65年結成、ガレージ〜サイケ〜ハードロックと時代に呼応したサウンドを聴かせてきたオーストラリアの名バンドが、イギリスに渡りアビー・ロード・スタジオでレコーディングした71年発表3rd。ヒプノシスによる怪しいジャケットからして一筋縄ではいかない感じがぷんぷんしますが、サウンドもやはり個性的。基本となるのは、安定感あるタイトなリズム・セクションを土台にキレのあるソリッドなギターが縦横無尽に活躍する、豪産らしい軽快さを備えたキャッチーなハード・ロック。そこに、ヘヴィーなギターリフとマイルドな音色のアコギを同時に鳴らしてみたり、レイト60sサイケを思い出すとぼけたサウンド・エフェクトが散りばめてみたりと、独自のセンスが炸裂。いたるところに耳を引くフックを持たせたサウンドへと仕上げています。さらにプログレッシヴな構築性を持つナンバーも多く、全体を通じて71年という狭間の時期を象徴したような音と言えるかもしれません。英国ロックに通じる陰りが滲むアコースティック・ギターをメインとしたリリカルなパートも聴きどころ。メロディアスにまとまった聴きやすさの裏に、じわじわと引き込まれていくかのような味わい深さを隠し持ったハード・ロックの逸品です。
重くソリッドなギターが炸裂するヘヴィ・ブルース・ロックに、キャッチーなヴォーカル/コーラスを絡ませポップに聴かせるスタイルが個性的な豪州のバンド。一筋縄で行くものか!という気概を放つこの音、Vertigoサウンドがお好きな方にも響きそう〜。
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