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netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』連動 新世代プログレッシブ・ロックと女性ミュージシャン Volume 2

本記事は、netherland dwarf のコラム『rabbit on the run』第44回 KOTEBEL / Concerto For Piano And Electric Ensemble (Spain / 2012)に連動しています

プログレッシブ・ロック・シーンにおける女性ミュージシャンと言えば、RENAISSANCEのAnnie HaslamやCURVED AIRのSonja Kristinaに代表される「ヴォーカリスト」の印象が強いことでしょう。事実、新世紀以降のシーンにおいても「女性ヴォーカリスト」というキーワードは、プログレッシブ・ロックのサブ・カテゴリーのひとつと言えるほど大きな注目を集めています。しかし、1990年代初頭のプログレッシブ・ロック復興に多大なる貢献を果たしたスウェーデンのANEKDOTENやANGLAGARDがそうであったように、新世代のプログレッシブ・ロック・グループの中には、「非ヴォーカリスト」の女性ミュージシャンを擁する例も散見されるようになってきました。


INES / Slipping Into The Unknown (Germany / 2002)

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ドイツの女性キーボーディストInes Fuchsによるプロジェクト・グループINESは、スウェーデンのANEKDOTENやANGLAGARDによるプログレッシブ・ロック復興から間もない時期に登場しました。94年のデビュー・アルバム『Hunting The Fox』は、ドイツを代表するシンフォニック・ロック・グループANYONE’S DAUGHTERのヴォーカリストHarald Barethが参加したことで話題となりましたが、その後もINESはリリースを重ね、2002年作『Slipping Into The Unknown』ではワールド・ミュージックに通じるスケールを持ったシンフォニック・ロックを作り上げました。



THE GATHERING / Disclosure (Holland / 2012)

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プログレッシブ・ロック・ファンからも高い評価を獲得しているオランダのゴシック・ロック・グループTHE GATHERINGには、2004年から女性ベーシストMarjolein Kooijmanが在籍し、リズム・セクションを支えています。2012年作『Disclosure』では、前2009年作『The West Pole』から加入したノルウェー出身女性ヴォーカリストSilje Wergelandの存在がグループに定着。プログレッシブ・ロックで例えるならば、PAATOSやWHITE WILLOWといった北欧グループたちに通じる幽玄なサウンドを聴かせています。


INDUKTI / S.U.S.A.R. (Poland / 2004)

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女性ヴァイオリン奏者Ewa Jablonskaを擁するのが、ポーランドのプログレッシブ・ロック・グループINDUKTIです。同郷RIVERSIDEのヴォーカリストMarius Dudaを迎え製作されたデビュー・アルバムである2004年作『S.U.S.A.R.』は、イギリスのKING CRIMSONからスウェーデンのANEKDOTENへと受け継がれていったへヴィー・プログレッシブ・ロックを、東欧グループならではの硬質な音作りで再提示した内容。グループは、アメリカのNearfestやメキシコのBaja Progといった有名プログレッシブ・ロック・フェスティバルのステージも経験しています。


FIVE-STOREY ENSEMBLE / Not That City (Beralus / 2013)

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ベラルーシのチェンバー・ロック・グループRATIONAL DIETは、2010年作『On Phenomena And Existences』をリリース後に音楽性の違いを理由に分裂。ヴァイオリニストKirill Krystiaを中心とするTHE ARCHESTRA、そして女性キーボーディストOlga Podgaiskajaを中心とするFIVE-STOREY ENSEMBLEが結成されました。THE ARCHESTRAがダイナミックなチェンバー・ロックを継続させRATIONAL DIET直系のアプローチを聴かせる一方で、FIVE-STOREY ENSEMBLEには女性ミュージシャンが舵を取るグループならではの聡明さや品格が感じられます。


QUATERNA REQUIEM / O Arquiteto (Brazil / 2012)

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女性キーボード奏者Elisa Wiermannを中心に結成され、90年にアルバム・デビューを果たしたのがブラジルのクラシカル・ロック・グループQUATERNA REQUIEMです。ヴァイオリン奏者Kleber Vogel とのユニットWIERMANN & VOGEL 名義を除くと18年ぶりのスタジオ・アルバムとなる2012年作『O Arquiteto』は、「建築家」をコンセプトに製作されたトータル・アルバムであり、収録楽曲のタイトルにはそれぞれドナト・ブラマンテ、フランソワ・マンサール、フランク・ロイド・ライト、アントニ・ガウディ、オスカー・ニーマイヤーといった名だたる建築家たちの名前が並びます。


ANIMA MUNDI / The Lamplighter (Cuba / 2013)

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2002年に登場し、南米を代表するプログレッシブ・ロック・グループへと成長を遂げたのが、女性キーボーディストVirginia Perazaを擁するキューバのANIMA MUNDIです。彼らが生み出すサウンドは突き抜けるようなシンフォニック・ロックであり、アメリカのSPOCK’S BEARDやスウェーデンのTHE FLOWER KINGSといった、現行シーンを代表するグループたちとの比較も納得の普遍性を持っています。ロック後進国で活動するプログレッシブ・ロック・グループでありながら、そのハンディキャップを一切感じさせないシンフォニック・サウンドは、Virginia Perazaによる卓越したキーボード・オーケストレーションによって作り上げられているのです。


Andrea Gonzalez / Progresivo Instrumental (Argentina / 2017)

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缶ケースによる特殊パッケージの演出が目を引くのが、アルゼンチンの女性キーボーディストAndrea Gonzalezによる2017年作『Progresivo Instrumental』です。本作は、そのタイトルの通りギタリスト、ベーシスト、ドラマーのサポート・ミュージシャンを従えインストゥルメンタル構成のプログレッシブ・ロックに挑んだ意欲作となりました。Andrea Gonzalezはエレクトリック・ピアノ、ロック・オルガン、アナログ・ライクなシンセサイザー・リード、そしてメロトロン・サウンドなどヴィンテージな音色を操り、リーダーシップを発揮しています。


KOTEBEL / Concerto For Piano And Electric Ensemble (Spain / 2012)

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文・市川哲史

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