「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ」 第四十九回 葛飾にカンタベリーを見た:なぎら健壱じゃないよスチュワート&ガスキンだよ 文・市川哲史
音楽評論家/ライターの市川哲史氏によるコラム「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ」。今回は、スチュワート&ガスキンにおける60年代愛溢れるカバー選曲に注目しながら、デイヴ・スチュワートの人物像・ミュージシャン像を掘り下げます。
「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ」 第四十八回 カンタベリーの「わらしべ長者」 文・市川哲史
音楽評論家/ライターの市川哲史氏によるコラム「どうしてプログレを好きになってしまったんだろう@カケハシ」。今回は、前回「産業ロック編」の続きから、スチュワート&ガスキンで一世を風靡したデイヴ・スチュワートに切り込みます!
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ スレあり
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キーボーディストがクラシックだけ影響受けていると思ったら大間違い(7 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
完全にリスナー人生をリタイアしていた90年代のわたしを、CD収集家に引き戻したのはデイブ・ステュアートです。買い逃していた彼らの「シングルズ」日本盤、米国盤をオークションにて買い戻そうとしたのが発端です。廃盤で、なかなか出品もありませんでした。わたしを洋楽に引きずり込んだのがキャプテン・アンド・テニールなので、もともと夫婦デュオには弱かったのかも、と思います。
「ビッグ・アイデア」時期までの二人のシングル集です。ほとんどがカバー。それもR&BやUSポップの古い曲を、全て電子音だけで再構築するという趣味性の強いものです。ボブ・ディランやバーズの、誰もやったことのない解釈になっています。しかもギター含め全て電子音なのに、アクースティックを感じさせ、ビートはデジタルという、あっと驚くものです。見事に売れました。わたしは、音の人懐こさ、クールさにすっかりやられました。成功を得たデイブ・ステュアートは、すっかり富豪人生に突入し、現在はプロデュース業だけを気の向いたときだけやっています。
しかし「ディファレント・ワールド」や「イッツ・マイ・パーティ」をつくってくれたことだけで感謝しかありません。「ビッグ・アイデア」ではキース・エマーソンへの対抗意識も見せてくれましたし。わたしにとっては完全なソウル・ミュージック。好き嫌いを越えます。2022.05.23