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バブル期が悪かったわけではない(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ロック畑のかたにはルーファスというグループは、馴染みが薄いかもしれません。マイケル・ジャクスン「オフ・ザ・ウォール」のバックを務めている人たちだと申し上げれば凄みがわかっていただけるでしょうか。チャカ・カーンは、80年代に入ってソロとして大爆発し、このライブは彼女のルーファス卒業ライブになります。アリフ・マーディンの過激な音に慣れっこになっていたわたしは、これを買って聴いたとき、なんだか伝統的なマイルドな音だなあと肩透かしを食った気持ちになりました。それはわたしの耳が出来ていなかっただけで、十分ものすごい演奏であります。コンピューターのバシンというビートや、ギターの高速カッティングは過激すぎて、逆に長続きしませんでした。
チャカ・カーンは絶叫型の歌手ではないです。にも関わらず声量が破格なので、すさまじいとしか形容できない歌声をしています。わたしがR&Bと言われて真っ先に思い浮かぶ人です。翌年84年に「アイ・フィール・フォー・ユー」で全米制覇することになります。このCDの最終4曲はスタジオ録音で、その中の「アイント・ノバディ」は、映画「ブレイクダンス」に使われ、それこそヒップホップの代名詞になりました。とにかく楽しい音なので、バブル期が懐かしい人はぜひ。空前の円安でわが国経済が持ち直すチャンスの今こそ。2022.11.09