オランダの名ジャズ・ロック・バンドSUPERSISTERの70年デビュー作『PRESENT FROM NANCY』 – 【ユーロロック周遊日記】

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本日の「ユーロロック周遊日記」は、オランダのプログレッシヴ・ロック・グループSUPERSISTERの70年デビュー作『PRESENT FROM NANCY』をご紹介いたしましょう。

カンタベリー・スタイルのバンドとしてユーロ・ロックのファンに人気のグループですが、ほぼ同時期に活動していることから、カンタベリーのグループのフォロワーというよりは、R&B～サイケデリック・ロックを出発点に、オルガンやフルートをフィーチャーしながらジャズ・ロック化する中で同じようなサウンドにたどり着いたバンドと言えるかもしれません。

その点で、北欧はフィンランドのWIGWAMに似た存在と言えると思います。

前身となるバンドの結成が65年。67年にSUPERSISTERに改名して活動を続けながら、Polydorと契約し、70年に『PRESENT FROM NANCY』でデビューします。

70年と言えば、ソフト・マシーンは『3RD』、キャラヴァンは2nd『キャラバン登場』、エッグは1stと2nd、ウィグワムは2nd『Tombstone Valentine』をリリースした年になりますね。

それでは、早速、SUPERSISTERの音を聴いてみましょう。

アンサンブルのクールな切れ味はソフト・マシーンにも負けていないですし、柔らかな歌心や牧歌性はキャラヴァンにも負けない魅力がありますし、アヴァンギャルドな暴力性はエッグばり。

同時代のオランダにこれほどのサウンドを奏でるグループが居たとは、本当にユーロ・ロック奥深し。

キャラヴァンが『グレイとピンクの地』をリリースし、遠くフィンランドではウィグワムが代表作『FAIRYPORT』をリリースした翌71年、SUPERSISTERは、その2作品にも勝るとも劣らないシャープかつ柔らかな陰影美に富んだ2nd『TO THE HIGHEST BIDDER』をリリースします。

SUPERSISTER、いかがでしたか？

彼らの出身は北海沿岸の町、ハーグ。

ハーグでは、1976年からノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルが開催されるなど、カンタベリーと同じくジャズに通じたミュージシャンが多かった土地なのかもしれません。

そんなハーグが生んだジャズ・ロック・バンドがSUPERSISTER。秋の夜長に彼らの音にじっくりと耳を傾けてみましょう。

カンタベリー・ファンにオススメのユーロ・ロック・バンドを特集したのがこちらのジュークボックス。あわせて是非。

オランダのグループを特集したジュークボックスはこちら。

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