JEAN PHILIPPE GOUDE/PAUR L'ISTANT
78年に唯一作を残した仏ジャズ・ロック・バンドWEIDORJEの中心メンバー、ソロ作からのベスト、全16曲
720円(税込792円)
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溜めて溜めてギターがどろどろと出てくる(2 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ブルーズの良さは「水戸黄門」や「ドクターX」に近いものがあります。出るぞ、出るぞと思わせておいて、お約束のどろどろギターソロや、荒れ狂うハープ吹きまくり。で、出たあ、とブルーズ・ユーザーは拍手喝采、寒気を覚えるのでございます。反面ブルーズの演奏家は、出すべきものを分かっていながら、いかに鮮やかに出すか、ユーザーの期待をいかに溜めるかに心血を注ぎます。その様式美は、あっと驚くアイデアとかアバンギャルドな展開とかとは対極。ひたすらステージで叩き上げていく以外に、ブルーズを極める道はございません。
ミック・エイブラムズは上手にトシをとっているなあ、と感じさせる93年作です。このCDのライナーには、ブロードウィン・ピッグのメンバー変遷が書いてあります。恐るべきことに、エイブラムズは一度もピッグを解散させていず、ずっと絵巻物のように系図がつながっているのです。カバーアートは、それこそお約束の豚の写真で、これも嬉しいのです。ギターはともかく、歌うエイブラムズは、全然丸くなっていません。小僧のままです。
オーソドックスなスタイルながら、音はとても洗練されています。アダルト・ロックを想像されているかたがいらしたら、全然違うので安心して聴いてくださいと申し上げます。