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80年代にしては硬派ハードロック・ユーザー向け(0 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ガンマは、シンセサイザーを溢れんばかりに使っていながら、プログレ・ハードと呼ばれたことがありません。彼らの特徴は、乾いた冷たさにあります。シンセサイザーは情緒的なところが全くなく、クラフトワークがハードロックをやっているかのようです。そもそもロニー・モントローズが電子音を好きなのです。ハードロックと来れば、ハモンドに近い音色を選びたくなるものですが、ずっと無機的なブラス音、ストリングズ音で通しています。
6.Condition Yellow は、キーボードのミッチェル・フルームのセンスを発揮した曲で、「ブレードランナー」の背景にも使えそうな電子ハードロックです。才人デニー・カーマッシが、ジャーマン・ビートをまねているのも笑えます。
この作を聴いていると惜しいですね。カンザスよりも、フォリナーよりもずっと本格的なことをやっているのに。欠点はただひとつだけ。美メロがないことです。もしくはサミー・ヘイガーに歌わせたらもっと違ったものになったかも…と、いまだにモントローズの幻影から解き放たれていない自分であるのです。