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スティック・メン来日公演@ビルボードライブ東京(2/21)ライヴレポート



こんにちは。
カケレコ・スタッフの佐藤です。

2月21日に六本木のビルボードライブ東京で行われた、スティックメンの来日公演に行ってまいりました!

スティックメンは、チャップマン・スティックの最高峰奏者であるベーシストのトニー・レヴィンとドラムのパット・マステロットという現キング・クリムゾンのメンバー2人と、フリップ門下生の一人であるスティック/タッチギター奏者マーカス・ロイターによる07年結成のプログレ・トリオ。

彼らのライブは2015年にもここで行われていて私も観たのですが、予想を超える素晴らしいパフォーマンスを楽しませてくれたので、今回も楽しみにしていました。

前回はゲスト・ミュージシャンとしてヴァイオリニストのデヴィッド・クロスが参加していましたが、今回のライヴのスペシャルゲストはフルート/サックス奏者のメル・コリンズ!ご存知現クリムゾンのメンバーにして、70年代のクリムゾン作品にも大きく貢献した名手です。



ジャケットを着たメルを除いては皆袖を捲ったラフな出で立ちでステージに登場。メンバーそれぞれが楽器を構えたり機器を確認したりと準備をしていたと思うと、いきなりパットの鋭いドラミングが切り込み、16年リリースの最新作『PROG NOIR』からのナンバー「Schattenhaft」がスタート!

トニーのスティックさばきは前回公演とクリムゾン・プロジェクトの13年公演で見ているのですが、何度見てもやはり圧巻。

10本の指をバラバラに且つ驚異的な速さで動かし繰り出される高速タッピングは、正直どの指がどの音を鳴らしているのか全くわからないほどに多彩な音を一度に奏でます。独特のズゥゥンという沈み込む重いベース音はもちろん、ギターと聴き違えるような高音域でメロディを紡いだり、シンセのような電子的な音色まで飛び出したりと、エフェクターを切り替えながら変幻自在のサウンドを生み出していきます。

ほとんどギターソロと言えるメロディアスな旋律をプレイをしながら同時にベース音も弾いている、という離れ業には唖然とするしかありません。スティックという楽器の特性をフルに引き出しているのがわかるスーパープレイが続きます。時々右手と左手を入れ替えたりとトリッキーなプレイも披露。

パットは、その巨体からパワフルに振り下ろされる一打一打のズッシリした重みと、圧倒的な手数でジャズ的な緻密なプレイも難なくこなす敏捷さが合わさったドラミングによって楽曲を組み立てます。そのプレイは、前回も思った野性味と知性が絶妙にバランスした、という表現がピッタリ来るもの。

マーカスは前回同様タッチギターに専念。タッチギターはタッピングに特化したギターで、通常のギターと形状はほとんど同じですが、スティックのようにフレット上だけを使ってタッピングで音を出します。滑らかに音が繋がることで生まれるウネウネと先の読めないスリリングなプレイが聴きモノ。

そしてメル・コリンズ。電気処理を施したと思われるフルートで尺八ばりに野太い音を出して、スティック・メンの3人に負けない存在感たっぷりのプレイでリードを取ります。

各プレイヤーの持ち味を披露した挨拶代わりの一曲目で、早くもスティック・メンの音世界に完全に引き込まれました!

続いては何度となく聴いた強烈な金切り音が響くと同時に、「あの」ヘヴィ・リフがザクザクと刻まれます。
こ、これは「Lark’s Tongues On Aspic Part.2」!突然のクリムゾンナンバーに客席も一気にテンションが上がります。

ここではトニーはベースに専念、地を這うような重心の低いプレイで存在を示し、パットはオリジナルでのビルのジャズ寄りのプレイに比べ、パワーに物を言わせたダイナミックなロック・ドラムで応じます。

そしてフリップそっくりのトーンで切れ味鋭いプレイアンサンブルに緊張感を高めていくマーカス・ロイターのタッチギター。

ジワジワと煽り立てるように反復フレーズが続き、中間部の「ダッダッダッダッダッ・・・」のあと、オリジナルではヴァイオリン・ソロが入る場面で、満を持してメル・コリンズのフリーキーなサックスが爆発!御年69歳とは思えない強烈なブロウは、やや離れた席で観ていたにもかかわらず思わずのけぞってしまったほど。ギラギラと光沢を放つような鋭いプレイからは微塵の衰えも感じさせません。

いや~、現役クリムゾンのメンバーたちがプレイする「Lark’s Tongues On Aspic Part2」、凄まじい迫力で思わず震えが来てしまいました!

硬質なアンサンブルを主体とするインスト・バンドだったスティック・メンですが、16年作『PROG NOIR』ではヴォーカルナンバーが多数を占めポップな側面も打ち出しています。本作から披露された『Prog Noir』などのナンバーでは、なんとトニーが渋いヴォーカルを披露。スティック・メンの音楽性に沿う感じの、熱唱ということもなく淡々としたヴォーカルなのですが、「うおーっ、トニー・レヴィンが歌ってるー!」と興奮してしまいました。リード・ヴォーカルとして歌うトニーは大変珍しい、というかほとんどこれまでなかったのではないでしょうか。貴重なガッツリ歌うトニー・レヴィンの姿もしっかり堪能させていただきました^^



4人中3人が現クリムゾンのメンバーということもあり、やはりインプロヴィゼーションは聴き応えたっぷり。メルの浮遊感のあるソプラノ・サックスのソロに始まって、パットが緩やかにリズムを刻み始めると、スティックとタッチギターが思い思いにフレーズを奏で始め、やがて4者がもつれ合い巨大な音塊へと発展していきます。名手4人のクリエイティビティがぶつかる光景はもう圧巻と言う以外にありません。各プレイヤーが互いの音にヴィヴィッドに反応し合い化学変化を起こしていく、即興演奏の醍醐味をこれ以上ないというほど濃密に堪能させてくれます。

中でもタッチギター特有のうねりを伴って徐々に熱気をみなぎらせていくマーカスが素晴らしく、師匠ロバート・フリップが後ろに見えてきそうなくらいの渾身のプレイでした!

そんなフリップが宿った彼の存在も考慮すると、もはや最小編成のキング・クリムゾンと言ってしまっても問題のない壮絶なパフォーマンスでしたね~。



ラストは再びクリムゾンナンバーで「Level Five」!圧巻はパット・マステロットで、生ドラムにMIDIを駆使した複数のドラムパターンを巧みに組み合わせる技ありドラミングを披露。これがとにかくカッコいい!そのリズムに乗って、フリップ譲りのメカニカルな反復フレージングを涼しい顔でこなすマーカスと、ベースとギターを同時にプレイしていると表現して差し支えないトニーのスティックが、オリジナル通りに絡み合いながら緊張感たっぷりに疾走します。メルのサックスもここぞという場面でアンサンブルに参加し、曲本来のヘヴィなサウンドに滑らかな艶を与えていて流石でしたね。

演奏が終わると、観客からの握手に一人ひとり応じながらステージを後にした4人。80分弱ほどの中で、スティック・メン、クリムゾン、そしてインプロビゼーションと、聴きどころだけで構成されたような濃密なステージでした!

再び最高の一夜を過ごさせてくれたことに感謝!またの来日を楽しみにしています!

撮影: Masanori Naruse

提供: ビルボードライブ東京


スティック・メン来日公演@ビルボードライブ東京(4/10)ライヴレポート

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4月10日、六本木のビルボードライブ東京にて行われたスティック・メンのライヴへと行ってまいりました。白熱したステージの模様を他国でのライヴ動画などを交えてお伝えしてまいります!

STICK MENの在庫

  • STICK MEN / PROG NOIR

    トニー・レヴィン率いる異色のトリオ・バンド、16年作!

    ご存知、キング・クリムゾンのリズム隊トニー・レヴィンとパット・マステロットに、スティックベース/タッチギター奏者マーカス・ロイターを加えた3人によるバンド、16年作。サウンドの印象は、スティックベースのプレイを前面に押し出した90’sクリムゾン〜00年作『Konstrukction of Light』といった感じで、ロイターによるタッチギターもフリップよりはブリューを意識しているようなエキセントリックなフレーズを随所で聴かせます。本作ではレヴィンとロイターのヴォーカルがフィーチャーされていて、従来作よりもややポップになった印象です。淡々とリズムを刻んでいたかと思うとサラリと超絶フレーズを挟み込んでくるレヴィンらしいクールなプレイも満載。過去作を追ってきた方なら問題なく楽しめる一枚に仕上がっています。

  • STICK MEN / MIDORI

    トニー・レヴィン率いるトリオ・バンド、元クリムゾンのヴァイオリン奏者デヴィッド・クロスをゲストに迎えた15年来日公演を収録!

    六本木ビルボードライブ東京での2015年4月10日の来日公演、同日に行われた2ステージを各CDに収めた2枚組。トニー・レヴィン、マーカス・ロイター、パット・マステロットの3人によるスティックメンに加え、スペシャルゲストとしてかつてキング・クリムゾンのヴァイオリニストを務めた名手デヴィッド・クロスが参加。1stステージのほうは実際にライヴを見に行っていたのですが、音源を聴いて素晴らしいライヴだったことを再確認しました!ロイターのタッチギターが紡ぎ出すうっすらと緊張感を含むサウンドスケープの中を、鋭くもデリケートに音を選びながら切り進んでいくクロスのエレクトリック・ヴァイオリン。レヴィンはギターのようなトーンのリードプレイからズゥンッという地鳴りのような低音までスティックならではの幅のあるプレイを聴かせ、マステロットはロック的ワイルドさとジャズのしなやかな表現力が合わさったドラミングを披露します。各メンバーが思い思いに奏でる音に互いが反応しあい、やがてスリリングな応酬へと発展していくインプロヴィゼーションは、さすが新旧クリムゾンのメンバーが3人揃っているだけあって、抜群の聴き応え。そして圧巻はやはり後半のクリムゾン・ナンバーによる畳み掛け!エフェクターで音色を変化させながら哀愁たっぷりにプレイするクロスのヴァイオリンが美しい「STARLESS」のアレンジ・バージョン。トライバルなリズムの上を舞うヴァイオリンがジリジリと狂気を煽り立てていく「TALKING DRUM」。さらにそこからオリジナル通りヘヴィネスみなぎる「LARKS’ TONGUES IN ASPIC PART TWO」へと雪崩れ込んでいく怒涛の展開まさには鳥肌モノ。まるで元々バンドメンバーだったかのようにスティックメンのサウンドに溶けこんだクロスの名演も光るライヴです!当日のステージ写真とともに同ライヴをご紹介しているライヴ・レポートのほうもぜひご参照ください!

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