じます。クラシカルに波打つピアノが主役のFOCUSみたいにロマンチックなオープニングを経て、アコーディオンのような哀愁を帯びたキーボードとハケット風の繊細なフレージングのギターが雄大にテーマを奏でる1stの冒頭3分で、70年代イタリアン・ロック・ファンなら泣きそうになるかもしれません。中盤は気品を保ちつつプログレ然としたテクニカルな演奏も披露します。2ndは、80年代らしい華やかなシンセのプレイをメインに据えていますが、全体によりテクニックを実感できるアグレッシヴなシンフォを楽しませてくれます。再録ながら、楽曲の完成度からしても当時リリースされなかったことが驚きの2作品です。おすすめ！