【定番】SOLARIS-> 【新鋭】AFTER CRYING
管弦やシンセサイザーをフル活用した壮大なスケールで描かれるハンガリー・プログレをテーマに、ハンガリー・プログレ史上の名作SOLARISの84年作『MARSBERIKRONIKAK』と、ハンガリー新鋭AFTER CRYINGによる11年作『CREATURA』をご紹介いたします。
東欧においてはポーランドと並んでプログレ大国として知られているのがハンガリー。70年代にはOMEGAやLOCOMOTIVE GTらを代表に、ブリティッシュ・シーンより受けた影響をハンガリー本来の民族色溢れるサウンドに取り入れたハード・ロック・タイプのプログレが多く誕生。80年代にはEASTやSOLARISなど陰影豊かでスペイシーなシンセをフィーチャーしたシンフォニック・ロックが主流となりました。90年代から現在に至る、スケール感のあるサウンドを中心とするハンガリーのシーンを見ると、この80年代からの流れが脈々と受け継がれていることがわかります。
さて、ハンガリー・プログレの60~70年代を代表するバンドがOMEGAだと考えれば、80年代を代表するのがSOLARISだと言って間違いないでしょう。しかも彼らは84年に発表したたった一枚の作品だけでそこまでの評価をされるようになったわけですから、その一枚の持つ重要度は非常に高いと言えるのではないでしょうか。
では東欧プログレの金字塔とも評される本作から、こちらの2曲をお聴きいただきましょう。
アメリカのSF作家ブラッドベリの作品『火星年代記』をテーマに採った本作は、そのテーマ通りスペーシーなシンセサイザーがSF的世界観を演出し、その中でハードエッジに唸りを上げるギターと虚空に響くフルートが力強くも物悲しいストーリーを綴っていく、壮大なるロック・シンフォニー。
2曲目に顕著なように、無機的なトーンを持つシンセもエネルギッシュかつヘヴィーなアンサンブルの中心を担う熱い演奏を聴かせます。シンセ本来の人工的でクールを質感とは裏腹な演奏におけるエネルギッシュさとのギャップは、このバンドの持ち味ともなっています。
しかしそんな熱気あふれる演奏の中にもどこか無常感とも形容すべき雰囲気を漂わせているのが、本作特有の魅力なのかもしれません。原作小説の世界観を見事に浮かび上がらせた、東欧プログレ随一の人気を誇る作品というのも納得の完成度を持つ一枚ですね。
なお、彼らはこれまでにSOLARISとして3枚のスタジオ作品を発表していますが、99年発表の『Nostradamus』は今回ご紹介した84年作をさらにスケールアップしたかのような壮大な世界観が魅力の一枚。以前に比べ民族的なアプローチも増しており、よりハンガリーのバンドらしい演奏が繰り広げられている力作となっていますので、是非聴いてみていただきたいと思います。
さてそれでは新鋭の紹介へまいりたいと思います。しかしこのAFTER CRYINGというバンド、新鋭とは言っても結成は86年。つまりすでに30年に迫るキャリアを持つバンドなのですが、作品をリリースするごとにますますその創造性は高まってきており、11年には凄まじいテンションとオリジナリティを内包した傑作を発表してきましたので、ハンガリー・プログレの最新鋭のサウンドとしてご紹介したいと思います。では早速その11年作『CREATURA』からのナンバーをお聴きいただきましょう。
鮮烈なピアノ、ヘヴィーにうねるギター、華麗に舞うブラス・セクションらがハイテンションに絡み合う、息をのむ怒涛のアンサンブル。かつての純室内楽的なサウンドを基調とし、そこにEL&P的な疾走感やCRIMSON的ヘヴィネスを取り入れてきた音楽性から、個性という点で格段のレベルアップを果たしたことが一聴して伝わってくる演奏です。
しかしエネルギッシュで壮大な印象とともにどこか混沌とした狂気めいたものも感じられるのがこのバンドの特徴。その点ではベルギーのアヴァンギャルド・チェンバー・バンドX-LEGGED SALLYとも近い質感を持ちますが、彼らをより外側に向けスケールアップさせた印象とも言えるのかもしれません。チェンバー・バンドとしての出自を物語る、スリリングな緊張感に満ちたサウンドが従来より一層際立っています。
90年代初頭にクラシカルなチェンバー・グループとして始まり、往年の名バンドたちの影響下で進化を続け、ついに独自の音楽性を手に入れたという感を抱かせる本作。まさに一皮むけたという表現がぴったり来る、ワールドワイドな観点で見ても現在のプログレシーンを牽引するバンドとしての風格を纏った一枚となりました。
これは今後も引き続き期待を大にして新作を待ちたいグループの一つです。
今回はハンガリー・プログレをテーマにお送りしてまいりましたが、お楽しみただけましたでしょうか。今後も英米、イタリアなどとともにプログレの中心地の一つとして存在感を見せていくであろうハンガリー・プログレ・シーン。これからも注目してまいりたいところです!
84年作の1stより。荘厳なシンセ、格調高いピアノ、たおやかなフルート、スリリングな泣きのギターを中心に、1音1音が有機的に結びついたダイナミックなアンサンブル。叙情性と緊張感が調和した圧倒的な構築美、これぞシンフォニック・ロックの一大傑作。
73年作の代表作となった5thアルバムより。ハードなパートでの重厚なオーケストラ、メロディアスなパートでのクラシカルなストリングスともに特筆もの。楽曲の振幅がグッと増しています。東欧プログレを代表する傑作。
82年作の2ndより。陰鬱な美しさを湛えた叙情性は間違いなく日本人好み!透明感溢れるシンセサイザー、エッジの効いたギターを中心とする洗練されたバンド・アンサンブルに被さる荘厳なオーケストレーション。爽快です!
78年作1st。アコースティック・ギターとピアノによるリリカルなパートを巧みに配したドラマティックな構成美。胸を打つセンチメンタルなヴォーカルと詩情豊かなメロディ。溢れ出すソリーナとストリングスによるクラシカルな叙情美。
77年作の1stより。ジャズのエッセンスを感じさせるエレピからシンフォニックなシンセまで幅の広いキーボード。土台を築くギター&リズム隊は思いのほかゴリゴリとタイト&ハード。この雑食サウンドこそハンガリー・プログレの醍醐味。
元OMEGAのKey奏者、Presser Gaborによるグループ、72年作の2ndより。緩急自在にアグレッシヴに畳みかけるナンバー。変則的なリズムのギター、クラシカルなピアノなどによる、起伏に富んだせわしない展開は聴き応え充分。
94年の3rdより。Keith Emersonが乗り移ったかのような躍動感溢れるアグレッシヴなピアノを中心とするテンション溢れるシンフォ・プログレ。複雑な変拍子を軽々とこなすシャープなドラムなど、他メンバーの力量も半端ではありません。
96年の6thより。室内楽的な管弦楽器や壮大なオーケストラはそのままに、クリムゾンばりの凶暴性や現代的なヘヴィネスを加えた圧倒的なダイナミズムを聴かせます。鋭利な攻撃性とオーケストラの瑞々しさが共存したサウンドは、唯一無二!
00年作の2ndより。表情豊かに全編で引き倒しているキーボードを中心に、瑞々しく躍動する管弦楽器、爽快なコーラス隊が織りなすアンサンブルはスケールが大きくダイナミックなもの。止めどなく溢れ出る叙情的なフレーズの数々には圧倒されます。
07年のデビュー作より。たおやかなアコギをバックにフルートがリリカルに舞い、溢れんばかりにメロトロンが鳴らされる!極めつけは、美声の女性ヴォーカル!ファンタスティックなシンフォニック・ロックとして一級品の傑作。
管弦楽器奏者を含む大所帯グループ、2010年作2ndより。「動」と「静」の対比が鮮やかな『鮮烈』なシンフォニック・ロック!クラシック、民族音楽を中心に、ロックのダイナミズムを加えた、西洋音楽史を総括したような壮大な作品。
08年作より。シンフォニックなキーボードを軸に、優美なリコーダーやフルート、哀愁溢れるヴァイオリンが舞い上がるパートは言葉を失う美しさ。そこにクラシカルなタッチのギターがダイナミズムを注ぎます。ノスタルジックかつ鮮烈!
96年結成のハンガリー産ジャズ/チェンバーロックグループ。11年作。多国籍構成のメンバーが奏でる異国情緒に溢れた叙情的な旋律と、カンタベリー影響下のしなやかなテクニカルさ、そしてチェンバー/レコメン影響下のユーモアが鮮やかに融和した大傑作!
ハンガリーを代表するプログレッシヴ・ロック・グループ。04年のメキシコでのライヴを収録したCD+DVD。
ハンガリーを代表するシンフォニック・ロック・バンド。ユーロ・ロック屈指の傑作と言えるデビュー作『火星年代記』をメインにした2014年のライヴ音源。2014年リリースの『火星年代記』の続編『II』からも演奏しています。オリジナル・メンバーのRobert Erdescによるクラシカルなピアノやスペーシーで荘厳なキーボード、そしてAttila Kollarによるエキゾチックかつメランコリックなフルート。東欧らしい奥ゆかしさと重厚さと民族舞踏音楽的な躍動感とが混ざり合ったマジカルなサウンドが明瞭な音質で時を超えて蘇っています。『火星年代記』のファンは必聴の逸品です。
ご存じ名実ともにハンガリー・プログレを代表するバンド。彼らの代表作である『火星年代記』の続編的楽曲「Marsbeli Kronikak III」を収録した22年リリース4曲EP。19年作『NOSTRADAMUS 2.0』を聴いた時にも思いましたが、約40年を経ても彼らは脇目も振らず全力でSOLARISたろうとしているのだな、と思わせてくれるサウンドが詰まっています。哀切極まるフルート、アグレッシヴに疾走するオルガン、ここぞで炸裂する泣きのギター、そしてドラマティックに押し寄せるシンセ!どこまでも荘厳で張り詰めたSOLARIS節とも表現すべきパフォーマンスを本作でもブレることなく展開。その生真面目なまでのプロフェッショナル精神に、感動やら微笑ましさやらが入り混じった思いがこみ上げてきます。中でもやはりM4「Marsbeli Kronikak III」は素晴らしく、アコースティック・ギターを効果的に用いた民族フレイヴァー香る序盤の展開から、多声コーラス&ハンドクラップが沸き起こる圧倒的な終盤の展開まで、12分弱というのが信じられないほどに濃密な一曲となっていて必聴です!
彼らのライヴで配布された特典DVD。残念ながらフルのライヴ映像ではなく、90年代のライヴ映像やヴィデオ・クリップなどをダイジェスト編集した16分強の映像集です。コアなSOLARISファン向け。
80年代から活躍するハンガリーを代表するプログレッシヴ・ロック・グループ。95年のLAでの「PROGFEST」出演時、名作『火星年代記』の楽曲を中心とする熱狂のライヴDVD。バンド結成30周年を記念してのバンド自主制作によるオフィシャル・ブートレッグ。全14曲、90分を越えるフル収録。
80年代から活躍するハンガリーを代表するプログレッシヴ・ロック・グループ。95年のLAでの「PROGFEST」出演時のライヴ音源。
SMP004/5(SOLARIS MUSIC PRODUCTIONS)
2枚組、デジタル・リマスター、街と青空のジャケット(オリジナル盤とはジャケット違い)
レーベル管理上、盤にキズが多めにある場合・ジャケットに若干折れが場合がございます。ご了承ください。
ハンガリーを代表するプログレッシヴ・ロック・グループ。99年作。ノストラダムスをテーマにしたコンセプト・アルバムで、シンセとフルートを軸に、混声コーラスやイマジネーション溢れるSEが空間を埋め、ハードなギターが重厚なメロディを奏でる、荘厳極まりないシンフォニック・ロック。圧倒的な音の厚みと重さ。名作です。
東欧のみならずユーロ屈指と言えるシンフォニック・ロック傑作『火星年代記』を84年に残したハンガリーの名グループによる、『火星年代記』の続編として制作された2014年作。オリジナル・メンバーのRobert Erdesz(Key)、Attila Kollar(Flute)、Laszlo Gomor(Dr)を中心に録音されていて、深淵なトーンで荘厳に鳴り響くシンセ、時に幻想的に流れ、時に躍動するフルートなど、往年の重厚なるサウンドが見事に蘇っています。力強くタイトなリズム隊、伸びやかに奏でられるギターなどによるモダンなサウンドとのバランスも絶妙。スラヴ的なエキゾチズムも盛り込みつつ、これでもかとドラマティック&エネルギッシュに展開していく壮大なシンフォニック絵巻が圧巻なさすがの傑作と言えるでしょう。
ハンガリーを代表するシンフォニック・ロック・バンド。ユーロ・ロック屈指の傑作と言えるデビュー作『火星年代記』をメインにした2014年のライヴ映像。2014年リリースの『火星年代記』の続編『II』からも演奏しています。オリジナル・メンバーのRobert Erdescによるクラシカルなピアノやスペーシーで荘厳なキーボード、そしてAttila Kollarによるエキゾチックかつメランコリックなフルート。東欧らしい奥ゆかしさと重厚さと民族舞踏音楽的な躍動感とが混ざり合ったマジカルなサウンドが明瞭な音質で時を超えて蘇っています。『火星年代記』のファンは必聴の逸品です。
5998272703307(SOLARIS PRODUKCIOS)
DVD、PAL方式、リージョン記載なし、ブックレット元から無し
レーベル管理上の問題により、盤面にキズが多めについております。予めご了承ください。
名実ともにハンガリー・プログレを代表するバンドと言える彼らの2019年作。99年にリリースされた『NOSTRADAMUS』の続編となっています。いやはや今作も怒涛の熱量とスケール!!女性ヴォーカルも伴ってエネルギッシュに渦巻くコーラスが全編に配された壮大なサウンドで聴き手を飲み込むようなスタイルは99年作そのまま。終始力みっぱなしで生真面目なまでに厳粛なサウンドにもかかわらず、テーマも反映してかどこかMAGMAにも通じる呪術的な世界観が形成されていくサウンドが印象的です。デビュー作『MARSBELI KRONIKAK』からの持ち味である尺八のように鳴らされる激しいフルートと太くうねりのあるシンセサイザーのコンビネーションももちろん冴えわたっておりやはり素晴らしい。冒頭34分の大作が圧巻ですが、哀愁を帯びたメロディアスなギターも活躍する他の曲も魅力的です。有無を言わせぬ迫力で押し寄せてくる、唯一無二のSOLARISワールドを堪能できるシンフォニック・ロック傑作です。おすすめ!
直輸入盤のため、ジャケットに若干ツメ跡等ある場合があります。ご了承ください。東欧を代表するハンガリーのプログレ・グループ、03年作。クラシックとヘヴィ・ロックとの融合という近作の音楽性をベースに、ワールド・ミュージックやポスト・ロックまでも飲み込んだ、相変わらずスケールの大きな作品に仕上がっています。男性ヴォーカルを新たに迎えており、退廃的な雰囲気のエモーショナルな歌声がサウンドの荘厳さを一層引き立てています。無機的なパートと感情的なパートとが織り成す、格調高くも沸々としたエネルギーを感じる逸品。
00年10月に行われたフル・オーケストラとの共演ライヴを収めた作品。
東欧を代表するハンガリーのプログレ・グループ、前作から8年ぶりとなる2011年作。管弦楽が重厚に迫るオープニングから、いきなり映画のクライマックスのような凄まじいテンション!静寂の後、モダンな鮮烈さとヴィンテージな温かみとが絶妙にバランスしたギターが音の壁を築き、ヴォーカルが伸びやかに歌い上げる。キレのある変拍子のブレイクを織り交ぜながら、ドラマティックに展開していきます。効果的に配されたSEや格調高いピアノなど、ヘヴィなパートでも常に映像喚起的で洗練された音像が印象的。「西」「北」「東」「南」とタイトルが付けられたコンセプト作で、曲間なく、「静」と「動」を鮮やかに対比させながら、ダイナミックに聴き手を様々な音世界へと連れて行きます。イタリアのHOSTSONATENの四季シリーズと供に、現代プログレの最高峰と言えるスケールの大きさ。ずばり大傑作です!
直輸入盤のため、ジャケットに若干ツメ跡等ある場合があります。ご了承ください。今や東欧プログレシーンの大御所となったハンガリーのシンフォニック・ロック・バンド、89年カセットリリース作が初CD化。90年代に入ると、その派手で大仰なシンフォニック・ロックとKING CRIMSON的へヴィネスを武器に東欧を代表するバンドへと一気に駆け上がった彼らですが、本作で聴けるのは、ピアノ、バイオリン、チェロ、フルートのカルテットを基本にした、ダークでチェンバーなアンサンブル。同カセット作である「OPUS 1」と同じ路線と位置付けられますが、「OPUS 1」よりもプログレ的な音楽性へのシフトが認められており、非常に興味深い内容となっています。またボーカルナンバーも配置されており、女性ボーカルによる辺境的なエキゾチックさもプログレファンにはうれしいところ。チェンバー・ロックと言うことでかなりアカデミックな作風ではあれど、90年代のパワフルなシンフォニック性とはまた違った、彼らの源流が確認できる興味深いアーカイブの1つとなっています。
今や東欧プログレシーンの大御所となったハンガリーのシンフォニック・ロック・バンド、89年カセットリリース作が初CD化。90年代に入ると、その派手で大仰なシンフォニック・ロックとKING CRIMSON的へヴィネスを武器に東欧を代表するバンドへと一気に駆け上がった彼らですが、本作はチェンバー・ロック期AFTER CRYINGの貴重なライブテイクを収めており、ピアノ、フルート、チェロのトリオ編成でアカデミック且つ、室内楽編成のハンディなど感じさせない攻撃的なサウンドを展開しています。やはり東欧産バンドということで、その重厚さや大仰さは他のバンドを寄せつけない、初期の時点ですでに孤高の域に達しています。アカデミックでアヴァンギャルド、クラシカルでダイナミックなプレイの応酬はやはり特筆すべきものであり、真にプログレッシブな精神性を持った、稀有のグループであると言えるでしょう。90年代のパワフルなシンフォニック性とはまた違った、彼らの源流が確認できる興味深いアーカイブの1つとなっています。
東欧を代表するハンガリーのプログレ・グループ、クラシカルなインスト曲を中心に選曲された98年リリースのベスト盤。新曲4曲を追加収録。
直輸入盤のため、ジャケットに若干ツメ跡等ある場合があります。ご了承ください。東欧を代表するハンガリーのプログレ・グループ。94年の3rd。室内楽的な1st&2ndとは異なり、本作で聴けるのは、キース・エマーソンが乗り移ったかのような躍動感溢れるアグレッシヴなピアノを中心とするテンション溢れるシンフォ・プログレ。複雑な変拍子を軽々とこなすシャープなドラムなど、他メンバーの力量も半端ではありません。1stからの持ち味であるクラシカルな優美さも相変わらずで、格調高くリリカルなアコギや管弦楽器もたいへん魅力的。全ての音に息吹きが感じられる圧巻の構築美。凄まじいテクニックと豊かな音楽性を誇る圧巻の名作です。
東欧を代表するハンガリーのプログレ・グループ。96年の4th。前作で大活躍だった鍵盤奏者が脱退しましたが、アンサンブルのテンションとダイナミズムは全く落ちていません。室内楽的な管弦楽器とロバート・フリップ譲りのスリリングなギターを中心に、オーケストラを鮮やかにフィーチャーした壮大なシンフォニック・ロックを聴かせています。圧倒的なイマジネーションとスケール。前作に引き続き、文句なしの傑作!
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