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イタリアン・プログレの実力派グループCAP特集! 寄稿:ハル吉

寄稿:ハル吉

CAPの歴史

元々の始まりは1971年秋、未だうら若き高校生の仲良しグループが中庭にある地下室に有り合わせの楽器を持ち寄り、プログレッシブロックのカバーをやり始めた頃にさかのぼるが、CAP Consorzio Acqua Potabile [コンソルジオ・アクア・ポータビレ]の歴史は自曲を演奏し始めた1973年から始まる。すべてはピエモンテ州ノヴァラの稲作地帯に近いロンバルディア州ポー平原にある、霧に包まれた小村、ボッファローラ・ティチーノ村から始まったのだ。

そして70年代は前衛的な音楽のコンサートやイベントが大いに開催され盛り上がった時代であった。

オリジナリティとインパクトのあるバンド名にしなくてはと、当時を代表するバンド(BMS、PFM、RDM、QVL、RRR等)のようにアルファベット3文字のバンドにしようと考えた。こういうバンド名はふざけた感じを醸し出すが、バンドは全員一致でConsorzio Acqua Potabile(CAP)に決定、英訳するとConsortium for drinkable water【飲料水会社】のような感じになる。

上述したような地元の小さい音楽イベントに出演し、プログ・ロックのカバーを何回かした後、CAPは自分らしさ、つまりオリジナル曲を考え演奏したいと思うようになり、ロックオペラという難しいがやりがいの有るプロジェクトを推し進める事にした。

壮大でシンフォニックな歌物音楽に考えを巡らし、遂に1973年秋、CAPのロックオペラ『ゲーブランド』が地元の映画館で初お目見えとなった。当時は資材に限りがあったものの、劇場特殊効果や自分達で撮った映画の投射、照明も素晴らしく、実存主義を悲しくも独創的に描いたこのオペラで、CAPは地元でかなり有名になった。

当時のメンバーは

エンリコ・クッキ:ギター
マリオ・クッキ:ドラム
ウーゴ・ゴルラ:バイオリン
ジャンカルロ・モラーニ:ベースギター、歌
ジャンカルロ・ロニョーニ:コンガ、キーボード
マウリチオ・ヴェネゴーニ:キーボード、歌
この後すぐ、ギタリストのマッシモ・ゴルレッツァが加入。

まだ地元のライブに出演してる時にも、バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコーソの曲から受けた影響は非常に大きく、CAPの全制作における模範となった。

その後ドラムのピッポ・アヴォンドとピアノ・シンセのロモロ・ボレッラがバンドに加入。

二人ともノヴァラ出身で同地域で幾つかのプログレバンドにいた経験を持つ。

1977年はプログレッシブ・メロディックロック界にとって転換期であった。熱心なファンはいたものの、CAPが77年5月5日ノヴァラのサラ・ボルスホールでライブをすると、観客の趣向が何か変わってしまっていると気付いたのだ。

サラ・ボルス コンサートのメンバーは

ピッポ・アヴォンド:ドラム
ロモロ・ボレッラ:アコースティックピアノ、フェンダーピアノ、エルカ・ラプソディ【シンセ】
マッシモ・ゴルレッツァ:ギター
ジャンカルロ・モラーニ:ベース
マウリチオ・ヴェネゴーニ:ハモンド、ミニムーグ、エルカ・ラプソディ

CAPはその後も何度かライブにゲスト出演したものの、70年代末に解散。

十年が過ぎ、再びプログレッシブ音楽に注目が集まると、CAPの活動にも光が当たり、 コンソルジオ・アクア・ポータビレ復活の時代となった。

1993年、メインボーカルにパウル・ロゼッテを迎え、バンドはカリフォニア・レコードから『Nei Ghorghi del tempo』【渦巻く時の中に】を発売。

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『Nei Ghorghi~』アルバムはCAPにとって新たなチャンスとなり、ファニール・アルバム【上述カリフォニア・レーベルのコンピCD】やVDGG【ヴァン・ダー・ガーフ・ジェネレーター】トリビュートアルバムに参加。バンドにはビエッラ出身のマウリチオ・メルカンディーノがメインボーカルとして、キッコ・メルカンディーノがギター、ファブリチオ・セローネがキーボード・ピアノ、ルカ・ボナルディがドラムで加入。

1996年11月ペンドラゴンのミラノ公演前座としてCAPが出演。

1998年6月CD『Robin delle Stelle』【星のロビン】を発売。これは宇宙船ロビン艦長の物語である。【1978~79年にイタリアで11話作られた漫画。後に単行本化】

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翌年、アメリカはノースカロライナ州の「プログ・デイ’99」に唯一のイタリアバンドとして出演。この時、フルートとコーラスのシルヴィア・カルポ、キーボードのジョー・ディ・ビアセが加入。

CAPのワールドワイドな活動は1999年に始まり、翌年にはスペイン、フランス、ベルギーでコンサートをし、その中にはティアナ・フェスティバル、エクリプス・フェスティバル、プログレッシブ・ロック・ナイト、そしてあの有名なベルギーの「スピリット・オブ・66」にも出演した。

2003年に『IL Bianco Regno Di Dooah 』【ドーアーの白亜宮殿】を発売し、その後、有名なムゼアレコードのコンピ『Odissey The greatest tale』『7 Samurai』『Dante’s Inferno』など国際的なアンソロジーに参加。

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現在バンドは40周年記念ツアー「Compagni di Banco」【クラスメート】と題し、ゲストスターとしてアルヴァロ・フェッラ(元ジャンボ)をボーカルに迎え、新たなステージショーでイタリア中を精力的に回っている。また、最近だがCAPの歴史を詰め込んだコレクションアルバムで、ライブトラックも収録した『Il Teatro delle Ombre』【影絵劇場】が発売になっている、最後になったが忘れずに付け加えておく。

現メンバーは

マウリチオ・ヴェネゴーニ:ハモンド、ミニムーグ、エルカ・ラプソディ、ミディ管楽器シンセ
マウリチオ・メルカンディーノ:メインボーカル
マウリチオ・MUX・ムッソリン:ドラム
ジョバンニ・JO・ディ・ビアセ:アコースティックピアノ、キーボード
マッシモ・ゴルレッツァ:ギター
エンリコ・KIKKO・メルカンディーノ:ギター、アコースティックギター
ルイジ・GIGI・セッコ:ベースギター
シルヴィア・カルポ:コーラス、バロック・フルート

*本原稿は2015年に書いた記事で、文中にある「アルヴァロ・フェッラ(元ジャンボ)をボーカルに迎え」た新作『Coraggio e mistero』が2016年に発売された。

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出典:CAPサイトhttp://www.capgroup.it/より
( )は原注。【 】は訳注。翻訳:ハル吉 Translation: Harukichi

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