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2017年プログレ/シンフォ注目の新譜特集【新鋭編】

1993年にリリースされたアネクドテンによる衝撃のデビュー・アルバム『暗鬱』。キング・クリムゾンをはじめとする70年代プログレッシヴ・ロックのDNAを受け継ぎつつ、オルタナティヴ・ロックの粗野なヘヴィネスも加え、新たな感覚で新世代プログレッシヴ・ロックが轟音メロトロンとともに高らかに鳴らされました。

それ以降、アネクドテンを輩出したスウェーデンに負けてなるものか、とばかりにイタリアでも数多くの70年代イタリアン・ロックのDNAを継ぐバンドが生まれ、さらに、本場イギリス、ユーロ各国、南米や北米でも、往年と変わらぬ勢いで続々と新鋭プログレ・バンドが生まれました。

アネクドテンを率いるNicklas Barkerは1969年生まれ、イタリアで数多くのプログレ・バンドを率いる奇才Fabio Zuffantiは1968年生まれで、ともに60年代末に誕生しているのは偶然ではないはず。リアルタイムで70年代プログレを聴いていない後追い世代が、90年代ロックと並行して70年代プログレを再発見し、プログレのフォーマットに新鮮な驚きを感じ、そのフォーマットの中でリアルタイムのロックとして鳴らしたサウンドこそ新世代プログレッシヴ・ロックであると言えるでしょう。

00年代に入っても新鋭プログレ・シーンの勢いはおさまらず、70年代サウンドへのオマージュに満ちたバンドから、さらにポスト・ロックなども取り込みながら進化していくバンドまで、世界各国を舞台に音の幅を広げながら、次々と鮮烈なる作品を生み出しています。

はたして2017年にはどういった名作が誕生するのでしょうか。

本記事は、新たな作品が入荷するたびアップデートしていきます。

是非、ブックマークして最新のプログレッシヴ・ロック・シーンの動向をチェックいただければ幸いです。

それでは、世界の新鋭プログレ作品をめぐる探求の旅へといざ出発!


1ヶ月以内入荷の新譜

【イギリス】MAGENTA/WE ARE LEGEND

活動歴17年目というベテランバンドとは思えない英国叙情溢れるこの瑞々しいアンサンブル!ポップにもドラマチックにも自在なクリスティーナ・ブースの美声ヴォーカルも素晴らしいし、この17年作もMAGENTA以外にありえないサウンドがたっぷりと楽しめます☆

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【イギリス】MAGIC BUS/PHILLIP THE EGG

冒頭から人懐っこいトーンのギターとフルートが優しく彩る、キャラヴァン「GOLF GIRL」を想い起こさずにはいられないほのぼのカンタベリーサウンドが飛び出してきてビックリ!動画からもキャラヴァンや70年代英ロック・バンドへの憧憬が滲み出ていて素敵です☆

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【イギリス】KINKY WIZZARDS/QUIRKY MUSINGS

EDEN SHADOWのギタリストと現MAGENTAのドラマーらが結成したトリオなんですが、所属バンドからの予想を裏切るファンキーなジャズ・ロックが飛び出してきてビックリ!でもこれが凄まじいカッコよさで悶絶・・・。

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【イタリア】MALUS ANTLER/OSIMANDIA

ピンク・フロイドとキャメルが合わさったような浮遊感とまろやかな優美さが同居するサウンドをベースに、ひらひらと舞うような優雅なクラリネットが活躍するアンサンブルはイタリア新鋭の中で一際異彩を放ちます。ずばり一筋縄ではいかないナイスバンド!

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【イタリア】GLINCOLTI/AD OCCHI APERTI

ハード・ロックのエッジやジャズ・ロック的クールネスを合わせ持ちスリリングにフレーズを紡いでいくギターを軸とするギタートリオ編成のインスト・グループ。陰影のあるジャジーなタッチで格調高いヴァイオリンや清涼感ある女性ヴォカリーズとエモーショナルな交歓を見せるパートが特に見事!

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【イタリア】IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE/IL-LUDERE

現イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・シーンを牽引する彼らの17年作ですが、なんと元ANGLAGARDのドラマーMattias Olsonが全面参加!伊ヘヴィ・シンフォ伝統のエネルギーみなぎる重厚なサウンドと、北欧的センスと言える洗練されたシャープな音像が一体となり、唯一無二のスタイリッシュなヘヴィ・シンフォ・サウンドを形成。名盤!

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【イタリア】ACCORDO DEI CONTRARI/VIOLATO INTATTO

カンタベリー風味を感じさせた従来作から、中期クリムゾンばりのテンションみなぎるヘヴィ・ジャズ・ロックへと舵を切った衝撃の17年作。浮遊感あるアブストラクトなパートから一気に爆発的な疾走を始めるアンサンブルは、もはやハード・ロック的と言ってもいいギラギラとしたエネルギーを放出していて実に痛快!

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【ノルウェー】BJORN RIIS/FOREVER COMES TO AN END

今ノルウェーで最も勢いのあるプログレ・バンドと言えるAIRBAGのギタリストによる17年ソロ作。自身の幻想的でエモーショナルなギタープレイを軸とする、雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ名品

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【スウェーデン】CARPTREE/EMERGER

スウェーデン、荘厳なキーボードがそそり立つシンフォ然とした壮大なサウンドメイクと従来のジェネシス色を融合したハイクオリティな17年作!ピーガブそっくりのヴォーカルも見事に生かしているし、7年ぶりの新作という長らくの期待にしっかり応えてくれる力作です!

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【アルゼンチン】NEXUS/EN EL COMIENZO DEL TOPOS URANOS

アルゼンチンが誇るシンフォ・グループの5年ぶりとなる17年作が登場!エマーソン直系のアグレッシブなキーボードが唸りを上げ、哀愁と緊張感が絶妙に同居するギターがメロディアスに舞う!今作でも変わらずのNEXUS節が炸裂していてファンなら間違いなくガッツポーズ!

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【アルゼンチン】NAU ALETHEIA/LOS MISTERIOS DE ELEUSIS

なんと、あのアルゼンチン・ロック史上の名盤を残したBUBUのヴァイオリニストが率いるグループだって!?一聴してクリムゾン色濃厚なヘヴィ・プログレ・サウンドが圧倒的ですが、その中に息づくBUBU譲りのヘヴィでダークな質量感と南米的リリシズムに感動。

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【フィンランド/イタリア/アメリカ】SAMURAI OF PROG/ON WE SAIL

シンフォファン要注目のイタリア/フィンランド/アメリカのミュージシャンによる多国籍プログレ・バンド、17年作!HOSTSONATEN、WHITE WILLOW、ECHOLYNなど各国の実力派バンドのメンバーをゲストに迎え、スケール大きくどこまでもファンタスティックなシンフォニック・ロックを構築。作を重ねるごとに壮大になっていくサウンドに圧倒されますよ♪

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【国別ピックアップ】

イギリス

ALAN REED/HONEY ON THE RAZORS EDGE

PALLASでの活動で知られた名シンガーが放った17年作。

ピーター・ガブリエルに耽美な艶っぽさを加えたようなReedのヴォーカルは相変わらずの素晴らしさで、
存在感あるヴォーカルを存分に生かした抜けの良い歌ものシンフォニック・ロックを構築。

S.Hackett、MAGENTAのVo=Christina Booth、フランス新鋭LAZULIでオリジナル楽器LEODEを操るClaude Leonettiら強力メンツが参加!

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STEVE HUGHES/ONCE WE WERE – PART TWO

ENIDやBIG BIG TRAINで活躍したドラマー/マルチ奏者による16年作3rd。

エレクトロ要素を全編に導入しながらも終始メロディアスかつハートウォーミングに紡がれていく珠玉のシンフォニック・ロックは思わず溜息の出る美しさ。

ずばりBBTファンにもお薦め!

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イタリア

TAPROBAN/PER ASPERA AD ASTRA

レ・オルメの『フェローナとソローナ』が好き?ならとにかくこの新鋭。

翳のある70年代トーンのキーボード群が描き出す、スリリングかつアーティスティックなサウンドにやられます!

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CANTINA SOCIALE/CAOSFERA

現アルティのヴォーカルが在籍したバンドで、彼の脱退後はインスト・グループとして活動する新鋭による17年作。

イタリアらしい哀愁と歌心ある叙情パートと『RED』ばりのテンションでなぎ倒す展開を行き来する、起伏に富んだシンフォニック・ロックの秀作!

MOBIUS STRIP/MOBIUS STRIP

イタリアの新鋭ジャズ・ロック・バンド17年作。

煌めくピアノと陰影ある可憐なエレピ、そしてメロウで艶のある饒舌なサックスのプレイが絡む、フュージョン・タッチの歌心溢れるジャズ・ロックが絶品。

陽光輝く地中海の景色が浮かび上がってくるような映像喚起力に満ちたアンサンブルに心奪われる堪らない逸品です!

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PLURIMA MUNDI/PERCORSI

イタリア新鋭による17年作なんですが、トラッドとクラシックをミックスしたような哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリンは凄まじいわ、声量豊かな女性ヴォーカルも素晴らしいわで、これは現代イタリア版カーヴド・エアと呼びたい逸材!

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ANCIENT VEIL/I’M CHANGING

ERIS PLUVIA在籍のマルチ・ミュージシャンと、現HOSTSONATENの管楽奏者によるデュオで実に22年ぶりとなる17年作2nd。アコースティックギターのまろやかで幻想的な響きを生かしたアンサンブルに、優美なシンセサイザーのカーテンを引いた、柔らかな陰影が耳に心地よく響くフォーキー・シンフォニック・ロックが絶品☆

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CELLAR NOISE/ALIGHT

鬼才Fabio Zuffantiプロデュースのミラノの新鋭17年デビュー作。ヘヴィな音はまったく現れない、一貫して初期ジェネシス愛に溢れたリリシズム溢れるシンフォを聴かせてくれます。多彩なキーボード群を操るkey奏者のセンスは一級品だし、徹底した70年代憧憬の音色にプロデューサーの手腕も発揮されてます!

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ACQUA LIBERA/ACQUA LIBERA

地中海エッセンスをふんだんに漂わせるこの芳醇なジャズ・ロック/フュージョン・サウンド、手本となっているのはきっとアルティやペリジェオあたり。

彼らほどのテクニックや流麗さはないんですが、メロディ&フレーズをゆったりと聴かせてくれるアンサンブルがイタリアらしい歌心を際立たせているんですよね。

このジャズロック新鋭、いいですっ。

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ドイツ

【ドイツ】EYESBERG/MASQUERADE

70年代末に活動しながら作品を残さなかった幻のジャーマン・シンフォ・バンドによる14年デビュー作に続く16年作2nd。

「現代版サパーズ・レディ」と言いたくなる完成度の高い大作を始め、ジェネシス憧憬とエレクトロ要素を巧みに融合させたサウンドはセンス抜群です。

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フランス

【フランス】EYE 2 EYE/LIGHT BEARER

フランスの実力派新鋭シンフォ・バンドによる待望の17年作4thが登場!ずばりANGEにも比肩する圧倒的にドラマチックなシアトリカル・ロックを聴かせる傑作です!

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アメリカ

ELEPHANTS OF SCOTLAND/PERFECT MAP

米新鋭ながら、ジェネシス~英ネオプログレ影響下の端正なメロディメイクと瑞々しく躍動感溢れるアンサンブルで聴かせる、ハイレベルなシンフォ傑作!70sプログレへの憧れを秘めながらも淀みなく明快に展開するアンサンブルはBIG BIG TRAINファンにもオススメ!

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カナダ

RED SAND/1759

80-90年代のマリリオン影響下にあるカナダ産シンフォ・バンド16年作。

スティーヴ・ロザリー直系のデリケートなタッチでフレーズを紡ぐギターを中心に、オルガンを中心とする多彩なキーボードがドラマチックに盛り上げていくサウンドが見事です。シアトリカルな要素を含んだ19分の大作も聴きモノ!

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スウェーデン

HIDDEN LANDS/HALCYON

スウェーデン新鋭17年作。

アネクドテン/アングラガルドの系譜に連なる緊密なテンションと北欧の情景美を想起させる透明感が融合、唯一無二のサウンドを繰り広げます。

北欧らしい神秘的なイメージが次々と描き出されるアンサンブルは必聴!

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GOSTA BERLINGS SAGA/SERSOPHANE

スウェーデンの実力派プログレ・バンドによる待望の16年作!

「太陽と戦慄」クリムゾンあるいは同郷のトレッティオアリガ・クリゲット1stを彷彿させるテンションみなぎるヘヴィ・プログレ、圧倒的です!

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ポーランド

RYSZARD KRAMARSKI PROJECT/LITTLE PRINCE

ポーランド産シンフォ・バンドMILLENNIUMのkey奏者による17年ソロ作。

「星の王子さま」をコンセプトに展開されるのは、『狂気』フロイドへの憧憬に満ちた深遠でドラマチックなシンフォニック・ロック。

フロイドファンなら必ずや目を細めるだろう逸品です。

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PROAGE/DIFFERENT STATE OF REALITY

こちらもポーランドの新鋭17年デビュー作。

フロイド憧憬のメランコリックなサウンドをモダンなヘヴィネスとポーランドらしい荒涼感で包み込んだ力作!

表現力豊かなヴォーカリストにも注目です。

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WALFAD / MOMENTUM

現ポーランド屈指の注目株と言えるグループによる16年作3rdが登場。

ザクザクとヘヴィかつスピーディに刻むリフワーク&ハケット+ギルモアのような太く存在感あるトーンで叙情的に紡ぐソロプレイが魅力のギター、いかにもポーランドらしい深い陰影を湛えたクラシカル調のピアノ、力強く溢れ出すような輝かしいシンセ。スケール大きくメロディアスなサウンドがとにかく素晴らしいです!

ややハスキーながら伸びやかな声質で淀みなく歌い上げるスタイリッシュなヴォーカルも絶品☆

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ロシア

VESPERO/AZMARI: ABYSSINIAN LIVENTURE

05年にデビューしたロシア発の新鋭バンド。

「YOU」ゴング影響下のサイケ・ジャズ・ロックをベースに民族色も加え熱量たっぷりに展開していくサウンドは、スペイシーでオリエンタルで底抜けにテクニカル。

こ、これは驚愕の新鋭!

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メキシコ

LUZ DE RIADA/CUENTOS Y FABULAS VOL.3

要注目のメキシコ産アヴァン・ジャズ・ロック新鋭による3rd!重厚なサックスに痺れるブラス・ジャズ・ロックから、AREA1stばりのフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、70’sバルセロナ産ジャズ・ロックに通じる地中海エッセンスまでを飲み込みつつ、リズムには80’sクリムゾンが息づいていたりとこのいい意味での節操の無さは極めて魅力的。レコメン系ファン必聴の快作です!

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アルゼンチン

POROTTA/ENTONCES

アルゼンチンのグループによる2ndアルバムなのですが、下地とする80sシンセポップやネオアコを受け継ぐサウンドと南米らしい爽やかな叙情が一体となっていて、これは胸キュン必至の好盤!

SIG RAGGA/LA PROMESA DE THAMAR

SUI GENERIS、SERU GIRAN、PABLO EL ENTERRADOR、PASTORALなど往年の歌ものアルゼンチン・ロックがとにかく好き?

ならこの新鋭はきっと直撃間違い無し。

丸みあるマイルドなトーンで叙情美を描くギターと爽やかなアコースティックギターが絡むどこまでも優しげなアンサンブルに、鼻にかかった繊細なハイトーンで語りかけるように歌うスペイン語ヴォーカル。新鋭らしくモダンな音も散りばめられていてセンス抜群。これは南米ファンには悶絶モノでしょう!

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ペルー

FLOR DE LOTO/ARBOL DE LA VIDA

ペルーの新鋭グループによる16年作。

アンデスの伝統を感じさせる哀愁溢れるメロディを軸にメタリックで熱量みなぎるアンサンブルで展開していく、南米民族音楽/フォルクローレとヘヴィ・プログレを融合させた唯一無二のスタイルは本作でも揺らぎなし!

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いかがでしたか?

みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。

カケレコは、これからもプログレ・シーンの最新動向を追い、世界の注目作をみなさまにお届けしてまいりますよ~。

2016年の新譜特集【新鋭プログレ編】はこちら。


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2017年注目のプログレ新譜【新鋭編】

  • EYE 2 EYE / LIGHT BEARER

    フランスの実力派新鋭シンフォ・バンドによる17年作4th、ANGEにも比肩する圧倒的にドラマチックなシアトリカル・ロックを聴かせる傑作!

    フランスの実力派新鋭シンフォ・バンドによる17年作4th。重厚な生ストリングス、虚空に響くピアノ、とめどない哀愁を放つギターらが織りなすフランスのバンドらしい仄暗い幻想美を持つ劇的な演奏をバックに、一語一語に情感を込めるように歌い上げるヴォーカル。英詞ながら、絶対にフランスのバンドだとわかる耽美なドラマチシズムが全編を支配していて、ただただ圧巻。シアトリカル・ロックとしての完成度は間違いなくANGEにも匹敵するでしょう。各曲が切れ目なく進行していく、まるで映画を観ているような重厚にして密度の高い作品世界に引き込まれる傑作に仕上がっています。

  • RYSZARD KRAMARSKI PROJECT / LITTLE PRINCE

    ポーランド、MILLENNIUMのキーボード奏者によるソロ・プロジェクト、「星の王子さま」をコンセプトに据えフロイド直系のドラマチックなシンフォを聴かせる秀作!

    現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENNIUMのキーボード奏者Ryszard Kramarskiによるソロ・プロジェクト17年作。タイトルが示すとおり『星の王子さま』をコンセプトに据えた作品となっており、そのサウンドはMILLENNIUMと同様ピンク・フロイド、特に『DARK SIDE OF THE MOON』を強く意識したメロディアスかつ劇的なシンフォニック・ロック。リック・ライトのプレイを思い出さずにはおれないセンシティヴな美しさと微かな陰鬱さが漂うシンセから、壮麗に流れゆくキーボード・ストリングスまで、音作りの要を担う自身のキーボードワークはさすがの素晴らしさ。ただ決して前には出過ぎずアンサンブルの中で有機的に音を紡いでいる姿勢がまた好印象です。一方メインでソロを取るMOONRISEのギタリストMarcin Kruczekによるギターも特筆で、ギルモアのプレイを忠実に再現したブルージーな泣きをたっぷり含んだ極上のソロを聴かせていて感動を禁じえません。女性ヴォーカルは清楚さよりは艶があってややアヴァンギャルドな表情も滲ませる実力派。フロイド憧憬のサウンドに深遠な奥深さを与えています。往年のフロイド憧憬を見せつつもそこに違和感なくエレクトロニクスを挿入してくるモダンなセンスも冴え渡ります。フロイド好きならこれはたまらないメロディアス・シンフォの好盤!

  • WALFAD / MOMENTUM

    12年デビュー、ポーランドの新鋭プログレ・グループによる16年作3rd、往年のプログレ的叙情美を下地に持ちつつモダンなセンスにも恵まれた、スタイリッシュなプログレ快作!

    12年デビュー、ポーランド出身の新鋭プログレ・グループによる16年作3rd。ザクザクとヘヴィかつスピーディに刻むリフワークとハケットとギルモアを合わせたような太く存在感あるトーンで叙情的に紡ぐソロプレイが魅力のギター、いかにもポーランドらしい深い陰影を湛えたクラシカル調のピアノ、力強く溢れ出すような輝かしいシンセらが配された、スケール大きくメロディアスなサウンドがとにかく素晴らしいです。ヴォーカルも絶品で、ややハスキーながら伸びやかな声質で淀みなく歌い上げるスタイリッシュな歌声に心奪われます。英詞が主ですが、母国語のナンバーも収録されていて、切々としたポーランド語特有の響きもまた堪りません。往年のプログレ的叙情美を下地に持ちつつモダンなセンスにも恵まれた、現在進行形のプログレとして非常に完成度の高い快作に仕上がっています!

  • BJORN RIIS / FOREVER COMES TO AN END

    ノルウェー、AIRBAGのギタリストによる17年ソロ作、北欧の雪深い自然風景がありありと広がるかのような、息を飲むほどの繊細な音世界が繰り広げられる傑作

    ノルウェーの新鋭プログレ・グループAIRBAGのギタリストによる17年ソロ作。自身による幻想的に織り重なるギタープレイと切なく鳴らされるピアノ、淡く静謐に広がるシンセサイザーを軸に描き出されるこのあまりに繊細な音世界。これぞ北欧シンフォニック・ロックと言える透明感と哀感に溢れる音像はただただ溜息が出る美しさに満ちています。粛々と胸を打つ、フロイド憧憬の仄暗くメランコリックなメロディラインがこれ以上無いというほどサウンドにマッチ。そして持ち味と言っていいギルモア譲りのブルージーなタッチを交えエモーショナルに高まっていくギターソロも、寂寥感溢れるサウンドにドラマチックさを加えていて素晴らしい。一語一語を大切に情感を込めて歌うヴォーカルも実に感動的。雪深い北欧の自然世界が眼前に映し出されるかのような、映像喚起的な魅力を持つ作品です。これは傑作。

  • CARPTREE / EMERGER

    スウェーデン、シンフォ然とした壮大なサウンドメイクとジェネシス色を見事に融合した17年作

    スウェーデン出身の実力派シンフォ・グループ、17年作。重厚に折り重なったそそり立つようなシンセサイザーサウンドに圧倒されるダークで劇的なシンフォニック・ロックは、本作でも揺らぎなし。ピーター・ガブリエル系のヴォーカルを厚みあるコーラスが支え、スケールの大きなサウンドの中で躍動します。抑えたパートでは北欧らしい透明感が溢れてきて重厚なパートと劇的なコントラストを描き出していて見事。薄暗く重みある音像の中にもジェネシス由来のファンタジックな色合いが息づいたサウンドは、まさしく唯一無二。7年ぶりの作品という長らくの期待に見事に応えてくれる力作です。

  • IL TEMPIO DELLE CLESSIDRE / IL-LUDERE

    新鋭イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・バンド、17年作3rd、モダンでキャッチーでスタイリッシュなヘヴィ・シンフォを構築した傑作、Mattias Olssonが全面参加!

    過去にはMUSEO ROSENBACHのヴォーカリストStefano LUPO Galifiが在籍したことでも知られる新鋭イタリアン・ヘヴィ・シンフォ・バンド、スタジオアルバムとしては3作目となる17年作。何と言っても本作では元ANGLAGARDで数々のプロジェクトを運営・参加するMattias Olssonが全面参加しているのが注目ポイント。ヴィンテージ・トーンのオルガンを軸に力強く鳴る輝かしいキーボード群、重厚にして華麗な伸びのあるギター、そして前作より加入し前任者に負けないどころか上回ってさえいる素晴らしい表現力のヴォーカル。イタリアン・ヘヴィ・シンフォ伝統の荒ぶるエネルギーをぶつけるような重みあるサウンドと、北欧プログレのセンスと言える洗練を感じさせるシャープな音像が一つになり、唯一無二のスタイリッシュなヘヴィ・シンフォ・サウンドが出来上がっています。音の質感自体はこれまで通り彼らのヘヴィ・シンフォニック・ロックでありながら一貫してモダンであり時にはキャッチーでもあるという凄い一枚。哀愁溢れるバラードナンバーも絶品です。これまでもハイクオリティな音を聴かせるいいバンドでしたが、ここに来て化けた印象があります。必聴!

  • KINKY WIZZARDS / QUIRKY MUSINGS

    EDEN SHADOWのギタリスト/キーボーディストRyan ElliottとMAGENTAの現ドラマーJonathan Griffithsを中心とするイギリス出身の新鋭トリオ・バンド、17年作、ファンキーでテクニカルでユニークな痛快ジャズ・ロック!

    EDEN SHADOWのギタリスト/キーボーディストRyan ElliottとMAGENTAの現ドラマーJonathan Griffithsを中心とするイギリス出身の新鋭トリオ・バンド、17年作。一曲の中でも自在に変化する凝ったリズムワークを土台に展開する変拍子満載のインストゥルメンタル・ジャズ・ロックがとにかく痛快!ファンクの要素を取り入れた跳ねるリズムに乗って、フュージョンタッチで雄弁に紡ぐメロディアスなプレイからクランチなトーンで畳み掛けるヘヴィなプレイまで、息もつかせぬスーパープレイを連発するギターはただただカッコいいです。とは言えファンク特有の暑苦しさはなく、あくまでスマートでクールに超絶プレイを繰り出すアンサンブルは実に英国的。テクニカル・フュージョンと一言で片付けてしまうわけにはいかない、あまりに多彩な表情と一筋縄ではいかない仕掛けにきっと翻弄されること間違い無し。スリリングかつユニークな傑作!

  • SAMURAI OF PROG / ON WE SAIL

    イタリア/フィンランド/アメリカのミュージシャンによる多国籍プログレ・バンド、17年作、HOSTSONATEN/ECHOLYN/WHITE WILLOW/LATTE E MIELEなどから豪華メンバーが参加!

    フィンランドのプログレ・ファンジン『COLOSSUS』の編集者であり、雑誌主催のトリビュート盤などでも活躍するフィンランド在住のイタリア人Marco Bernard(B)を中心に、MIST SEASONでも活躍するフィンランド人ドラマーKimmo Porsti、RESISTORでも活躍する米国人ギター/ヴァイオリン/フルート/ヴォーカルのSteve Unruhによるトリオの17年作。特筆はゲスト陣で、HOSTSONATENのkey奏者Luca Scherani/オーストラリアUNITOPIAのヴォーカルMark Trueack/LATTE E MIELEのOliviero Lacagnina/WHITE WILLOWのJacob Holm-Lupo/ECHOLYNのBrett Kullほか多数の実力派が各曲で参加。シンセ&オルガンを主体に瑞々しくスケールの大きなプレイを聴かせるキーボード、泣きの叙情に溢れる丹念なプレイが印象的なギターらが織り上げる珠玉のシンフォニック・ロックをベースに、各ゲストの味もしっかり出されていて、演奏の素晴らしさはもちろんゲストによる提供ナンバーも含む曲作りの巧みさ、全体的な構成の美しさも特筆です。ひたすら優美かつファンタジックに紡がれるこの心地よい音世界にずっと浸っていたいと思わせるような作品です。

  • MAGENTA / WE ARE LEGEND

    美声女性ヴォーカルを擁する現英国シンフォ・シーンを牽引するバンド、26分の大作を含む17年作!

    女性ヴォーカルのクリスティーナ・ブースの美声とコンポーザーのロブ・リードのソングライティング力を武器に00年代屈指の英シンフォ・バンドへと上り詰めた実力派バンドによる17年作。サポートメンバーから今作より正規メンバーとなるベースのDan Nelson、KINKY WIZZARDなどで活動するドラマーJon Griffithsらが新加入。26分に及ぶ大作を冒頭に配し、約11分の楽曲2曲が後に続く全3曲という、イエス『危機』を思わせる構成を持ちます。新リズム隊による自在な切り返しを見せるタイトなプレイを土台に、溢れんばかりの情感を込めてフレーズを紡ぐギター、ピアノと艶やかなシンセを駆使して端正な英国叙情を添えるキーボード、そして清涼感に満ちた美声で時にポップに時にしっとり情緒的に歌い上げるフィメール・ヴォーカル。エレクトロニクスも巧みに導入しながら進行していく溌剌としたアンサンブルが本当に見事で、そのサウンドは活動歴17年目というベテランの域に入ったバンドとは思えない鮮度を誇っています。また本作では従来にも増してグッと抑えたエモーショナルな演出力が光っており、ヴォーカルが切々と歌うドラマチックなパートで繊細に織り上げられる泣きのアンサンブルには感涙必至。本作も彼らの持ち味が十二分に発揮された充実の一枚です。

  • MALUS ANTLER / OSIMANDIA

    イタリア新鋭17年デビュー作、フロイド、キャメル、ジャズ・ロックからスペース・ロックまでを散りばめた個性派シンフォ、クラリネットの音色が印象的

    イタリアの新鋭シンフォ・バンド、17年デビュー作。冒頭ピンク・フロイドとキャメルが合わさったような浮遊感とまろやかな優美さが同居するサウンドに、それほどイタリア色を感じずにいると、一転タイトでエネルギッシュなアンサンブルが切れ込んできて、徐々にイタリアらしさが出てきます。ヴィンテージトーンのオルガン、切れ味鋭いヴァイオリン、ひらひら舞うクラリネットらが渦を巻くようにフレーズを重ね合い音の密度が増していくと、満を持しての唾吹きフルートと激しいイタリア語ヴォーカルが飛び込んできて、ああイタリアのバンドだと納得。リリカルな表情に戻ったフルートと湧き上がるメロトロンをバックにエモーショナルに歌うヴォーカル。この1曲目-2曲目がとにかく見事で引き込まれます。その後も特に印象的なのがクラリネットで、ヘヴィに突き進むサウンドの中でも舞い踊るような優雅さが活きていて、その対比がバンドの持ち味として非常に効いています。随所で見せるスペイシーな浮遊感ある音像も特徴的。ヴォーカルはやや線が細めですが、その淡い歌声がいい意味でイタリア的な濃厚さを和らげていて、聴きやすさをもたらしているようにも思えます。これは一筋縄ではいかない面白いバンド!

  • NEXUS / EN EL COMIENZO DEL TOPOS URANOS

    アルゼンチン・シンフォの雄、キース・エマーソン直系のアグレッシヴにうねるキーボード・プレイが痛快な、NEXUS節全開の17年作!

    アルゼンチンはブエノスアイレス出身、99年にデビューし今や南米シンフォを代表する存在となった彼らの17年作。キース・エマーソン直系と言うべきスケールの大きなシンセサイザーが次々にフレーズを畳み掛け、その合間を縫うように哀愁と緊張感が均衡した泣きのギターが歌う、従来と変わらずのNEXUS節が冒頭より炸裂していて、ファンならこの時点でガッツポーズ。デリケートな音運びで聴かせるクラシック・ピアノに始まり、味わい深いひなびたオルガンとメロトロン、クリーントーンを生かした情感溢れるプレイが素晴らしいギターらによる、南米らしい哀感を帯びた70年代的叙情ナンバーの2曲目も絶品。一転勇ましいリズム隊に支えられアグレッシヴにうねりまくるシンセ&ハモンドのプレイが問答無用でカッコいい3曲目と、全編でアルゼンチン・シンフォの雄NEXUSらしさが爆発しています。ダイナミックなシンフォ・チューンの間で物悲しい旋律を紡ぐアコースティック・ギターも実に良い味わい。これぞ貫禄の一枚!

  • ANCIENT VEIL / I’M CHANGING

    95年にデビュー作をリリースした伊シンフォ・デュオ、実に22年ぶりとなる17年作2nd、静謐な表現力の高さを生かしロマンティックに紡がれる音像があまりに素晴らしいフォーキーなシンフォの逸品、オススメ!

    95年にデビュー作をリリースしたイタリアのシンフォ・デュオで、メンバーはERIS PLUVIAのマルチ・ミュージシャンAlessandro Serriと、元メンバーで現在はHOSTSONATENで活動する管楽奏者Edmondo Romano。実に22年ぶりとなる17年作2nd。アコースティックギターのまろやかで幻想的な響きを生かしたアンサンブルに、優美なシンセサイザーのカーテンを引いた、柔らかな陰影が耳に心地よく響くフォーキーなシンフォニック・ロックと言える作風を聴かせます。優しげな英詞ヴォーカル、ここぞという場面で劇的に演奏を盛り上げるエレクトリック・ギターも見事。さらに管楽器奏者を擁するだけあって、欧州の神秘的な森をイメージさせる管弦アンサンブルも鮮やかな彩りをもたらしています。全般的に主張の強めなイタリアン・ロック勢にあって、静謐な表現力に長けたロマンティックに紡がれる音像があまりに素晴らしい名品に仕上がっています。おすすめ。

  • RED SAND / 1759

    マリリオンに影響を受けたカナダの新鋭プログレ・バンド、16年作

    David Gilmour、Andy Latimer、Steven Rotheryらに影響を受けたギタリストSimon Caron率いるカナダ産シンフォニック・ロック・バンド、16年作8th。S.Rothery直系と言えるデリケートなタッチながらもロングトーンを生かしたキレのあるギターと、ややクラシカルで陰影がかったトーンのオルガンを中心として、シンセ、メロトロン、ピアノなど多彩なキーボードがドラマチックに盛り上げていく、80〜90年代のMARILLIONに通じるシンフォニック・ロックが特徴。変拍子を交えながら演奏をタイトに引き締めるリズム隊も素晴らしく、特にベースはギタリストが兼任しているだけあって、リズムキープにとどまらずメロディアスにフレーズを紡いだり、ここぞではギターとのツインソロのようなプレイも披露していて特筆です。19分の大作は、SEを効果的に用いたシアトリカルな演出やソウルフルな女性シンガーをフィーチャーしていたりと、楽曲構成の妙も楽しめるナンバー。先人へのリスペクトに溢れたサウンドの中にも絶妙にオリジナルな要素を配するセンスが見事な力作に仕上がっています。

  • MOBIUS STRIP / MOBIUS STRIP

    イタリアの新鋭ジャズ・ロック・バンド17年作、陽光輝く地中海の景色が浮かび上がってくるような映像喚起力に満ちたアンサンブルが素晴らしいジャズ・ロック/フュージョンの逸品!

    イタリアの新鋭ジャズ・ロック・グループ、17年作。リズム・セクションの2人にキーボード奏者とサックス/フルート奏者というギターレスの4人編成で、煌めくピアノと陰影ある可憐なエレピ、そしてメロウで艶のある饒舌なサックスのプレイが絡む、フュージョン・タッチの歌心溢れるジャズ・ロックを展開。陽光輝く地中海の景色が目に浮かぶような映像喚起力を持つサウンドがとにかく素晴らしいです。流れるように紡がれるアンサンブルの美しさに耳を奪われますが、さりげなく細やかなテクニックも披露していて技巧的にもかなりの実力者揃いであることがうかがえます。ずばり絶品!

  • GLINCOLTI / AD OCCHI APERTI

    イタリア出身のトリオ・プログレ・バンドによる17年作3rd、ハード・ロック/ジャズ・ロックの要素を併せ持つスリリングなギタープレイが出色のインスト・プログレ

    2010年デビュー、イタリア出身のトリオ・プログレ・バンドによる17年作3rd。ギタートリオ編成のインスト・グループで、ハード・ロックのエッジやジャズ・ロック的クールネスを合わせ持ちスリリングにフレーズを紡いでいくギターと、緩急自在のダイナミズム溢れるプレイでギターに追従するリズム・セクションによる一体感抜群のアンサンブルが聴きどころ。ギターは陰影のある抑えたジャジーな表現も巧みで、格調高いヴァイオリンや清涼感ある女性ヴォカリーズを交えてエモーショナルな交歓を見せます。随所で聴かせるオリエンタルなフレージングや哀愁たっぷりのスパニッシュギターをさり気なく織り込むセンスの良さも特筆。全体的にイタリアらしさはさほど感じないものの、ハードロック寄りのプレイで熱量高く畳み掛けるシーンにはイタリアン・ロック的な激しさが垣間見れます。

  • MAGIC BUS / PHILLIP THE EGG

    英新鋭プログレ、17年作3rd、キャラヴァン憧憬の朗らかなカンタベリー・ポップとモダン・プログレを融合させた逸品

    イギリス南端に近いデヴォン州出身、新鋭ブリティッシュ・プログレ・グループの17年3rd。冒頭から人懐っこいトーンのギターとフルートが優しく彩る、キャラヴァン「GOLF GIRL」を想い起こさずにはいられないほのぼのカンタベリーサウンドが飛び出してきてビックリ!それも『グレイとピンクの地』に入っていても違和感のない完成度でさらに驚きます。かと思うと曲の後半はヘヴィに唸りを上げるギターをフィーチャーしたダイナミックなプログレへと変貌し、演奏力の高さも証明。メロトロン、ヴィンテージなオルガンによる芳醇な音色もグッと来ます。全体的に屈折したポップなメロディセンスもいいし、コロコロと表情を変えていく先の読めない曲展開も素晴らしいですが、どの曲にもキャラヴァンを始めとするカンタベリー・ロックのポップサイドからの流れを汲むセンスが息づいていて不思議な懐かしさに溢れているのが何よりの魅力。それを新鋭バンドらしいモダン・プログレの質感とうまく融合させた手腕は特筆です。70年代の愛すべきブリティッシュ・ポップの精神を受け継いだ大変いいバンド!

  • GOSTA BERLINGS SAGA / SERSOPHANE

    00年結成のスウェーデン産プログレ・グループ16年作、クリムゾンやトレッティオアリガ・クリゲットを彷彿させるヘヴィ・プログレ、多彩なギターワークを要に展開するテンションみなぎる傑作!

    00年結成、近年は元ANGLAGARDのMattias Olsson(本作にも2曲で参加)とのユニットNECROMONKEYでも活動するkey奏者David Lundbergを中心とするスウェーデンのプログレ・グループ、16年作。従来通り、クリムゾン系統のヘヴィかつシリアスな音像に北欧らしいダークな質感を加えた、TRETTIOARIGA KRIGETの1stあたりを彷彿させる硬質なヘヴィ・プログレを展開します。圧巻はアンサンブルの要を担うギター。トレモロを効かせたミステリアスな反復フレーズ、ヘヴィなトーンで鋭角的に切れ込むリフレイン、フリップ調のミニマルタッチ、ロングトーンを多用しながらドラマチックな高まっていくソロと、あまりに多彩なギタープレイが次々に折り重なっていき、巨大な音塊のごとく迫ってくるサウンドは快感すら覚える素晴らしさ。八面六臂の活躍を見せるギターに応じる、手数多くダイナミックにうねるリズム隊も抜群のカッコよさです。キーボードは前面には出てこないものの音響的なプレイを主としていて、ヴィンテージ質感のアンサンブルに現代のバンドらしいエレクトロニックな要素をセンス良く付与します。白眉の15分に及ぶ大作は、まるで「太陽と旋律」クリムゾンが現代に蘇ったかのような凄まじいテンションと技巧が渦巻く一曲。これは00年代以降の北欧プログレとしては屈指と言うべき傑作!

  • TAPROBAN / PER ASPERA AD ASTRA

    キーボーディスト率いるトリオ・シンフォ・バンド17年作、レ・オルメからの影響が大きいスリリングかつアーティスティックなキーボード・シンフォの逸品

    キーボーディストが率いるイタリアのトリオ・シンフォ・グループ、17年作。レ・オルメ『フェローナとソローナ』を想起させるスリリングかつアーティスティックなシンセサイザーのプレイが印象的な、ユーロロック然とした翳りを感じさせるキーボード・プログレ。まるで70年代に録音されたキーボードと現代のリズム・セクションを合わせたかのような、ヴィンテージ度100%のキーボードサウンドにはきっと驚きます。メロトロン溢れ出す叙情パートも泣かせるし、イル・バレット・ディ・ブロンゾ的な緊張感ある展開も挿入され、ダイナミズム溢れる楽曲展開も見事。これはレオルメ・ファンなら絶対たまらない一枚!

  • SIG RAGGA / LA PROMESA DE THAMAR

    アルゼンチン出身の新鋭プログレ・バンドによる16年作3rd、「歌」を中心に据えた珠玉のシンフォニック・ロック・ナンバーが目白押しの名作、SUI GENERIS、SERU GIRAN、PABLO〜、PASTORALなどのファンに絶対オススメ!

    アルゼンチン出身の新鋭プログレ・バンドによる16年作3rd。これは素晴らしいです。丸みあるマイルドなトーンで叙情美を描くギターと爽やかなアコースティックギターが絡むどこまでも優しげなアンサンブルに、鼻にかかった繊細なハイトーンで語りかけるように歌うスペイン語ヴォーカル。70年代アルゼンチン・ロックをそのままにクリアでモダンな音像によって蘇らせたような1曲目からもう堪りません。往年のアルゼンチン・ロック・ファンならこの時点で悶絶間違い無しの素晴らしさ。優美なストリングスをバックに言葉を選ぶように大切に歌うヴォーカルにグッと来る2曲目も極上。そして天上から降り注ぐようにフワッと柔らかく寄り添うコーラス。全編にわたり南米ロックの魅力の一つである「歌」を中心に据えた珠玉のシンフォニック・ロック・ナンバーが続きます。一方では、繊細で優美なサウンドを維持しながらシンセサイザーによるデジタリーな音を散りばめるセンスの良さにも唸らされます。これはSUI GENERISやSERU GIRANを始め、PABLO〜やPASTORALなど往年の歌ものアルゼンチン・ロック名バンドが持っていた詩情を確かに宿した素晴らしい新鋭です。オススメ!

  • ACCORDO DEI CONTRARI / VIOLATO INTATTO

    イタリア新鋭17年作4th、70年代中期クリムゾンを想起させる緊密なテンションが支配するヘヴィ・ジャズ・ロックが強烈!

    07年デビュー、イタリアの新鋭プログレ/ジャズ・ロック・バンドによる17年作4th。冒頭から変拍子満載で、畳み掛けるようにダイナミックなアンサンブルを聴かせるヘヴィ・ジャズ・ロックが強烈!70年代中期クリムゾンを想起させる緊密なテンションが支配しており圧巻です。新加入のサックス奏者による黒光りするようなヘヴィなプレイがジャズ・ロック然とした重厚感を上乗せしていて、従来よりサウンドのカッコよさが格段に増している印象を受けます。エレピが揺らめきギターが浮遊するアブストラクトなパートから一気に爆発的な疾走を始めるアンサンブルは、もはやハード・ロック的と言ってもいいギラギラとしたエネルギーを放出していて実に痛快。これは現代のジャズ・ロックとして、圧倒的に個性的でプログレッシヴなサウンド!快作です。

  • HIDDEN LANDS / HALCYON

    スウェーデン新鋭17年作、アネクドテン/アングラガルドの系譜に連なる緊張感と北欧の神秘的な情景美をイメージさせる透明感が融合した、キーボード主体のシンフォ力作!

    2012年に結成され同年にデビューしたスウェーデンの新鋭シンフォ・バンド、17年作3rd。アネクドテン/アングラガルドの系譜に連なる緊張感を持ちつつも、ゴリゴリとしたヘヴィネスは控えめでより軽やかで開放的なサウンドが持ち味。彼方まで広がっていくような美しいトーンのシンセ、ヴィンテージ質感のオルガン、清廉な響きのピアノ、そして鉄琴をシミュレートしたようなキーボードが緻密に重なり合う、鍵盤楽器を主体とするアンサンブルが新鮮です。時々リズム隊とギターがメタリックにうねり出し展開に起伏を与えていますが、基本的には北欧の神秘的な森や湖をイメージさせるような透明感溢れる音像が実に素晴らしい。M7などアングラガルドとジェネシスが出会ったかのようなスリリングなシンフォ・チューンもカッコいいです。北欧らしいイメージが次々と溢れ出してくる映像喚起的なサウンドを描き出す名品!

  • PLURIMA MUNDI / PERCORSI

    イタリア新鋭による17年作、トラッドとクラシックをミックスしたような哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリン&声量豊かな女性ヴォーカル、これはずばり現代イタリア版カーヴド・エア!

    04年結成、09年にデビューした新鋭イタリアン・ロック・バンドによる17年作。中心メンバーであるヴァイオリニストが奏でるトラッドとクラシックをミックスしたような独特の哀愁溢れるエレクトリック・ヴァイオリンがリードを取る個性派クラシカル・プログレ。ギターばりの熱量でアグレッシヴに弾きまくるヴァイオリンのプレイに圧倒されますが、同じくクラシックの素養ある格調高いピアノ、そして声量を生かしたパワフルな歌唱から美声繊細な歌唱まで自在な女性ヴォーカルも素晴らしいです。さらにリードプレイをヴァイオリンに譲るギターは、リフやリズムワークの合間にメロディアスなフレーズやヴァイオリンとのユニゾンを聴かせていてさり気なくもいい仕事をしています。ヴァイオリンと女性ヴォーカルと言ったら思い浮かぶのはカーヴド・エアですが、ずばり彼らこそ現代イタリアのカーヴド・エアと言ってしまいたい逸材。これは傑作です!

  • CANTINA SOCIALE / CAOSFERA

    イタリア新鋭インスト・シンフォ・バンド17年作、イタリアらしい哀愁と歌心ある叙情パートとクリムゾン『RED』ばりのテンションを持つ展開を行き来する起伏に富んだシンフォニック・ロックの秀作

    現アルティ・エ・メスティエリのヴォーカルIano Nicoloが在籍した、01年デビューのイタリアン・シンフォ・バンド、彼の脱退後新たなヴォーカルは置かずインスト・バンドとなった17年作3rd。ヴォーカルの不在を感じさせないアコースティックギターやピアノが織りなすイタリアらしい哀愁と歌心ある叙情パートと、フリップ系統の緊張感あるギターをフィーチャーしたクリムゾン『RED』ばりのテンションを持つ展開を織り交ぜ、硬軟の起伏に富んだシンフォニック・ロックが綴られていきます。合間に挿入されるミステリアスなアンビエント風パートも作品の表情を豊かなものにしていて特筆。

  • ACQUA LIBERA / ACQUA LIBERA

    イタリアの新鋭ジャズ・ロック・バンド、地中海エッセンス漂う歌心溢れる叙情派ジャズ・ロックの秀作!

    イタリアのエクスペリエンス系バンドVICOLO MARGANAのギタリストFabio Bizzarriと、伊シンフォ新鋭PROFUSIONのkey奏者Jonathan Caradonnaを中心とする新鋭バンドによる17年デビュー作。冒頭より、ダイナミックさの中でジャジーな小技も効かせる痛快なドラミングに導かれ、伸びやかにメロディを歌うギターと弾むようなオルガン、スピーディーなプレイも織り交ぜつつたおやかに広がるシンセらのプレイが心地よく躍動する、地中海エッセンスを纏ったジャズ・ロック/フュージョン・サウンドを聴かせます。時にアンサンブルを牽引するメロディアスなベースの動きにも注目です。手本としているのはきっとARITI E MESTIERIやPERIGEOあたりのサウンド。テクニックや流麗さはその2バンドほどではありませんが、イタリアならではの芳醇な「歌心」という点では負けず劣らずの素晴らしさです。少し陰影のかかったジャズ寄りのパートでの、ギターの叙情的な表現力の高さも聴き所。テクニックよりも一音一音に情感が滲む丹念な演奏とメロディ/フレーズの良さで勝負する、味わい深い叙情派ジャズ・ロックの秀作です。

  • NAU ALETHEIA / LOS MISTERIOS DE ELEUSIS

    アルゼンチン・プログレの名盤を残したBUBUのヴァイオリニストによるバンド、17年作、BUBUやクリムゾンを彷彿させるヘヴィにして叙情豊かなプログレッシヴ・ロック

    アルゼンチン・プログレの名盤として愛される78年作で知られるBUBUでヴァイオリンを担当したAlvar Llusa-Damianiを中心とするバンド、17年デビュー作。やや陰鬱に響くヴァイオリンをフィーチャーした中期クリムゾン系のヘヴィ・プログレを聴かせる1曲目。「I TALK TO THE WIND」を思わせるテーマが南米らしいたおやかな叙情を帯びたジャズ・ロックへと移り変わっていく2曲目。格調高いヴァイオリンのスケール溢れるプレイが素晴らしい荘厳なシンフォ・パートと『RED』ばりのテンションで畳み掛けるパートで構成された3曲目。全体にクリムゾンの影響を強く受けたサウンドが特徴ですが、それは同時にBUBUの唯一作で聴けるあのヘヴィでダークな質量感でもあり、彼が紛れもなくあの名盤でプレイしていたことを確信させるに十分なサウンドと言えます。一方アコースティックギターの音色に滲む、アルゼンチンならではの切なくメロウな叙情性もヘヴィネスみなぎるサウンドと対比が効いていて劇的。うっすらとプログラミングが用いられていたりとモダンな質感にはなっていますが、BUBUの名盤に心奪われた方なら両作に相通じる要素をあちこちに見つけられるであろう好作品となっています。

  • ELEPHANTS OF SCOTLAND / PERFECT MAP

    GENESIS〜ネオプログレ影響下の米プログレ新鋭16年作、BIG BIG TRAINに通じる端正かつ躍動感溢れるシンフォ傑作!

    13年デビュー、アメリカの新鋭シンフォ・バンドによる16年作3rd。ジェネシス〜英ネオプログレからの影響を感じさせる美しくも洗練されたキャッチーなメロディを、つややかなトーンのシンセやキラキラとまばゆいアコースティックギター、ハケット直系のデリケートなタッチのエレキギターらが取り巻く、クリアで瑞々しいシンフォニック・ロックが大変素晴らしいです。ヴィンテージ・トーンのキーボードを配した、70年代プログレへの強い憧れを秘めながらも淀みなく明快に展開するアンサンブルはBIG BIG TRAINに近いものを感じさせますが、ギターを筆頭にややヘヴィな音でパワフルに突き進んでいくパートでは、ECHOLYNやIZZら米プログレの先輩バンドの面影も見て取れます。端正なメロディメイクと躍動感溢れるアンサンブルで聴かせる、ハイレベルなシンフォ傑作!

  • STEVE HUGHES / ONCE WE WERE – PART TWO

    ENIDやBIG BIG TRAINで活躍したドラマー/マルチプレイヤー、前作『ONCE WE WERE – PART ONE』の続編となる16年作3rd、プログラミングと生演奏を融合させたセンス溢れるメロディアス・シンフォでBIG BIG TRAINファンにもオススメ!

    ENIDやBIG BIG TRAINのメンバーとして活躍したドラマー/マルチプレイヤーによる3rdソロで、前作『ONCE WE WERE – PART ONE』の続編となる16年作。プログラミングによるエレクトロなサウンドをベースとして生演奏を重ねていくスタイルで織り上げていく、近未来的なイメージを抱かせる鮮烈なシンフォニック・ロック・サウンドを展開します。中でもやはり注目はドラマーである彼の本職と言えるリズム。打ち込みと自身によるロック然としたダイナミックなドラミングをパートごとに使い分け、時には2つを重ねることで強烈な躍動感を持つリズムを作り上げるセンスは見事の一言です。さらにはデリケートに鳴らされる美麗なピアノ、雄弁にメロディを紡ぐギター、そしてハートウォーミングで清涼感のあるヴォーカルなど、ヴァイオリニストやサックス奏者の参加を除きほとんどの楽器を自身が演奏していて、そのマルチプレイヤーとしての才能には驚くばかり。いかにも英国らしいメロディアスな中にも微かな陰影を秘めたメロディは、BIG BIG TRAINの諸作にも通じます。溢れんばかりのクリエイティビティが注ぎ込まれた傑作シンフォニック・ロック!BIG BIG TRAINのファンにもオススメの作品です。

  • FLOR DE LOTO / ARBOL DE LA VIDA

    アンデスの伝統音楽とヘヴィ・プログレッシヴ・ロックを融合させたペルーの新鋭グループ、生物の進化過程を記した系統樹をテーマとする16年のコンセプト作

    00年代の南米プログレを代表するペルーの新鋭グループ、生物の進化過程を記した系統樹をテーマとする16年のコンセプト作。アンデスの伝統を感じさせる哀愁溢れるメロディを軸に、メタリックなヘヴィネスを纏いゴリゴリ疾走するギターとそこに絡む熱量みなぎるシンセ、テンション高く畳み掛けるリズム隊らが紡いでいく、南米民族音楽/フォルクローレとプログレッシヴ・ロックを融合させた唯一無二のスタイルは、本作でも揺らぎはありません。ギターとともにアンサンブルをリードするフルートは特筆で、イアン・アンダーソンばりのアグレッシヴに躍動する激しいプレイから、静謐なパートでの南米らしい詩情を帯びたリリカルなプレイまでまさに変幻自在。よりフォルクローレ色が前に出たナンバーでは、フルートに加えチャランゴ(5コース10弦の小型弦楽器)やカホン(上に座って叩く箱状の打楽器)などアンデス地方の民族楽器を中心とする味わい深いアンサンブルが登場、切々としたスペイン語ヴォーカルと相まって、とめどない郷愁が溢れ出してきて実に感動的です。母国の伝統音楽と現在進行系のプログレッシヴなサウンドを絶妙に取り合わせる手腕はさらに磨かれている印象。傑作です。

  • CELLAR NOISE / ALIGHT

    ミラノ出身の新鋭シンフォ・バンド、17年デビュー作、プロデュースは鬼才Fabio Zuffanti!

    2013年結成、ミラノ出身の5人組新鋭バンドが、鬼才Fabio Zuffantiをプロデューサーに迎えた17年デビュー作。冒頭からのメロトロン洪水に始まり、豊かに表情を変えていくムーグ、オルガン、そしてエレガントなタッチのピアノが次々と現れる才気溢れるキーボードワークを中心に、GENESIS/CAMELタイプの優美なシンフォニック・ロックを展開する1曲目に早くも感動。英詞で丹念に歌い上げるヴォーカルを軸とする2曲目以降は、キーボードのプレイに負けじと、哀愁のアコースティックギターと繊細なタッチでドラマチックにフレーズを紡ぐソロで応じるハケット直系のギターも活躍します。現代のプログレ・バンドに多いメタル由来のヘヴィな音はまったく現れず、一貫して初期GENESIS愛に溢れたリリシズム溢れるシンフォ・サウンドを聴かせてくれていて好印象。キーボーディストを筆頭にバンドの実力の高さも去ることながら、徹底した70年代憧憬の音色にプロデューサーの確かな手腕も感じさせる力作です。

  • VESPERO / AZMARI: ABYSSINIAN LIVENTURE

    ロシアの新鋭インスト・サイケ/プログレ・バンドによる16年ライヴ作、GONG影響下にありながらもフォロワーという域を大きく超え出た孤高のサウンドが炸裂する驚異のライヴ・パフォーマンス!

    05年デビュー、ロシア出身のインスト・サイケ/プログレ・バンドによる16年ライヴ作。のっけから17分の大曲で彼らの音世界へと引き込まれます。シンセやヴァイオリン、サックスが思い思いにフレーズを奏で交歓する浮遊感たっぷりの導入部に、リズムが切れ込み、スリリングにアンサンブルが立ち上がってくる展開は、GONG『YOU』を思い浮かべずにはいられない息をのむ素晴らしさ。パーカッションを交え猛烈な音数でまくし立てるトライバルなリズム・セクションは相変わらずの超絶度合いだし、不穏な旋律を紡ぐヴァイオリンと暴走するサイケデリックなワウギターが対比するアンサンブルは凄まじい熱量を放ってます。演奏を適度にクールダウンさせるスペイストーンのシンセもいい仕事です。ライヴでも演奏のクオリティは一切下がっていません。GONG影響下にありながらもフォロワーという域を大きく超え出た孤高のサウンドが炸裂している驚異のライヴ・パフォーマンス!

  • PROAGE / DIFFERENT STATE OF REALITY

    ポーランド新鋭17年作、フロイド憧憬のメランコリックなサウンドをモダンなヘヴィネスとポーランドらしい荒涼感で包み込んだ力作

    ポーランドの新鋭プログレ・バンドによる17年デビュー作。ピンク・フロイド的な浮遊感と透明感あるメランコリーに、現代のバンドらしい叩きつけるようなヘヴィネスを加えた、硬軟自在のギターワークを軸に展開するプログレッシヴ・ロックを演奏。キーボードは控えめながらも哀感を帯びたオルガンをメインにヴィンテージな味わいを加味していて、ギターだけではややヘヴィに寄っていきそうなアンサンブルを絶妙にコントロールしています。男性的な低めのトーンの朗々としたヴォーカルも魅力で、叙情メランコリックなパートでは悩ましげな表情を滲ませる表現力ある歌唱で、クリムゾン的ヘヴィネスが現れる激しいパートでは声を歪ませ迫力ある歌唱を聴かせており特筆。フロイド憧憬を核に持ちつつ、モダンなヘヴィネスと荒涼感で包み込んだ、実にポーランド産らしいサウンドを聴かせる力作です。

  • EYESBERG / MASQUERADE

    70年代末から80年代はじめに活動した幻のジャーマン・シンフォ・バンド16年作2nd、ジェネシス憧憬のサウンドに現代的な要素をセンス良く組み合わせた力作、18分に及ぶ大作を収録!

    70年代末から80年代はじめに活動しながらアルバムを残さなかった幻のジャーマン・シンフォ・グループ、およそ30年越しとなった14年デビュー作に続く16年作2nd。ザクザクとパワフルにリフを刻むメタリックなギターが存在感抜群なオープニング・ナンバーにプログレ・メタルになったかと思いきや、2曲目からはS.ハケット調のデリケートなトーンで丹念にメロディを紡ぐギターと壮麗に溢れ出す輝かしいシンセサイザーが織りなす、ジェネシス風のシンフォニック・ロックに着地。フィル・コリンズに似る鼻にかかった温かな歌声のヴォーカルもその印象を強くします。目玉である18分の大作は、「現代版サパーズ・レディ」と言うと流石に大げさですが、初〜中期ジェネシスにモダン・プログレの重厚感とエレクトロ要素を散りばめたような聴き応え抜群の一曲。中盤の静謐なパートでソロを取るリリシズム溢れるフルートも素晴らしい表現力です。ジェネシス憧憬のサウンドに現代的な要素をセンス良く組み合わせた力作。

  • LUZ DE RIADA / CUENTOS Y FABULAS VOL.3

    メキシコの新鋭バンドによる16年作3rd、民族色を散りばめながら爆発的なテンションで繰り広げられるアヴァン・ジャズ・ロックが痛快そのもの!

    フルート/サックス奏者、スティック奏者、ギター、ドラムの4人で2010年に結成されたメキシコのジャズ・ロック/アヴァン・ロック・バンド。タイトル通り、前々作・前作に続く3部作の完結編となる16年作。従来の作品同様、民族色を散りばめながら爆発的なテンションで繰り広げられるアヴァン・ジャズ・ロックは痛快そのもの!鈍い光沢を放つサックスの重厚なプレイに痺れるブラス・ジャズ・ロック風ナンバーから、1stのAREAをややメロディアスにしたようなフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、サックスがゆったりとメロディーを歌い上げるナンバーではバルセロナの70’sジャズ・ロック勢に通じる地中海エッセンスも垣間見えたりと、曲ごとの表情は非常に豊か。一方で独特の引っ掛かりを持つリズムへのこだわりが特徴で、アヴァンギャルドでありながら下手すると踊れてしまいそうなこのリズム感覚は、なるほど80’sクリムゾンからの影響がうかがえます。レコメン系ジャズ・ロックのファンには是非一聴いただきたい快作です。

  • POROTTA / ENTONCES

    アルゼンチンの新鋭プログレ・グループによる16年作2nd、80年代のシンセポップやネオアコといったサウンドを下敷きとする胸キュンなサウンドに驚く一枚!

    2人のキーボード奏者を含む5人編成、アルゼンチンの新鋭プログレ・グループによる16年作2nd。このバンドかなりユニークで、80年代のシンセポップやネオアコといったサウンドが下敷きにしているのが特徴。シンプルながら軽快な心地よさを持つリズムに乗って、爽やかなギターカッティング、多彩なトーンで彩りを添えるムーグシンセらが活躍する、大変懐かしいサウンドが繰り広げられています。音質こそ今風ですが、洗練された感じはあまりなくて意図的に80年代的な野暮ったいプログラミングやシンセサウンドをフィーチャーしているのがまた良く、たおやかでメロウな南米エッセンスといい具合に溶け合っていて聴き心地は抜群。優しげなスペイン語のヴォーカルもマッチしています。このシンセポップ/ネオアコという目の付けどころと再現度の高さは見事。世代の人にとってはかなり胸キュンなサウンドを楽しませてくれる好作品です。

  • ALAN REED / HONEY ON THE RAZORS EDGE

    ABEL GUNZやPALLASなどのバンドで活躍したヴォーカリストによる17年作、ピーガブ系統の存在感あるヴォーカルが相変わらず素晴らしい歌ものシンフォニック・ロックの逸品、PALLASのkey奏者Mike Stobbie、PENDRAGONのドラマーScott Higham、Steve Hackettらが参加

    スコットランド出身、ネオ・プログレ・バンドABEL GUNZやPALLASなどのバンドで活躍したヴォーカリストによる17年作。参加メンバーが特筆で、同じく元PALLAのkey奏者Mike Stobbie、Steve Hackett、MAGENTAの女性Vo=Christina Booth、PENDRAGONのドラマーScott Higham、そしてフランスの新鋭LAZULIで自作楽器LEODEを操るClaude Leonettiという充実のメンツが揃っています。ピーター・ガブリエルに耽美な艶っぽさを加えたようなReedのヴォーカルは相変わらずの素晴らしさで、存在感あるヴォーカルを存分に生かした抜けの良い歌ものシンフォニック・ロックを構築。演奏陣も素晴らしく、多彩にトーンを変化させ彩りをもたらすシンセを筆頭に、オルガン、クラヴィネット、メロトロンなどの鍵盤群を自在に駆使するStobbieのキーボードワークは特に見事です。ハケットは94年作『Blues With A Feeling』などでも聴かせている巧みなハーモニカ演奏を披露。透明度が高く豊かな広がりを持つシンフォニック・サウンドに乗って、伸び伸びと歌声を響かせる彼の姿が浮かび上がってくるような感動の快作に仕上がっています。

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