ジェスロ・タルの初期を支えたベーシスト、グレン・コーニックと元アイズ・オブ・ブルー〜ビッグ・スリープのヴォーカル/ギター、G・P・ホプキンズを中心として結成されたグループ。本作は、72年に発表されたセカンドアルバム。鋭角なギター・リフをフューチャーしたハード・ロック・チューンとピアノの美しい旋律によるドラマティックなバラードをバランス良く配したオーソドックスなハード・ロック・アルバム。抜群のリズムチェンジで緩急を操るアレンジ、印象的なメロディーなど、どの曲も良く練られた佳曲揃い。聴き所はホプキンスのヴォーカルで、ハードな曲では張りのある太い声と抜群のリズム感で曲を盛り上げ、バラードではメロディーを包み込むように甘くしっとりと歌い上げています。好作。
「ピアノ・ロックが聴きたい!」〜『カケレコのロック探求日誌』一週間一気読み!〜
ピアノが使われているロック作品を集めました。
盤質: | 無傷〜傷少なめ | 傷あり | 傷多め
状態: | 良好 | 並 | 不良 |
※ 軽微なケースツメ跡あり
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トラッド、ブルーズ風味が散らされた英国ポップ(4 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
ジェスロ・タルの創業期を支え、ボブ・ウェルチと共にパリスのブレーン兼ベーシストだったグレン・コーニック。ねじれたヘビーロックをやっているのだろう、という予想を覆しセンスのあるブリティッシュ・ポップです。コーニックは業界リベンジを狙っていたのでしょう。ボーカルのゲイリー・ピクフォード・ホプキンズは、色気のある高音で魅力があります。ただし、ポップ王道というわけにはいかず、やっぱり聴いて喜ぶのはB級ロック・ユーザーかと思います。
ギタリストに苦労したようで、ファースト「Battle Hymn」から交代しています。"トゥェキ"・ルイスが電気ギターとアコースティック・ギター、ミック・ダイクがスライドを弾く、という具合に分業体制をしいています。3.A Universal Man、5.Ballad Of Chuck Stallion & The Mustangsでは、ルイスのギターが聴きもの。このアルバムではジェフ・ジョーンズがドラムズですが、初期のターキーではジョン・ウェザーズ(ジェントル・ジャイアント)も在籍していた模様です。ベースに加えてコーニックが鍵盤を担当していて、ピアノがリードしていく曲も多いです。曲を書いているのはほとんどコーニックです。
5.Ballad Of Chuck Stallion & The Mustangsは進行といい、絶叫といい、「ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリー」によく似ています。6.The Streetは、鼓笛隊ドラムズがアンドロメダを思い出させます。全体の雰囲気はマーキュリー時代のロッド作品に近いと思いました。7.See You Next Tuesdayは、3+5拍子のインスト曲で、ピアノ、ギターのソロ・パートがあります。これがジェスロ・タルの「リヴィング・イン・ザ・パスト」を思い起こさせるんですよ。タルで築いたセンスがこのグループの根底にあることは間違いありません。
ベーシストとしてのコーニックは、パリスほど(いい意味で)変ではありません。太くて、メロディのわかるベースです。パリス大好きな人が聴いても、あれれという感じでしょうか。ちなみにターキーは90年代に復活しています。