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二人のハード・ギター小僧(5 拍手)
たすけさん レビューをすべて見る
パット・トラバーズの知名度って低いです。ギタリストの人気投票なんかでも名前上がってきたのを見たことありません。息の長い活動をしている人で、わたしも全史を知っているわけではないです。70年代の後期、ハードロックのあらかたの方法論が出尽くしてしまった時期にこのライブは出ています。フュージョンがかったブルーズ・ギタリストというのがこの時期の特徴。メンバー4人とも上手くて、速くて、ゆらぐことがありません。4人編成なのにリード・ギタリスト二人(パット・スロール)というのが前代未聞です。
全体をリードするのは、実はベースのマーズ・コウリングです。彼の動き回るベースがあって、両パットが好きにやれている演奏です。4曲めが、リトル・ウォルターの「ブーム・ブーム(アウト・ゴー・ザ・ライツ)」でスピード感あるブルーズ。余裕あることにコール・アンド・レスポンスまでやっています(最後ヘンドリックスで締めるところが憎い…)。ほかの曲はファンク色の濃いハードロックです。
トラバーズは、近年ブルーズしか興味なくなったということで趣味的なブルーズCDばかり出しています。だから70年代のキラキラ光るハードロックは貴重。この前後のスタジオ録音も優れているので、お見知りおきを。2022.04.24