AGRIDULCE

2008年に結成されたアルゼンチンの超絶技巧インスト・バンド、2016年作3rd

アルゼンチンが生んだチェンバー/アヴァン・ロック・インスト・バンド「ラ・ムゼール・バルブッダ」(=ひげおんな）が、レーベルをメジャーからインディーズに移してリリースした３作目です。デビューからのメンバーであるMartín Pantyrer(sax/clarinet)、Franco Fontanarrosa(b)、Lulo Isod(dr/objects)に加え、今作からギターがSergio Alvarez(g)に交代。その新ギタリストの強烈なリフが印象的な1曲目から始まって、全9曲格闘技のような各楽器のバトルの応酬が続きます。ドラムは緩急つけまくりで変拍子多用。ギターとベースが奏でるメロディとリフは常に重く、そしてノイジー。そこに狂気をはらんだサックスとクラリネットが交互に乱入する展開にアドレナリンが噴出します。どの曲も常にへヴィでラウド、そしてアグレッシヴ。誤解を承知のうえで彼らのサウンドを例えてみれば「太陽と戦慄」「レッド」期のキング・クリムゾンから抒情性を完全に抜いてテンポをスピードアップさせたものと言ったらよいでしょうか。チェンバー/アヴァン・ロック、ヌーヴォ・メタル期のキング・クリムゾンをお好きなかた、さらにフュージョン・ファンにもおススメです。