RASHOMON

1972年、フォーク・ブーム真っ只中の日本にエレキの神様が投下した超強力サイケ爆弾！

1972年、フォーク・ブーム真っ只中の日本にエレキの神様が投下した超強力サイケ爆弾！収録曲のほとんどは、寺内タケシの「芸」と言える古典邦楽・民謡などのエレキ・カバーですが、ベンチャーズや他の日本のエレキ・バンドから想像するような音とはまったく違います。寺内タケシがつま弾くリード・ギターに所謂「てけてけ感」はみじんもなく、かなり重めでダーク。加えて、サイド・ギターのファズは強め。さらにベースの音量も大きくかなり前に出ています。なかでも、イントロがテープ逆回転の1曲目と、ベースのドライヴ感が強烈な７曲目の2曲の寺内オリジナル曲は、当時のサイケ、ハード・ロックの海外有名グループの作品と比較してもひけを取らない高水準の出来上がりです。以前は、寺内タケシは所詮ベンチャーズのフォロワーでしょ？ゲーノー界の人ですよね、と思っていた私ですが、それはまったくの偏見で食わず嫌いでした。「羅生門」を聴くことで、70年代日本のロックの沼が思ったよりも深いことを実感しました。ジャパニーズ・へヴィ・サイケの決定盤として、以前から海外好事家からの評判も高いようですが、今まで未聴だったかたにも、ガレージ・サイケの好盤として受け入れられることはまちがいありません。