「英プログレ界の貴公子」vln奏者/マルチ・ミュージシャン、85年作、シンクラヴィアを用いたアンビエント・ミュージックの傑作!
592円(税込651円)
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新世代「人力プログレ」fromイタリア(4 拍手)
waterbearerさん レビューをすべて見る
1989年発表。記憶違いかもしれないが、発売当時はLPのみのリリースだったと思う。ポンプロックfromイタリアということで、今となっては新鮮味はないが、当時は(少なくても日本の界隈では)話題になっていたと思う。
内容はまずまず良好。前半もよいが、後半ではさらにソプラノサックス、フルートなどの楽器、そしてグレゴリオ聖歌隊が彼らの演奏をより一層引き立る。この試みは成功の部類に入るのではないか。少なくても彼らが影響を受けたであろうMarillionよりもカラフルな印象を受ける。
ハイライトは2つの長い曲、M3のThe Coming(アコースティックギターのソロが素晴らしい)とM6のCarnac、コンパクトでテンポがいいM5のThe Big Rushである。
惜しい、というか宿命的なマイナスポイントはプロダクションが荒いので音のバランスが良いとはいえない。自主制作レベルでは仕方ないとはいえ、残念。気にならない人は気にしなくてもよいが。
それと、無理して英語で歌わなくてもよかったのではないか…いや、Voは彼じゃないほうがいいなんて口が裂けても言えない。まぁワールドワイドの夢を壊すこともないし、母語だったら上手く歌えたのか問題は解決しないだろう。
良くも悪くも「人力プログレ」の味が出ている力作、という評価だ。ジャケットの雰囲気も悪くないのでお財布に余裕があればどうぞ。