ON THE PEOPLE’S SIDE

こ、これは、ジャズ・ロック/チェンバー・ロックのファンに激カケレコメンド、カナダのバンド、驚異の72年作

カナダはトロント出身のジャズ・ロック・バンド、72年作。わぉ、このオープニング・ナンバー、か、かっこ良すぎる！ザッパの『ホット・ラッツ』が好きなら間違いなく驚くはず。マーチング・リズムからブラス・ロックにも通じるタイト＆グルーヴィーなリズム、小刻みな変拍子まで安定感抜群のリズム隊を土台に、キラキラしたエレピ、ちょっぴりカンタベリー的なハモンド、マイルス彷彿のトランペット（何とメンフィス出身のWayne Jackson）、ナチュラルなトーンでキレのあるリズム・ギターとタイム感バツグンのリード・ギターがめくるめく繰り広げるアンサンブルはテクニック＆センスともに抜群でかなりの完成度。淡いヴォーカルも良い感じだし、マグマばりのコーラスも飛び出したり、歌も素晴らしい。恐らく元々は、初期ブラッド・スウェット＆ティアーズ的なブラス・バンドだったんだと思いますが、マイルスやザッパのエッセンスも取り込んで、突然変異した感じ。ブラス・ロック出発の突然変異という点では、フランスのマグマの初期にも近いかも。これはジャズ・ロック、チェンバー・ロックのファンにはカケレコメンドの名作です。